「岩井俊二作品のファン」キリエのうた Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
岩井俊二作品のファン
時系列が行ったり来たりで、前半謎めいている。
最後にようやく冒頭に繋がる。
観賞後、もう一度序盤を観て、岩井俊二作品らしさがあると納得する。
東日本大震災が関係していて、松村北斗さんが途中から主役並みに登場する。
広瀬すずさんは、以外と少ない登場のわりに、存在感が凄い。
路上ライブの場面の尺を長くとって、じっくり歌を聞かせる演出。
終盤、使用許可書云々で警察の指示に従わず、強行してライブを続けている時、イッコ(広瀬すず)が血だらけになるというシチュエーションも岩井俊二作品らしさ。
久々に石井竜也(カールスモーキー石井)さんを見た。ぐでぐでに酔っている演技が上手いと思った。ホントに酔っぱらってるように見えたが、魅力が引き出されているというわけではなかった。
大塚愛さんは、若い頃のイメージで止まっていた為現在の姿が分からず、エンディング・クレジットで出演していることを知った。
ふたりのキリエ(本人と妹ルカ)の過去が明かされる時、なかなか興味深かった。
私の場面、岩井俊二作品は一度のみならず何度も観て、いつの間にか愛せる作品になっているというパターンが多い。
コアなファン以外には受けが悪いかもしれない。
松村北斗さんのファン、広瀬すずさんのファン、アイナ・ジ・エンドさんのファンが、岩井俊二作品のファンになるかは分からないが、私は充分に既に岩井俊二作品のファンなのだと実感した。
良くも悪くも岩井監督(俊二)という映画ですよね。俺は、わりかしストーリー派なのですが、岩井監督的美意識は好きです。
アイナさん(ジエンド)を認識できた価値は大きかったです。
共感ありがとうございます。
主人公の歌に賭ける想いが泣けましたね。喫茶店で唄い出すトコとか、ラスト近くの暮らしの部分とか。
広瀬すずの最期はもっと悲惨でも良かった、同時期に観たファスビンダーで強くそう感じました。


