PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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生きることはルーティン
この映画は絶対観ると決めていた。封切当日に映画館に行くつもりだったが、あいにく病院での検査と重なってしまい2日後になった。
何も変わらないのがイイ。生活はそういうもの。同じことの繰り返し。たまに変化があるから楽しい。如実にそれを表現していた。カーステでかけるカセットテープの音楽が日々違うのがまたイイ。ほとんど知らない曲ばかり。でも、映像を彩っていた。
スマホもない、テレビもない。こんな生活だからこそ見えてくるものがあることを教えてくれた。
数日後、小津安二郎の「秋刀魚の味」を観たが、ヴェンダース監督の目線に納得できた。
大好きな映画です
予告編を見た時から素敵な映画だろうなと楽しみにしていました。早速見に行くと期待を裏切らない出来で嬉しくなりました。パリで見たのですがフランス人の観客にも評論家にも評判がよかったようです。
平山の様な生き方は誰にでも出来るものではありませんが、こんな生き方が出来れば幸せになれるのかなと思いました。
俳優が皆それぞれ素晴らしいのですが私は三浦友和が特に好きでした。役所広司と交わす言葉が印象的で登場場面はわずかですが心に残る役でした。この映画でファンになりました。
Wim Wenders監督が撮影した日本や日本人は素朴で心優しくて穏やかでしかし情感たっぷりで嬉しくなりました。この映画は、昔々あるところに、、、的な話かもしれないですね。
カセットテープやガラケーがちょっと懐かしかったです。でもこういう東京が残っているのなら東京も捨てたものじゃないと思えました。
10のうち9ぐらいかな。
(音楽はヴィムの趣向性だと信じたい)いたって日本の映画だったので、なんだかホッとした。そもそも小津派だけに馴染みは良いのだろうけど。
印象的なシーンや台詞が散りばめられていて、毎日の平凡で単調な日々に訪れる喜怒哀楽を誘発する出来事に反応する役所広司の演技がちょうど良く、観ている側にもその感情が伝播してくる。家のテレビやスマホではなくて劇場で観たい日本映画としてオススメしたい。
追記
トイレは掃除する人のこともそうだけど、次に使う人のためにも綺麗に使いたい。
さっぱりわからない
湯川先生ばりにつぶやきたくなる。
だが、論理的展開はこれっぽっちもなく、
ゲージツなので私には永遠に読み解けまい。
いろいろ匂わせてちりばめるが、全く回収しない。
私と相性最悪のフランス映画を想起させられる。
きっとヨーロッパ辺りのゲージツ的映画祭では高評価なのだろう。
それとも興味がないから知らないが、既に何かもらってる?
正月映画がアニメだらけなので消去法で選んだが、
アーニャでも観た方が微笑ましい分だけ数段ましだったろう。
妻も珍しくちょっと寝たそう。
ゲージツを理解しない馬鹿夫婦にはハードルが高すぎる作品だった。
おそらく人生最悪の映画観賞初め。
神の視座
私は無宗教ですが、神様がいるとしたら、こんな人間(平山)に、一番に微笑ましさを感じているだろうと感じる映画でした。自分は絶対にこんな生き方はできないなあと思いつつも、平山の生き方に共感してしまうのは、人間の根底に息づく「何か」に触れるせいかも?だからベンダース監督の視座を「神」と表現しました。それにしても映画監督ってすごい。
監督のインタビューで、平山の人物描写のヒントとしてレナード・コーエンがあった、と知りました。レナード好きな私はここにも感動。・・・・と、取り留めのない感想ですみません。辛いこと多い世の中ですが、生きていくのがまた少し楽しみに変わりました。
PERFECT WORLD
ひとりだけど、ひとりじゃない
何も起こらないんだけど涙が止まらない。
確かに質素な日常の中にささやかな幸福を見つけるというテーマはあるけど、自分は違うところに心ひかれた。
平山は孤独なんだけど、孤独じゃない。
決して世捨て人じゃなくて、無口な性格ながらも世界に開かれてる。
飲み屋のおっちゃんとか、子供とか、〇×ゲームとか、木漏れ日とか。
大都会の片隅で、ひとり世界に開かれてる。
なんかね、尊いのよ。
平山と同じ境遇だったら人を恨んだり、羨んだりとか
その人の性格によってはあると思うんだけど、
平山はぜんぜんそういうところがない。
自分ももっと世界に開かれていたいと思った。
表現の仕方として、音楽とか映像とか芸術度が高くて、
かつ作品として心に訴えてくるところが多くて、
巨匠の面目躍如といった感じ。
過去作の「パリ・テキサス」と「ベルリン天使の詩」を久しぶりに見返してみよう。
鑑賞動機:カンヌ7割、役所さん3割
2024年1本目。
何も起こらない変わらない日々のようでいて、全く同じ日常というわけでもなく、役所さんだから成立した映画の気がする。
『11の物語』にまんまと食いついてしまった。カタツムリのイメージが強かったけど、すっぽんもあったのか。ヴィクターみたいになるってもう脅迫ですよそれ。
いろんなとこに色んな人が出てたみたいで、イヌコさんは声ですぐわかったけど、えっ、写真屋の店主柴田元幸ってあの柴田元幸?!
良くぞ外国人監督が
まさに「完璧な一日」、ヴィムヴェンダースの小津的日本。
いつもと同じように起きて歯を磨く
いつもと同じように缶コーヒーを買う
いつもと同じようにトイレ掃除する
いつもと同じように焼酎を飲んで帰る
ああ、なんて完璧な一日だろう、とルーリードが歌ってる
ヴィムヴェンダースは健在、
誰にも描けない日本人的感覚で私たち日本人に「何が完璧か」を教えてくれた
とにかく東京がすばらしくうつくしい街だと思わせてくれる光の描き方
役所広司の台詞の少なさと佇まいは「すばらしき世界」同様眼を取られる、彼の存在感は他の俳優とは一線を画しこの圧倒的「役」の人となり言葉少ない彼の気持ちを知りたいと思いながらその映画の時間を過ごす。
そう「ベルリン・天使の詩」では天使の視線で街を俯瞰し、
「パリテキサス」では日常を捨てたハリーディーンスタントンが荒野を彷徨い人としてロサンゼルスを傍観し、
この映画では役所広司が東京を。
ああ、「まさに完璧な一日」、
良い映画を観た。
ルーティン
仕事のある日(休日も?)のルーティンワークが丁寧に描かれる。
思い出したのは「おみおくりの作法」のジョン・メイ。もっと判で押したような1日だった気がするが。
寡黙な平山さんはほとんど喋らない。
同僚にも返事もしない。
でも挨拶はちゃんとするし、子供には優しく話しかける。
無口な人の役だが、話し出すといつもの役所広司さんが見え隠れ。
や、全く隠れてないよ。
平山さんの仕事はきれいなトイレの掃除なんだね。
入ってすぐに素手でゴミを拾っていたけど、あそこは軍手かゴム手じゃない?
トイレは新しくておしゃれだろうけど、ゴミは素手で拾えるほどきれいじゃない。
その手であちこち触るなんて…あ、自分は潔癖症でもなんでもないです。
住んでるのは古びたアパートだけど、駐車場付きなんだね〜。
駐車場付きの都内のアパート。
浅草なんて羨ましいな。
お風呂はなくても銭湯に通えて、外で呑んで休日はちょっと贅沢も出来て。
理想だな。
フルタイムだけど…やろうと思えば自分にも出来るんだろうか。
季節は、春くらいなんだろうか。
夜でも窓開けてたし。
パーフェクトな生活はエアコンがなくても快適じゃなくては。
役所広司さんはカッコいいし、好きだけど、現実味が無さすぎてなんとなく鼻についてしまったな。
もっと言ってしまうと、こうすれば貧しく見えるよね、というイメージを押し付けられてる感じ。
新年早々のせいか、普段はガラガラの大きいシアター、割と人が入ってた。
近所の映画館、チケット販売は対面式なんだけど「パーフェクト・ワールド1枚!」って大声で言って「パーフェクト・デイズですね」と冷静に返されてしまった…涙
(´∀`)なるほどね
人間臭くて好き
日本が舞台の洋画の様
毎日キチッとしたルーティンで暮らしてるようで、人生色々。
生きてりゃ同じ日々なんて無く、自分にしか分からない、色んな経験をするものだ。
最後のアップシーンがその全てを表してるのは圧巻‼️
日々見慣れた日本が舞台で、日本を代表する役者さん、役所広司さん主演だが、外国の人が日本を見ると、こんな風に見えてるのか?と、ちょっと違った角度から、芸術的に見えるし、公衆トイレも色々あるもんで、外国の人が感動しそう。
日本人の表情も、外国の人が見ると、確かにこんな感じだなと。
たまに、日本人ならハグはしないだろ、とか音楽センスとか、画角アングル、道具の見せ方とか、外国チックさも感じる。
それがまたオシャレで、日本人には無い感覚で、洋画を見てるようでした。
色んな感想表現があるが、「嬉しかった」と言う感想は初めて。
自分を理解してくれたような、好きな映画はたくさんあるが、数少ない、大事な映画に出会いました。
映画は好きだか、監督さんとか俳優さんに詳しくはないが、ビム・ベンダースさんの作品を他にも見たくなりました。
日常生活のASMR
印象に残ったのは、日常生活の様々な音だ。
箒の擦過音、車のドアを閉める音、鳥のさえずり、缶コーヒーを開ける音など、それぞれが立っているように、個人的な感覚なのかもしれないが印象に残った。
もしかすると、ストーリーに衝撃的な事件が起きないぶん、そちらに気をとられたのかも知れない。
男はひとりではあるけれども、朝、空を見上げるその顔は孤独の陰を宿してはいない。あるがままの世界をあるがままに受け容れている。
ささやかな歓びや、悲しみ、戸惑いや腹立ちの感情を抱えながらも、くらべて得られる幸福とは違う場所で彼は生きている、木々の陽だまりのなかで。
観たあと、余韻に浸っていたくてエンドロールもすべて終わるまで座っていた。ほかの人達もほとんどそうしていた。
いい映画だった。
小津安二郎を追い続けたヴェンダース監督の、師に宛てた一つの回答ともいうべき一作
東京で清掃作業員として働く平山という年配男性(役所広司)の日常を追った本作は、前半は淡々と、しかし飽きさせない描写が、そして後半は平山の来歴にかかわってくるような、少し謎を含んだドラマが展開しつつ、やっぱり淡々とした語り口を保つという、ヴェンダース監督ならではの作品となっています。
市井に生きる様々な人と、無口でさりげないけど温かみを感じる交流を重ねる平山の姿は、ヴェンダース監督の代表作『ベルリン・天使の詩』(1987)の天使(ブルーノ・ガンツ)とどうしても重なってしまうんだけど、さらに言えば、東京を舞台にしているという点においても、本作は同監督が1983年の東京を撮影した『東京画』(1985)の影響を感じずにはいられません。
40年前の若きヴェンダースは、活気あふれる東京の風景を、いっぱいの好奇心と小津安二郎監督に対する憧れに素直にしたがって撮影していました(異様にパチンコに執着を見せる)。それからちょうど40年後に撮影した本作では、ヴェンダース監督は単に小津監督への敬意を表するだけでなく、尊敬する師の映像美学の中核をなす要素、そして日本の美意識の深奥とは何か、という問いにまで踏み込んでいます。
TOTOから依頼された短編映画の企画から、ここまでの作品に仕上げるあたり、さすがヴェンダース監督だと感心しないではいられません。
絡みそうでなかなか絡まない登場人物同士の表情と視線の交わりがほほえましく、作中にちりばめた平山の人生にかかわる謎は謎のままで残しておいたことも、良い鑑賞感をもたらします。
古い木造アパートの一室でデスクライトが灯っているだけなのに、無上の美しさを感じさせたり、心打たれるような影と光のゆらめきなど、映像の美しさは特筆したいところです。平山の選曲もすごいセンス。
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