メイ・ディセンバー ゆれる真実のレビュー・感想・評価
全76件中、41~60件目を表示
実力派女優の火花散る競演
ナタリーポートマンとジュリアンムーア。
歳の差20歳の実力派女優が競い合うように、
その演技力を余すところなく見せつけてくれる。
ストーリーの不穏さもさることながら、ふたりの静かな狂気を孕んだ女性像が、なんと恐ろしかったか。
実際、ナタリーとジュリアンの作り出す肖像が重なるあまり、この2人ってめちゃくちゃそっくりだったんだな!!という錯覚まで巻き起こす。
話の筋はさておき、最近よく見る、美人で派手でカラダも張れます!な女優さんたちとは一線を画した、その気になったら誰にでも何にでもなれるという俳優の恐ろしさを、存分に堪能できる作品だった。
“犯罪”を様々な立場で考える
観賞動機は「ナタリー・ポートマンが出ているから」それだけだった。
【物語】
女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)が、ある町に暮らすグレイシー(ジュリアン・ムーア)、ジョー(チャールズ・メルトン)と3人の子供の家庭を訪れる。20年前にこの夫婦が起こした事件を映画化することになり、グレイシー役を演じることになったエリザベスが役作りのために彼らを知ることが目的だった。
その事件とは、当時36歳の人妻だったグレイシーと13歳のジョーが恋に落ち、その情事が表沙汰になり世間を騒がせたのだった。そのことで服役したグレイシーは、ジョーとの間にできた長女を獄中で出産。出所後結婚した二人はさらに双子の兄妹を授かり、その双子も近々に高校卒業を控えていた。
エリザベスはその町にしばらく滞在して家族の元に足繫く通い、さらには事件後別れた元夫や元夫との間の子供達にも会いに行き、事件当時と現在の心境を聞いて回る
【感想】
観る気になったのは、冒頭に書いたとおりだが、それも公開数週間前に鑑賞予定に入れたままだったので、鑑賞時には観賞動機さえすっかり忘れていた。実質的に予備知識皆無で観始めたので、冒頭しばらくは「どんなストーリー???」となかなか呑み込めなかった。エリザベスが最初に登場したときには久しぶりに観るナタリー・ポートマンに気付かなかったくらい(笑)
話が進むにつれ、「そういう話なんだ」と徐々に分かって来た。そうなると、「これって、もしかして実話?」と思うようになって来た。観賞後に確認するとやはり実話がベースになっていることが分かった。
それを踏まえて改めて思い返すと、なかなか他人には分からない人の気持ちが、2人だけでなく、彼らを取り巻く周囲の人達のそれぞれの立場で丁寧に描かれていることが分る。(当然フィクションも含まれているとは思うけど。)
まず、思うのはグレイシーは刑事罰を受けるのだけど、これは「犯罪なのか?」というところ。不倫という点では道徳に反するところは明らか。相手が13歳というところで、日本でも現代では犯罪になるけれど。 グレイシーとジョーのケースはその後20年以上カップルの関係を維持・継続(刑事罰もありいつ入籍したか分からないが)し、子供も成人まで育て上げた。そういう意味では相手への愛情関係の責任を十分に全うしていると言えるだろう。
こんなことは稀なケースであるから、「未熟な青少年相手に大人が優位な立場で性的関係を結んではいけない」という理屈は分かる。そういう意味では事件発覚時に刑事罰を受けたことは妥当と言えるかもしれないが、20年経過したこの夫婦を今の時点では他人が白い目で見るのは違うように思える。少なくとも俺は忌み嫌うとか「気持ち悪い」と思うことは無い。 大人同士が結婚して、子供を作って、簡単に分かれてしまう夫婦より、ずっと素敵なカップルだと思う。
本作を観て思い起こすのは先日観た“プリシラ”。これはエルヴィス・プレスリーが兵役中にドイツで出会った米軍将校の娘である14歳のプリシラに恋をして、退役後彼女が15歳くらいのときに自宅(プレスリーの両親も同居)に住まわせて、大人になるまで待って結婚するという実話。映画では18歳くらいまでは性的関係を持たなかったことになっているのでこちらは犯罪扱いにはなっていないが、世間一般の概念ではかなりきわどい話かと。
性的関係を持たなければ純愛で性的関係を持つと犯罪なのか。俺的には自分の欲求だけで考えているか、相手を大切な存在として考えているかが、犯罪と純愛の分かれ目だと思う。そういう視点では、グレイシーとジョーの関係はお互いを大切に20年を過ごしたものと思う。
もちろん、相手を大切に思えばこそ青少年が自ら正しい判断を下せる年齢まで大人は自制するというのが模範解答なのだと思うけれども、その年齢は幾つが妥当なんだというのは相当難しい。日本の法律・条令では18歳が基準になっているようだが、一方で「同世代ならもっと低年齢でもOK」というのも「なんかなあ」という気はする。この基準は世界一律の訳もなく、絶対的に正しい基準などあるわけないのだが、法律・条令はどこかで線を引かなければならないので仕方ないけれど・・・
一方で、グレイシーのケースは不倫なので元夫あるいは元夫との間に居た子供を傷つけた事実も描かれていて、そういうグレイシーの罪は免れないこともしっかり描かれている。
個人の価値観、倫理観で感じ方はそれぞれと思うが、グレイシー、ジョーの2人だけでなく、周囲の人間の当時と現在の気持ち両方を丁寧に取り上げているところに好感を持てる。
最後に目当てのナタリー・ポートマン触れておくと、若い頃とはまた違う魅力が感じられて満足しました!
もっと予想もつかない展開を期待してたのに、、、!
13歳と36歳主婦が恋愛して、獄中出産した夫婦を題材にした映画に出演予定のエリザベスが実在のモデルに会いにいき、役作りの参考にするため一緒に生活するのだが、、、、、。
最初は、どんなにタブーを犯しても、行き着く先は、生活でしかなく、24歳差の恋愛なんて別に不思議じゃないよね?って話かなと思いきや、後半はグレイスの幼稚性が出てきて、実は洗脳なのか?と匂わせありで、蝶々が飛び立つシーンはお別れを暗喩させたり、、、、。
何が言いたいんだか、全くわからなかった、、、、
そしてサスペンス調の古い時代にありそうな大袈裟な音楽が不快だった。なんであれ?
唯一、よかったのはジュリアンムーア!めちゃ色っぽかった。思い込みの激しい演技もよかった!ただもっとエロほしかった〜!
実は、旦那は溺愛しすぎた自分が捨てた息子でした!みたいなエグいオチを期待してたのに、全然衝撃展開なしでした。
しかし13歳で世間を騒がせた少年と獄中出産の元主婦が、主婦の手作り菓子だけの商売で、郊外とはいえあんなにでかい家住めるの? 子供も大学まで行かせてさ。お金どこからわいてんねんねん!とツッコミ入れたくなりました。
深い闇?
腑に落としたくても、できなかった。
第三者が取材する形にしたのは正解なのかも
23年前、当時36歳の女性グレイシーは、23歳年下の13歳の少年ジョーと恋に落ち、その2人の関係はジョーが13歳だったため大スキャンダルとなった。グレイシーは未成年と性的関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産し、出所後に2人は結婚した。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、幸せに過ごすグレイシーとジョーだった。そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らのところにやってきた。エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へはまっていく、という話。
アメリカで1996年に実際に起こった事件を基にしているとのことで、知らなかったから衝撃を受けた。メイ・ディセンバーとは、直訳だと5月12月なんだけど、親子ほど歳が離れたカップルを意味する言葉らしい。
女優のエリザベスが第三者として妻グレイシーに質問する、という形を取ったのは、それだけグレイシーの考えてる事が理解出来ないからだろうと思った。
自分の子供と同級生の子を運命の人、なんて思う神経がわからない。
実際の事件の妻は亡くなったようだが、夫はまだ41歳で生存しているため、彼のプライバシーも考慮する必要があるだろうし。
衝撃的な事件があったのだと知れたのは良かったが、描くのも理解するのもなかなか難しいと思った。
エリザベス役のナタリー・ポートマンは年齢重ねても変わらず美しかったし、演技は素晴らしかった。
気になるぐらいの音楽
ナタリーポートマンの‼️❓女優の覚悟‼️❓‼️
死人に口なしってか
2024年劇場鑑賞178本目。
実際にあった34歳女性教師と中学1年男子の間に子が出来て女性が逮捕されたという話。当時聞いて「うらやましい・・・」と思った性欲を持て余す思春期男子しかいなかったんじゃないでしょうか。
その後結婚した二人を、その女性を演じることになった女優がリサーチとして訪ねて色々周りにも聞いて回るという話。その女性をジュリアン・ムーア、女優をナタリー・ポートマンを演じるのですがじゃムーアがメイディセンバーを訪ねたのかなと思っていたのですが、教師はペットショップ店員になってるし、名前もグレイスだし。まぁメイディセンバーって名前じゃなくて年の差のある恋愛という意味らしいので関係ないのですが。
てっきり世間の邪推と違って純愛で二人がただ苦しんでることに女優が気づくという話かと思ったら結構嫌な感じに進んでいってこれ2人に名誉毀損で訴えられるのでは、と思っていたらもう女性教師は亡くなっているそうです。死人は抗議できないですからね、胸くそ悪い。
カゴの虫
36歳の女性が13歳の少年と関係を持ったことで捕まり獄中で出産して23年、2人のことが映画化されることになり彼女を演じる女優が取材にやってくる話。
グレイシーとジョーの取材にとどまらず、物足りなかった旦那や情事が発覚したペットショップオーナーや当時の弁護士、そして元旦那との間の子供等々様々な相手に話しを聞くエリザベスという展開だけど、語る体で振り返りのドラマをみせる訳でもなければ、深く語る訳でもなくて、聞かれたことに答えたり、その他の場所で誰かが話しをしていたり。
ほとんどがある意味会話劇だし、信憑性のない内容もあったりで、ちょっとダルい。
ネブライザーの行からの流れもなんだかねぇ。
ハリウッドの俳優ってコメンタリーとかでも演技や演出について語るの大好きなイメージだけど、そもそも自分はあんまり熱く決めつけたように語るのを観ると、所詮その人の主観や想像だからと穿ってしまうタイプなんですよね。
実際ラストリアルに拘っていたけれど、現実か現実的か現実っぽいかで言ったらねぇ…ということで、一応夫婦や家族のその後の境遇や機微をみせるのがメインなんだろうけれど、自分にはハマらなかった。
んっ?
期待度◎鑑賞後の満足度◎ かなり重層的な構造を持った映画であると共に精神科医になった様な気分にもさせられた(なったことないけど)。他人を理解すること、真実に辿り着くことの難しさ。
※トッド・ヘインズは現代アメリカ映画の監督の中で好きな一人。『エデンの彼方に』も『キャロル』も素晴らしかった。
今作は上記2作と趣の違う映画かと最初は思ったけれど、観終わったら上記2作と同じ或る時代・或る社会の中でのマイノリティ、またはマジョリティーに理解され難い行動をとった人間達を描いている、という点では共通している。
①13歳の少年と36歳の主婦とが性交をし、子供をもうけ、結婚したという話には“普通”の人は“ウエッ”となるのだろうか。
層一:“いわゆる”世間・社会の“常識”“モラル(倫理とも)”“刑法”に反する行為をしたジョーとグレイシーに向けられる世間・社会の反応と行動
②層二:“いわゆる”世間・社会の“常識”“モラル(倫理とも)”“刑法”に反する行為をしたジョーとグレイシーの側に立った見方。
③
真実などない
幸せそうで受け入れられていそうで過去を悔いてなくて善人そうで…
でも他の人が見ると違ったり、付き合っていく内に発見するところがあったり、そんなの当然なのですが、それが不穏な雰囲気を増長している。
すごく良い雰囲気だし一人一人が奥深いし役を作る人と作られる人のドキュメンタリーを見てるみたいで面白かったです。
この夫婦どうなっちゃうの~~???どうにかなったら面白いのに~~!という下衆楽しさもありました。
ところで派手な事件が勃発したりパニックが発生したりしないすごい静謐な映画なのに、BGMだけすげー激しめなの笑っちゃう。
虫の卵見てインスタ?に投稿してるシーンでダンダダダーーン‼する必要あるかい?人でも死ぬのかと思ったがな。
全76件中、41~60件目を表示