「全て「ご想像にお任せします」な感じでした。」キリエのうた しろみみさんの映画レビュー(感想・評価)
全て「ご想像にお任せします」な感じでした。
演技も映像も不満はありません。
主人公を演じるアイナジエンドさんは
雰囲気があり体を張る演技もしっかりされていて
素晴らしかった。
女子高生二人が雪の中はしゃいだり、
広大な浜辺で寝転がったり、
「エモい」映像も良かったです。
ストーリーは色々と気になる点が多かった。
まず主人公のるかちゃんの心情描写があまりにも
無さすぎてどんな子なのか最後まで分からなかったです。
姉の名前を使って歌手活動をする
「るか」自身がどんな人物なのかもっと知りたかった。
※歌は歌えるけど会話は上手く出来ないことに対する葛藤
※お金。里親さんとはどうなった?家も身よりもない人間が金銭面の不安が無いとかありますか・・・?
※路上生活と言ってたけど女性一人で恐怖や不安とかそういう感情湧きませんか?(あと音楽機器とかよく盗られなかったですね・・・)
最後の方はネカフェ的なところにいて生活感出てましたが、そういう主人公がどういう暮らしをしていたかを表現して欲しかったです。
主人公以外のメインの登場人物も表面的な感じ。
登場人物全員、その人物たちが
どうなったのかは観客が好きに解釈していい展開。悪く言うと投げっぱなし。
複数人に焦点を当てているため、
個人的にはのめり込める人物がいなかったのが残念でした。主人公のるかちゃんをメインに、焦点を当てるならイッコちゃんまでにして欲しかった。
それから話の展開となるきっかけが
思わぬ妊娠や男女の関係のもつれというのが
ベタで展開がある程度読めてしまうので
新鮮味が無かったです。
個人的にめちゃくちゃ不服なのが
路上ミュージシャンのフェスの許可取ってるか取ってないかのくだりです。
許可取ってたのか取ってないのか(多分取ってなかったんですかね?)分かりませんが、
〇許可を取っていない場合→
路上ミュージシャンを盛り上げるための
せっかくのイベントなんやからしっかり許可とれよ。
〇許可を取っている場合→
許可証持ってきてないとか責任感無さすぎるやろ。
と、どちらに転んでも腹が立つ結果です。
警察を出したいための展開だと思いますが、
路上で頑張ってるミュージシャンを
盛り上げるためのイベントで、
警察が出動してしまうような事になれば
路上ミュージシャンの活動の幅を狭める事に
なってしまいます。
話の展開のためではなく、
そういうディテールは大事にしていただきたいです・・・。