PERFECT DAYSのレビュー・感想・評価
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シュールっていうのかな
無口な中年のトイレ清掃員の日常映画。
毎日毎週同じ生活ルーティンで、
家族のいないおじさんの一つの幸せな人生って感じなのかな。
独特だけどいい趣味もある。
人と群れるのが得意ではないのは僕もわかるので
形は違えどあまり人と関わらない一人の世界ってのは共感できたところはあった。
ただ、姪や同僚の彼女や飲み屋のママたちとのああいう絡みは
現実のしがないおじさんには無いだろう笑
自分らしい生き方に憧れる。
トイレの清掃員おじさんの何気ない日常。
派手さや大事件はないのに、ずっと楽しかった。
役所広司の相変わらず素晴らしい演技に魅入りつつ、ストーリーそのものの素敵だった。
規則正しい生活を送るおじさん(写真や音楽、読書などの趣味を楽しみ、プライベートでは一人呑み、トイレの清掃を愚直に頑張る人)が、周りの人と接することで少しだけ生活が変化するお話し。
“小さな幸福や悲しみと連続”の中で、物足りなさを感じずに生きる姿をみて、改めて自分の日常って何なんだろ?って考えされられた。幸せに生きることのヒントを与えてくれた。
あと、東京の描き方が非常に上手かった。
とくに川の描写が非常に上手くて好きでした。一人になる時、大事な会話をする時、考えながらの帰り道、様々なシーンで映された川が美しく見えた。※東京の川、汚いのに。笑
そもそも、公衆トイレの掃除、というのも一見汚く思えてしまうのに、この作品では公衆トイレが綺麗に思える。また、トイレ清掃員の方へのリスペクトを感じる。綺麗に使おうと改めて思ったし、この作品を観てから、水回りを丁寧に掃除するようになった😂
追記、浅草駅の地下の飲み屋、めちゃくちゃ行きたくなりました🍺
表情が感情を伝える
鑑賞前にレビューを読んでいたので
ある程度の展開は分かって居ましたが
それでも役所広司さんの
表情から感情を想像する作品
言葉が少ない分、表情の一つ一つに注視しながら観てました
それが心に響いてきました
あまり見たことのない表現に新たな刺激を感じました
アカデミー賞候補に相応しい作品
日常にあふれている温かさと冷たさを、機微に掬い取った味わい深い作品
公衆トイレの清掃員の日常を描く・・・だけなら何も惹かれることはなかったのかもしれない。しかし日本映画ながら監督は有名どころのヴィム・ヴェンダースに主演の清掃員役には日本のトップ:役所広司。それがなんとカンヌで評価され、役所広司は男優賞を獲った。この作品はいったい何なのか?その興味から本作の鑑賞に至った。
ストーリーは至ってシンプル。平山という清掃員の仕事の一日、休日の一日を数日かけて見続けるというもの。寡黙で言葉を発することが珍しい男の生活を数日かけて追っただけのようなもの。しかもルーティンが決まっているかのように同じような生活をし続けている・・・
これが実に味わい深い。
基本同じように淡々とこなす平山だが、毎日の小さな出来事に心が動いている。清掃員を冷たく見る視線、助けた子供からお礼の手振り、サボり癖のある男の実はいいところ、仕事終わりの銭湯と居酒屋の一杯・・・
日常にあふれている人の温かさと冷たさを、「喜怒哀楽」を丁寧に掬い取ったかのようなシーンの連続なんです。
それを淡々と、誇張なく、それでいてグッときたり、おぉっとなったり、じんわりときたり・・・同じ毎日のように見えて、小さなことに新鮮さを感じる。これが味わい深い。こんな撮り方、正直現時点(2024年の時点)で描ける日本人がいるだろうか?日本映画であって、日本人には到底描けないような・・・。これがヴィム・ヴェンダースか。なんと詩的な作風なんだろう。
そしてもうひとつ。主人公の平山という人は、寡黙でほぼ喋らない。だから身体で表現するしかない役柄です。だが、役所広司は素晴らしかった。それはまるで、
“カラーのチャップリン”のよう。
そこまでコメディ要素はないものの、その身体、表情、仕草に不思議なオーラがあり、見てて飽きない。あまり抑揚がないように見えるが、実は静かに大きく動きがある。まさかチャップリンと重なって見えてしまうとは。今まで役所広司出演の作品はそこそこ見てるが、個人的には本作の役所広司が最高だと思います。
ただ、何回も観たくなるかと言えばそうではなく、地味過ぎるがゆえに小品感が強く、どちらかと言えば珍味のような作品。だから好みは大きく分かれるのかもしれない。しかし、本作は一見の価値はあると個人的には思います。冬に熱燗をじっくり呑むような、そんなスタイルが好きな人には合うのかなと思います。
光と影のゆらぎ
日本の文化や信仰
きちんと整理された部屋
まじめに仕事をして
周りにも親切にして
風景の美しさを大事にする
日本の文化と信仰と知恵と風土を大切にしたくらし
何気ない日常
が、突然くずれる、ドラマが生まれて
時にはかなしく時には嬉しく
目立たない日常で
毎日新しい朝をむかえる
海外監督からみた日本とは思いつつ、
それでも、良いものは良かったです。
静かな熱量
平山と同世代なので自分の生き方を映されているようで初めは居心地が悪い。
社会的に見れば下層だけど、彼の生き方にはそれが合っているのだろう。自己を主張しすぎず、社会との関りを捨て去らず、目の届く範囲を温かい視線で見守る優しい日常。
ニコとの関係性は平山がただの世捨て人ではなく、感情が通った生きている人物である証明のような時間。ミニマルな普段の生活空間ではない場所に使わないゴルフバッグがあったり、静かで余白に満ちた映像から彼の生き様がうかがい知れる。そして、久しかった妹とのハグはこの作品の一つのクライマックス。
そして石川さゆりからの三浦友和は平坦な物語り進行にとてもよく効くアクセント。
Nina Simone最高でした。
ルーティンの日々に心をつかまれる。美しいと思う。時に心がかき乱され...
ルーティンの日々に心をつかまれる。美しいと思う。時に心がかき乱されることが起こる。それも過ぎていく。私たちは、自分を取り巻く世界の引力から自由にはなれない。自由にやってるつもりでもマクロで見たら、ルーティン+αがせいぜいだ。だから自分の喜怒哀楽や誠実、苦しみ、もろもろは吹けば飛ぶようなものにすぎない。それは老若男女富貴貧賤を問わない。この映画はそんな人生を全部肯定してくれる。
ホームレスと決めつけられた男
トイレの掃除屋として働く中年男性。彼は幸せか否か。
セリフの少ない作品。
良い点
・演技
・価値観
・曲
悪い点
とくになし
その他点
・良くも悪くもトイレが綺麗
・夢の内容に意図があるのかないのか
・エンドロールでホームレスと決めつけられた男がいる
ノイズ
前半は彼の生活を観ていると、自分がいかにノイズまみれに生きているか、ということを痛感した。
わたしだって中学生くらいまでは、音楽と小説を楽しみに、好きなものをじっくり味わいながら生きていて幸せだった。
彼の小説や音楽、写真を楽しんで味わっている姿がとても印象的。
わたしの今はいろいろなことが気になって、無駄にスマホを見てしまうこともあるし、そんなに好きなことじゃないことになんだかんだ時間を使ってしまっている。
自分が良しとすることだけでなく、世間の目、周りからどう思われるか、世の中で良いといわれているものを好きでもないのにやろうとしたりしている。
そんなことを痛感していた。
彼だってノイズだらけの街、渋谷で働いているが、自分のペース、自分で選んだ生活をしている。これは丁寧な暮らし、ともやや違う、ただ彼が彼自身のためにやっている、という感じがとてもいいな、と思った。
ところが中盤から、同僚や、突然現れた姪など、彼の淡々とした穏やかな生活を乱す。
観ていると、どうか彼の生活を邪魔しないでくれ、と思ってしまったが、彼はその時だけ少し怒ったりもすることはあるが、決して変わらない。
人を避けるわけでもなく、関係をつくろうと意気込むのではなく、ただその時のその人と向き合う。
わたしは、木漏れ日の意味もよく知らなかった。監督は日本のことが好きで、木漏れ日からインスピレーションを受けたのかなあ。
台詞も少なく、説明も少ない。
その余白がそれぞれに想像したり、いろんなことが考えられるところが素敵。
最後の表情、笑っているのか泣いているのか、その時々の自分の状況で感じ方が違うのかも。役所広司さん、やっぱりすごいなあ。人生は笑顔になること、泣きたくなることどちらもあって、それでパーフェクトであるってことなのかな。5年、10年置きくらいのスパンでみかえしてみたい。
自分が日々いかに色々詰め込み、誰に向かってかわからないけど充実しているように、みんな、と同じであるようにしているんだなと思った。
もっと自分のペースで生きよう。
かわいいキス
カセットテープをコッソリカバンに入れた女の子。
トイレ掃除のプロが見逃す訳が無い。
自分の好きな音樂に共感して貰って嬉しかった主人公。
少し罪悪感を感じて返しにくるが、彼は全てを知っていて知らんふりをしていたことをかんじとる。
人は言葉にできない感謝をあらわすため、突然衝突本能行動に委ねる。
まさにかわいい。
この映画を観ると心が引き締まる
世界への愛、世界への信頼が、この映画を通して、自分の中で取り戻された。社会の中にどっぷり浸かるわけではなく、社会との接線を持って生きる人の生活には、社会からはみ出しそうな人たちにとって、ある種の確かさと純粋さに写り、憧憬であり誘われるものだろう。姪のニコが来て去るまでのシーンが、PERFECT DAYSという映画の最たるPERFECT DAYS。この部分だけで何度も繰り返し繰り返し観たいと思うし、彼の日々の光景、些細な出来事、陳腐にならないルーティンといった、同じ世界の中で彼が住む世界の優しさを味わいたいと思う。
1回目はこのシーンまでで良いとさえ思った。後半のドラマ的要素で彼の完璧な生活が崩されていくのは、少し見てられなかったし、あまり強い感情が露見するのにも違和感を覚えてしまった。
ストーリーを全て分かった上で改めて観ると、完璧な生活は、ちょっとしたことで崩れやすい純粋な脆さがあるが、他のどんな生活よりも脆さに直面しながらも、この生活、この世界を選び取った以上は、それも含めて、それも引き受けて、とにかくも生きていく、そうした力強さと覚悟も織り込まれている、ような気がした。
ヴィムベンダースの感じた美しい日本
これがもし、アメリカが舞台だったらと想像すると
それはそれでアリなんだけれどやはり
日本の狭い畳の住宅で
朝起きて布団を畳み、無駄の一切ない部屋の美しさと
自販機で買う缶コーヒーのルーティン
神社の鳥居で一礼するシーン
銭湯の1番湯を楽しむ贅沢
そして何よりもピカピカの公衆トイレが存在している
事が外国人からみるととても素晴らしいことで
こういう仕事をしている人に尊敬の念があるのだろうなと感じる。
ヴィムベンダースが、浅草を舞台にこんな作品を撮ったことがもう涙もの。
浅草のあの地下街は
いつか行こうと思ってたところなので近々行きたい!
日本人の表情は外人には理解しずらいらしいですが、今回は自分でも理解不能でした
役所広司がカンヌ国際映画祭の主演男優賞を受賞
日本国内のキャッチコピーは「こんなふうに生きていけたなら」
??????
え、こんなふうに生きていきたいの?
70近い男性が文化住宅に一人暮らし
仕事はトイレの清掃員
一見、とても不幸にしか見えないのに、実は幸福だって言いたいのか?
ぜんぜん理解できません
役所広司の最後の泣き笑い
あれはハッピーエンドに見えるんですか
僕にはこんな状況になってしまった人生への後悔にしか見えなかったんですが
監督の意図がこんな生活を肯定しているようには全然見えなかったけど
ラストシーン、涙を流しながら口はわらっている
あれは、三浦友和に対して自分を幸せだと感じたという浅はかな表現だとは思いたくはないんですが
そういえば、軽薄な同僚との絡みの後も訳のわからない笑い方をしてました
これが、精神状態の木漏れ日なんでしょうか
意味分かりません
年寄りの男性の一人暮らしほど惨めなものは無い
最近、おすぎとピーコのおすぎさんの不幸な記事が出ていましたよね
歳とったら、人は1人では生きていけないんですよ
その時のために、ちゃんと準備をしておかないとね
その日暮らしの主人公にはそれが全くできていません
お先真っ暗ですよ
彼は真面目で、規則正しく生活しているように見えますが、おかしい所が沢山あります
実は彼は金持ちの息子だったとわかるんですが納得できます
慎ましやかなようで、毎朝、自販機で飲み物を買う
スーパーで買いだめしとけば安いのに
自炊を一切しない
ヤカンで湯を沸かすのに、コンロに火をつけてから、ヤカンに水を入れる
ガスがもったいないですね
なんか、地に足が着いていない
トイレ清掃中に子供を保護した時は、作業していたゴム手袋をとったはいいが、子供を抱えた時、手に持ったままの手袋が子供に接触していました
色々雑なんですよ
いいかげんな若い同僚に、金を貸してしまうのもお人好しのええカッコしい
金持ちのお坊ちゃんですよね
金持ちでないうちの親父はそれで破産しました
銭湯の常連さんくらいの歳になって働けなくなるまでのマダラな時期なだけ
それが木漏れ日ですか
結局、日本のトイレが外国人にとって不思議に思うくらいキレイなのにひっかけて、底辺と思われる職業のトイレ掃除と幸福のギャップを表現したかっただけじゃないでしょうか
海外では、社会からはみだして1人で生きていける人をリスペクトしている映画が多い
でも彼らは、社会で生きていくうえでの義務を放棄しているだけです
義務を放棄すれば、人一人生きていくだけなら、たいして難しくは無い
でもそれは社会があってこそであって、なければ、のほほんと生きてはいけないんですよ
義務を放棄しながら、社会の恩恵を受けているズルい生き方です
例えば、人は育てられた恩を親の介護で帰してヒフティヒフティです
今回は、あからさまに実は”金持ちのボンボン”の設定ですから好きなようにできますが、
庶民は子供の世話にはなりたくないと言っても限度があるからね
そういう意味では、”こんなふうに生きてみたい”になるのかな
おかしな作品です
おかしいといえば
二階建ての文化住宅は上の階は別の人が住んでいるはずですよね
彼の部屋は階段があって二階にも部屋があったんだけど、どうなってるんだろう?
メゾネットタイプの文化住宅ってあるんかな
ベンダースはこれが観たかった
ついにパリテキサスを超えたと思う、「何もおこらない」最高のロードムービー
ベルリンを経て東京画で感じた「コレじゃない」
30年経って、ようやく観たかったベンダースが観られました
満足
変わらないなんて事はないという変わらない日常。
変わらないなんて事はないという変わらない日常。
これだけ“表情だけ”で物語が左右する映画はない。
今年の本家アカデミー賞 国際長編映画賞ノミネート。
ヴィム・ヴェンダース×役所広司。
凄いタッグが産んだ傑作。
トイレ掃除の親父の日常なのに
どうしてまだまだ観たいと思うのか。
こんなに慌ただしくない日本が
心地よいなんて。
まー日本人ならではのツッコミ処もある。
「下北沢にいて…え?茅場町!?そこから!!え?」
みたいな(^_^;)
ラストの表情の意味だけで
みんなと飲める気がする。
日本では当たりにくい日本的傑作。
「ドライブ・マイ・カー」みたいな
火のつき方したら行けるかもね。
木漏れ日のような大人の映画
役所広司氏が素晴らしい。
音楽も良かった。
東京のどこかに今もまさに生きていそうな平山さんだった。
同じような日々の中にも揺らぎとドラマがある。
同じようでも全く同じ日はない毎日の繰り返しの中にある、過去や未来の揺らぎと余白を想像して楽しむ感じの作品でした。
木漏れ日のような大人の映画だと思いました。
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