メイ・ディセンバー ゆれる真実のレビュー・感想・評価
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2人の女優の名演
36歳の時に、13歳の少年と関係を持ったグレースを演じることなった女優。外部の視点から幸せな物語に疑問を呈しつつも当の女優自身も都合の良い物語で引っ掻き回す。2人の名演に演出も上手いが…狂気のぶつかり合い、無邪気さと安直な構図だなとは思う。
うーん
メイ・ディセンバーという名称は知らなかったが、この事件は聞いた事があった。
36歳成人女性が中学1年生と関係を持つとは、センセーショナルな内容だし、普通ではない…とは思っていた。
真実や心理を探るコンセプトはまあわかるのだが…役作りのためにインタビューして掘り下げたところで、グレイシーという人物の理解は進むんだろうけど劇的に覆るような事があるわけでもなく(実際はこの後離婚したとのことだが)、うーん、あんまり面白くなかった。
音楽の入れ方も私はダメだった。
ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアは素敵だったんですがね。
当事者の気持ちは理解しようがないと思う
題材となっている事件はワイドショーが好みそうな低俗で醜悪な切り取られ方もできるものではあったろうが、性的に健康で魅力的な男性と魅力的な女性が出会い情熱的な関係を持った話とすれば純文学にでも昇華できるものでもあろう。その時、そこでどのような心の動きがあったのか、何がきっかけで気持ちが動いたのか、なんてそれはきっと生物としての感覚が二人をそうさせた結果だろうから、実は当事者すら本当のことを記憶できてないのではないか。 だからそれを物語として虚構の中で再現することなんてどのような努力を以ってしてもできないように思う。
だから、監督さんには事件について相応の解釈はあったのだろうけど、その解釈に沿ってこの作品を追ったり、理解しようとしても、どうしても歪みが出てしまうのだろうと思った。ましてやそれを理解するために追体験して再現しようとするのが一つのテーマとして描かれている訳で、そうなると歪みから捻れになってしまった。
それが鑑賞後のモヤモヤの理由かもと思った。
二人の女優さんの力量のためか、作品としては緊張感も最後まで途切れず見応えがあったと感じた。でも理解できないシーンや設定は少なくなかった。 それはそれでいいんだろうと思った。
キャストに釣れれて見に行ったが大分狂ってる 隠れてる部分がわかり難...
キャストに釣れれて見に行ったが大分狂ってる
隠れてる部分がわかり難い
音楽から展開まで意地悪な演出で子供から止めてって言われてそりゃそうだと我に返った
社会的にはアウトだが、そこを超えた何かを問いかける感じ
どうだろう?
世間では許されない年齢差の結婚(生活)の話しなのか?それともそれを映画化するために近づく女優の話しなのか?
何となく曖昧な終わり方も中途半端感が否めない。
もう少しどちらかに寄った方がわかりやすい気がする。
せっかくのナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアの名女優2人なのにもったいなさだけが印象に残った。
二重・三重・四重
May-December (5月-12月)とは、年齢が大きく離れたカップルを意味する言葉です。夫のある36歳の女性が13歳の少年の子を妊娠し、成人による性的暴行の罪で入った刑務所で出産し、出所後に結婚したという1990年代にアメリカで実際にあったセンセーショナルな事件に材を取ったお話です。この事件は当時日本でも報じられ、米マスコミの熱狂ぶりも話題になりました。
この映画は、それを単になぞるのではなく、この出来事をドラマ化する物語言とう二重構造にしたのが特徴です。事件当事者の女性・グレイシー役を演じる女優・エリザベスが取材の為に自宅を訪れると言う形でお話が進みます。グレイシーは、自分たちの行為は歳の差こそあれ愛の行為であると語りますが、グレイシーの目からそれは欺瞞的にも映ります。でも、グレイシーはグレイシーで、自分の演じるドラマの為にエリザベス夫妻を興味のままに消費しているだけの様にも映ります。更に考えれば、そのグレイシーを撮っている本作のカメラも事件を二重に消費しているんじゃないかと思えます。そしてもっと引いてみると、その映画を観ている我々も好奇心のままに覗いているだけの様な気がして来るのでした。
一体、どこに「真のカメラ」があり、何を描こうとしているのか分からないその不安定感が観る者を揺さぶります。そして、背景で流れる音楽が何処か煽情的で安っぽく、我々の不安を更に高めます。
いやぁ、何とも意地の悪い映画だわぁ。
真に恐ろしきは人なり
36歳のグレイシー(ナタリー・ポートマン)が13歳のジョーと関係を持ち(これ犯罪です)
獄中出産、出所後に結婚して家庭を築くという、スキャンダラスな触れ込み(予告の煽りもこれです)で
ナタリー・ポートマン演じるエリザベスが、グレイシーを映画作品として演じるという導入です。
グレイシーはジョーから「誘惑された」と言い、ジョーを精神的にも拘束していて、
自分の思い通りにコントロールしている。自分の家族と過去に結婚していたときの家族と
いまだに関係があり、それを良しとしているかなり“変”な人だったりするのです。
そしてエリザベスも役者として完璧にグレイシーになりきろうとするあまり、
グレイシーとジョーの関係の深掘りをするんですね。
これもプロフェッショナルというか、こだわりがハンパないというか、
であるがゆえに、ジョーとも関係を持っちゃうんですね。仕事として必要だから。
ジョーはめっちゃ傷つくんですけど、そんなの気にしないくらいにビジネスライクなわけです。
ここまでくると“ヤバい”人だったりするのです。
さらにジョー。
ジョーは13歳で大人になってしまったため、青春時代を過ごしていないんですよね。
だから、蝶々🦋つながりの女友達とたぶん不倫したいと考えちゃっているし
失った青春時代を取り戻したいという欲求がどこかにあるんですよね。間違いなく。
そういう状態だから、エリザベスに誘われるとコロっといとも簡単に関係を持っちゃう。
それがビジネスだと知ると、すげぇ傷つくわけですね。なんと純粋なんでしょうか。
タバコも吸ったことがなくて、じぶんの子どもから「マジで?」と言われるくらいですからね。
というわけで、主要人物が全員ヤバいやつなわけで、
これはもはやスリラー?ホラー?というくらい、人って怖いよね・・・と感じてしまう作品です。
そして何が真実かわからない!
だから副題の「ゆれる真実」には、なるほどなぁと唸りました。
トッド・ヘインズ監督は女性を美しく見せる天才だと思いますが、
今作のひねり方は尋常ではないですね。
すごいつくりだな・・・と思う一方で、好きかどうかは別です。これは好きって言えない作品かも。
いやぁ、余程の映画好きしか観ないでしょ。コレ。
よくわかるのはデイブさんの解説動画
突然じゃじゃーんと大音量で入ってくるピアノの劇伴が火サスっぽくてドキッとする。ジュリアン・ムーアとナタリー・ポートマンの表情に的を絞った長回しの緊張感、実像と虚像が交錯する鏡の場面、喘ぎ声をも思わせるペットショップでの動物の啼き声、芋虫がサナギになってチョウになって羽ばたくカット。そんな思わせぶりなネタふりが多々あるものの、結局、大事は起きず、いろいろわからないまま終わるもやもやドラマ。まあ、それこそがこの作品のテーマということか。
当然、元ネタとなった30年近く前のショッキングな性虐待事件、当事者たちの真の気持ちはよくわからないが、ポートマン自身の13歳でのレオンへの出演関して今になって思うところがいろいろあるようなので、それゆえ本作の製作に加わっていることは間違いない…って、いや、ホントのとこわかんないけど。
続ける嘘、言えない真実
あっぶねぇ。まじギリッギリ。
いつもの映画館が朝8時とか誰が見れんねん!?って時間にスケジュール組んだせいで見ることが出来ず、公開終了とのことだったので1ヶ月以上ぶりに他の映画館へと遠出することに。全く、やれやれだぜ。1週間体調不良で映画見れなかっただけで、こうも苦労するのか。いかに自分が映画に囚われているのかを実感した月でした。
オススメされた作品だったから見たんだけど、ごめんなさい。あまりハマれなかった...。Filmarksと映画.comで評価がかなりわかれてるから、映画に対する向き合い方とか考え方で好き嫌いが顕著に現れる映画なんだろうなと。
まだまだ自分は映画好きと名乗るには生半可なもので、男の子が喜ぶようなヒーロー映画や全身に訴えかけてくるバイオレンスアクション、ヒヤヒヤしてスリリングな気持ちになれるサスペンス、今にも踊りたくなるような音楽映画なんかばかりに高評価を与えちゃうから、こういうじめっとしたスローテンポの映画にはまだまだ慣れておらず、自分の趣向に引っかかるものが自ずと少なくなる。
しかし、映像表現的な観点から見るとかなり面白い。ストーリーはハマれなかったけど、その点においてはすごく評価できる。ドキュメンタリーのようなリアリティのある作りをしてるんだけど、垣間見える映画感が見る人の心を揺さぶる。
いけないところに踏み入れてしまったのか。人の心を覗くこと、理解しようとすることの怖さや、どんな人でも抱える心の闇(それを真実という)なんかがすごく繊細に描かれていて、この作品が伝えたいメッセージは何となくで正しいかは分からないけど、読み取れた気がする。ナタリー・ポートマンがとにかくいい顔してた。
自分がハマれなかったのは、映像表現すごい!だけで終わっていて、実際に起きた事件を追いかける物語として未完成のまま幕を閉じているようなそんな気がしたから。なんかフワッとした、地に足着いていないような物語の進め方がどうもこのテーマとは合っておらず、もっとキツイ...苦しい...頭悩まされる...みたいな感情で満たされていたはずなのになー、とどうしても思ってしまう。観客に対してちょっと不親切な映画。でも、映画的になかなか興味深い作品だった。
見どころは2人の女優の演技?
真相がわからない、のがリアルだったりする。のはわかるような気はするけど‥それが映画としていいのかわかりません。見どころを感じるのは2人の女優の演技。作る側はやり甲斐のある作品だったのかも。でも見る側には何を伝えたかったのでしょうか?2人の女優の演技、ということであれば成功してますね?
物語か、人生か
作品自体がアカデミー賞クオリティに充分値する。
しかし、
ジョーのセリフを引用すると「これは人生なんだ」が示すように、
実話のエピソードのレイヤーが重なり過ぎて観客を良くも悪くも幻惑する。
その幻惑は、
演技者としてのナタリー・ポートマンというよりも、
プロデューサーとしてのナタリーと、
監督トッド・ヘインズの狙いでもあったのだろう。
ヘインズの狙いを前作『キャロル』を参考にして解釈すると、
感情にフタをして生きるという事は、
自らの存在意義を認めないという事、
それでいいの?観客のみなさん、
と、
観客に気持ちのシャドウイングをさせるのが演出意図のひとつだろう。
しかし『キャロル』には考え方の逃げ道があった。
今回はその逃げ道を断つように、
実話、認識論的相対性(劇中のセリフ)、
真実の愛と法律、
などのレイヤーがさらに重なっている。
そのレイヤーの増量はヘインズの投げ掛ける命題に、
付加価値を与えるものと解釈できる一方で、
ケミストリーに集約したケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの芝居の激突のようなものを期待した観客にとっては、
多すぎるノイズになったのかもしれない。
もちろん、鏡の前の並列の2人が、
現実のグレイシー⇄グレイシー役(本作の)⇄ジュリアンと、
エリザベス⇄グレイシー役(劇中の)⇄ナタリー等々、
立体的マトリョーシカ的ツーショット?6ショット?
神がかり的カットはいくつかあった。
正確にサイジングされソリッドにカッティングされたカットを丁寧に積み重ねて、観客の胸に焼き付けていく。
ショットという曖昧な狙いではなく、
編集時のコマ数まで計算済みの精密な削り出しは相変わらず鋭い。
【蛇足】
オーディションの映像のシーンを入れたのは、
ジョーのおおらかな包容力やセクシーさ、
キャスティングに苦労した証拠を見せたかったのかもしれない。
そのキャラクターは、
この事件のコアのコアの部分。
グレイシーの感情が始まりなのか、
やさしいジョーの無垢さが始まりなのか、
または、
それぞれの家族との影響なのかは、
いくつかのシーンでほのめかされるが、
基本的には観客の解釈に委ねられている。
ジョーの父親の夥しい数の吸殻、
息子の弱い大麻で咽せるジョーの肺、
これだけで父親が息子を傷つけている描写だ、
といわれても、
自分なら、
他にも撮っているであろうカットを、
復活させて、
ハッキリとコミットするか、
この一対のみであれば、
いっそのことシナリオの段階でオミットする事を推奨する。
理由は下記にほのめかしておこう。
最後に、
子供の無垢な心が特殊な刑事事件を引き起こす類似作品は、
映画化もされている松本清張の『影の車』や『天城越え』、
イーストウッドの『ミスティック・リバー』のような名作があった。
重なったレイヤーを一枚一枚剥がしていく思考の補助線になるかもしれない。
人間の根源的な存在意義というテーマとその描写方法で幻惑させながら、ねじ伏せていくヘインズの演出は観客に多くの解釈の余地を与え、
その一つ一つのレイヤーを広義で楽しむことで、作品の真の価値を理解することができる、
という言い方もできるかもしれない。
いも虫から蝶、カゴから空へ羽ばたく、
ムーミンの神回を思い出した。
当人同士にしか解らんね
「もっとリアルにやるから」
映画の撮影中らしい、
エリザベスのラストのこのセリフに集約されている。
リアルってなんやねん、という感情が渦巻いとります。
当人同士にしか解らん。
受取側の倫理観と憶測からでしかないですもん。
といいつつ、
音楽が不穏で猜疑心を煽るし、
ジョーが洗脳されていた感じに、
わたしたちを誘導している風でしたが、
概ね、本当の事件に対しては、
純愛でしょー、とは思えないものなー。
ただ、これが実際の事件じゃなくて、オリジナル作品だったら、
ものすごーく面白いサスペンスだし、
やはり、事実は小説よりも奇なりを地でいってますね。
ジュリアン・ムーアの少女のような不安定さがチラホラと垣間見える、
到底60歳には見えない美しさと可愛らしさの女優の貫禄と、
それに飲み込まれそうになりながら、
役柄同様 「女優よ、わたし」 的に踏ん張る
ナタリー・ポートマンとの競演が素晴らしく、
また、ジョー役のチャールズ・メルトンの雰囲気と声がたいへん魅力的で
この三人がどうなっていくのか、ドキドキしながら、
終始引き込まれてしまっておりました。
全てに技あり!
ドット・ヘインズ監督とジュリアン・ムーア信者です!
なので公開を楽しみにしておりました
実際にあった事件を基に作られた作品
タブロイド紙やワイドショーが飛び付く題材で
ありながらも安っぽいスキャンダルとしてではなく
当事者である2人の過去と現在の感情や本心
ゆがみを周囲の人物を巻きこみ繊細な心理サスペンス的ドラマとして描かれている脚本は
アカデミー賞ノミネートも納得の出来栄えです
重層かつ美しいミシェル・ルグランの旋律も
聞き逃せない!登場人物達の心理状態を場面に応じて表している様だった
内容的に理解や共感は出来ないが
役作りのため当事者達に話を聞く女優エリザベスを演じたナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーア2大女優がぶつかり合う渾身な演技も大いに見応えある117分でした
トッド
トッド・ヘインズ最新作
「ハンクオーバー」「ジョーカー」の監督⁉
それはトッド・フィリップス
「ウェルカム・ドール・ハウス」「ハピネス」は⁉
トッド・ソロンズ
「Tarター」
トッド・フィールド
「ベルベット・ゴールドマイン」「キャロル」のトッドの方
齢50も過ぎると覚えられない…
トッドといえばラングレンだろう!は、もう少し上の世代(ジュリアン・ムーア アタリ⁉)
気づけばナタリー・ポートマンもオーバー40
光陰矢のごとしである…オワリ
事件を描いた作品かと思いきや
結局はナタポとジュリアンの闘いを描いていた。
彼氏を寝盗り、ジュリアの全てを理解したと確信したナタポだが、最後にジュリアンにいっぱい喰らわせられてしまった。
ラストのあのシーンを何回も繰り返すのは、ナタポの喘ぎなのだろう。
ただ、映画としたら面白味が無かったが。
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