「アイナはかわいい」キリエのうた おろしバーグさんの映画レビュー(感想・評価)
アイナはかわいい
岩井監督作品て感じ。アイナをかわいいと思うかそうでないかで作品自体の評価も変わりそう。
アイナの歌声は既に知っているから、歌い出してすぐ感動!すごっ!みたいな音楽映画によくある驚きみたいなものはないが、長い上映時間でじっくり聴かせてくれる感じ。私はそもそも歌声が好きなのでとても良かった。
松村北斗も役を嫌味なく演じていて良かった。
演出の技かも知れないが。
脚本も時系列の入れ替えがあり、主人公たちの過去、過程が次第に明かされていく。3時間飽きずに観れた。
しかし、いくつか気になる点が…
まず3.11を映画で使うのがなんかずるさを感じてしまう。不謹慎だなんだと言うつもりはない。風化させない、被災者応援になるのかも知れない。でもこれが出てくるともうそれだけで日本人としては悲しい雰囲気が出てくる。
もういろんな作品に使われてるけど、その度に思う。物語の舞台としてずるい。私が潔癖なだけかなぁ。
それと音楽映画なのでラスト見せ場ライブがあるが、対警察って…しかも完全主催側の落ち度だし…なんか時代を感じてしまった。昔の映画ってそうだったなあって。いや令和の映画だよなこれ。
広瀬すず演じるイッコの結末も取ってつけたよう。3.11で命が奪われるのがでたあとにこうゆう展開やられてもチープにしかみえない。わざとなのかも知れないし、セルフオマージュみたいな感じもあったのかな。それでもちょっとない。
もう一つ、ラストレターでも感じたのだが少女に対する幻想が膨らみすぎてないか?昔の作品からその雰囲気はあったが、この2作品からは着せている衣装などに強く感じた。
私は好きだが…
岩井監督作品の公開初週なのに私のみた上映回はガラガラでした…
不満点も上げたが、アイナ・ジ・エンド魅力でとてもよかった。