「きれいすぎる公衆トイレ」PERFECT DAYS 浅見探偵さんの映画レビュー(感想・評価)
きれいすぎる公衆トイレ
私は「映画は映画館で観るべきである」という持論があるが、本作を観て、やはり映画館で観るべきだと、再度確信した。それは大きく2つの理由がある。ひとつは大きな画面で観ないとホントの感動や迫力は得られない作品が多いって事。MCUの作品や007、トップガン、ワイルド・スピードシリーズなどは少々大きなサイズでもテレビ画面ではもったいない。
そしてふたつめは、自宅のテレビで観たのでは、なかなか映画館ほどは集中出来ないということ・・・である。
この「PERFECT DAYS」は2番目に相当する。普段から娯楽映画、エンタメ映画好きの私はこの手の文芸作品風な映画は苦手である。カンヌ映画祭で主演男優賞を獲得したと聞いていたので、予想通り、エンターテインメントな物語ではなく、正直、125分は淡々と過ぎた。たぶん自宅で録画を観ていたら、寝るか、途中で止めて、最後までは観なかっただろう。
この映画、世間の評価はすこぶる高い。観客もそこそこ入っていた。ただ残念ながら、私の心にはそんなに響く作品ではなかった。トイレの掃除夫さんの日常。本当の日常ではありえないような、きれいすぎる公衆トイレ(まあ、現実的な汚いトイレを見せられるよりはよかったのだが・・・)。「THE TOKYO TOILET プロジェクト」のための作品。小津安二郎のオマージュ満載だというが、その辺も私には響かなかった。評価は★3.5にします。