メイ・ディセンバー ゆれる真実のレビュー・感想・評価
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左側に寄せたエンドロールには、色んな意味合いが込められている
2024.7.15 字幕 イオンシネマ京都桂川
2023年のアメリカ映画(117分、R15+)
全米を震撼させた年の差夫婦の再現映画に挑む女優を描いたヒューマンドラマ
監督はトッド・ヘインズ
脚本はサミー・バーチ
原題の『May December』とは、「親子ほどの年の差のあるカップル」のことを示す言葉
物語の舞台は、2015年のアメリカ・ジョージア州サバンナ
女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)は、再現映画の対象であるグレイシー(ジュリアン・ムーア)の家を訪ねた
彼女は20年ほど前に当時13歳だったジョー・ヨー(チャールズ・メイトン)と性的関係を持ったことが問題視され、その後、逮捕され服役することになった
グレイシーはジョーの子どもを身籠っていて、獄中出産を果たし、長女のオナー(Piper Curda)が生まれた
その後、出所したグレイシーはジョーと結婚を果たし、今度は双子のチャーリー(Gabriel Chung)とメアリー(Elizabeth Yu)を授かる事になった
エリザベスが訪ねた2015年には、オナーは大学生となって離れて暮らし、チャーリーとメアリーは高校を卒業する年にまで成長を遂げていた
エリザベスは取材と称してグレイシーに会い、自分が演じる人物はどのような人間なのかを観察しようと考えていた
13歳と36歳の恋愛、それは想像が及ばないものの、演じる上では同化せざるを得ない
そして、エリザベスはグレイシーの他にも、彼女を知る人物を訪ねて回る事になったのである
映画は、実際に起きた事件がベースになっていて、グレイシーのモデルはメアリー・ケイ・ルトーノという女性で、ジョーのモデルはヴァリ・フラウアウという青年である
グレイシーとジョーは同じペットショップで働いていて、その倉庫で行為に及んだのだが、エリザベスは生々しくも、その現場で想像を膨らませていく
そんな同化作業の果てに、グレイシーと同じメイクをして、彼女の元の家族たちとも会っていく中で、ある事実が浮かび上がってくる
それが真実なのかはわからないものの、エリザベスの出現は、ジョーに大きな動揺を残す事になるのである
ジョーはかなり不安定になっていて、それはこの20年間に一度も言えない事を抱えていたからだった
あの時、行為に及んだのは何故なのか
グレイシーが誘ったのか、ジョーがしたいと思ったのか
そのわだかまりはずっと燻っていて、それぞれは違う思いを描いていたことがわかる
ラストでは、グレイシーと映画制作陣が取材の果てに得た結論を演じる事になり、それはグレイシーがジョーを誘惑している、という構図になっていた
これが正解かはわからないが、ジョー自身があの時の選択が若かった故の過ちだったと感じていることが影響しているようにも思う
ジョーは考えてしまった
もしかしたら、自分にもチャーリーのような人生があったのではないか、と
それが、疑念として残り、エリザベスとの出会いによって発露した、という感じになっていた
いずれにせよ、かなり解釈の分かれる映画なのだが、制作的には正解をはっきりと描いている
それは、エンドロールが左側に寄っているというもので、これの意味を示すシーンがいくつかあった
一つ目はブティックにおける「本物のグレイシー、エリザベス、鏡に映るグレイシー」という構図で、これは左側が真実である、という意味になる
また、グレイシー流のメイクをするときは左がエリザベスで右がグレイシーになっているが、パーティの際の化粧室では、その立ち位置が逆になっていた
これも、エリザベスがグレイシーに近づいた、あるいは同化したという意味合いになっていて、本物のグレイシー&エリザベスは左側にいる、という意味になると思う
この辺りを踏まえて見ていくと面白くて、ベッドでジョーがグレイシーに語るシーンでは、ジョーが左側のソファに座っていたりする
どこまでが意図的であるかはわからないが、ある程度の筋をつけていると感じたので、その答え合わせがエンドロールだったのではないだろうか
実際のほうがもっと怖い
本作では、ペットショップのアルバイトとして雇った13歳のジョー少年を愛するようになった雇い主のジュリアン・ムーアが演じるグレースと親密な仲になり、やがて二人は不倫関係に。倉庫内での情事がバレて、通報され逮捕されたグレースのお腹にはジョーの子供が宿っていた。
実際の事件は以下の通り。
34歳のメアリー・ケイ・ルトーノーは担当している6年生のクラスで再びヴィリ・フアラアウの担任になる。13歳になったヴィリ少年はメアリーのあまりにも美しさからやがて好意があると仕掛けると、仕事は順調であっても家庭内では問題を抱えていたメアリーの心に突き刺さった。
メアリーは保守的なカトリックの家庭で生れ育つも弟は幼少期にプールで事故死、父親は大学教授だった頃に親しくなった女生徒と不倫関係にありしかも二人の婚外子がいる。
メアリーが22歳の時に望まない妊娠でおめでた婚をして2男2女の4人の子宝に恵まれるが夫のスティーブは浮気ばかり。
一方のヴィリ少年の家庭は恵まれているとは言い難かった、父親は毎日のように女性と遊ぶなどして孤立していた。
家庭内に心の拠り所のない二人が結ぶのは自然の流れともいえるのだろう。夫に通報され逮捕された4ヶ月後、ヴィリ少年との間に授かった娘が生まれ、後仮釈放が許されるが、メアリーは会ってはいけないヴィリ少年のもとへ行き再び情事に及んでいるのを警察に見つかり再び逮捕。
このときもまたヴィリ少年の子供を妊娠、2回目の獄中出産でヴィリ少年にとっては二人目の娘が生まれる。因みに夫スティーブとは獄中離婚している。
子供がいることを認知せざるを得ないヴィリ少年の両親はやがてメアリーを家族として受け入れ、メアリーの出所後、ヴィリ少年が結婚出来る年齢になったということもあり、二人は結婚。
12年後の2017年にヴィリが離婚申請し、翌年二人は離婚する。メアリーは2020年に末期がんで数ヶ月にわたる闘病の末に元夫のヴィリと二人の娘に最期を看取られながら58歳で旅立つ。離婚の真相はヴィリのビジネス上マリワナを売り捌くライセンスを取得するために必要不可欠だったという。
つまり、愛のある離婚だったわけ。
映画とは違う顛末であるということを脳裏に入れながら、役を演じきるために深入りしたエリザベスのグレース役に対する魂は、第三者が見たらどう感じるか?を見事に演じてる。
冷静を装った狂気と狂気を装った冷静
夫も子供もいる36歳の女性・グレイシーが、13歳の少年・ジョーと情事に及び逮捕。その後獄中出産して結婚に至るという、アメリカではかなり有名らしい実際の事件を基にした作品でした。お話の舞台は少年・ジョーが36歳になった23年後。この事件が映画化されることになり、グレイシー役を引き受けたエリザベスが、グレイシー本人やジョー、さらには元夫や情事を行ったというペットショップのオーナーなど、周辺の人物に取材をして事件の真相に迫ろうという展開でした。
まず本作の特徴は、その大仰な音楽。ホラー作品ではないので視覚的な恐怖感は全くないものの、いかにも不安を煽るような曲が要所要所で、必要以上の大音量で鳴り響くので、そこはかとない不安感が生まれました。そして同じ曲が繰り返されることで、観ている者(聞いている者?)としてはその都度緊張を強いられることになりました。
そしてストーリー的には、エリザベスがジャーナリスティックに事件の真相に迫るのかと思いきや、彼女の目的はどうやら役作りそのものにあったことが徐々に分かって来るところに意外性と面白さがありました。俳優が役作りのためにその役になり切ることは普通にあることなのでしょうが、エリザベスのなり切りは真に迫るというのをいうのを通り超えて、完全にグレイシーと同一化してました。冷静に考えると狂気すら感じられましたが、序盤でグレイシーやジョーの不安定な精神状態を見せられたことで、どちらかと言えばエリザベス視点で物語を観て来たことから、自分がエリザベスの立場でも同じことをするんじゃないかと思えて来るところが作り手の思惑だったのではと想像したところでした。
特に印象に残ったのは、情事に及んだペットショップに取材に行ったエリザベスが、ジョーとの行為を想像してその格好をするに留まらず、その後実際にジョーと情事に及んでしまったところ。23年前のエリザベスやジョーの心情を理解するには、実際に同じことをしてみるのが一番なのかも知れませんが、これには流石にビックリ仰天でした。
一方で、グレイシーが少女時代に兄達から性的な暴行を受けていたらしいことが分かり、それがジョーと情事に及んだ遠因なのではないかと感じられたものの、最終盤でグレイシーは、エリザベスに対して否定。本件に関してエリザベスとグレイシーは話をしておらず、エリザベスがこのことを知っていることをグレイシーは知らないはずなのに、突如として本件を切り出すグレイシー。つまりはエリザベスがグレイシーに同一化しただけでなく、グレイシーもエリザベスに同一化したんではないかと思わせられたシーンで、これにはちょっと怖さを感じたところでした。
俳優陣としては、エリザベスを演じたナタリー・ポートマンと、グレイシーを演じたジュリアン・ムーアの対称的な演技が見事でした。エリザベスは冷静を装った狂気、グレイシーは狂気を装った冷静を体現している感じで、鏡を多用した映像表現とともに、2人の演技は際立っていました。
そんな訳で、意外な展開の連続で仰天した本作の評価は★4.5とします。
タイトルはかなり歳の差がある恋愛や結婚の事らしいです‼️
36歳の女性グレイシーが13歳の少年ジョーと恋に落ち、未成年と関係を持ったことで収監、刑務所内で出産し、出所後二人は結婚した。そんな二人を題材にした映画に出演する女優エリザベスが、役作りのため二人の元を訪れる・・・‼️ジュリアン・ムーアも狂気じみた素晴らしい演技を披露してるんですけど、やはりエリザベスを演じるナタリー・ポートマンですね‼️ハリウッド女優特有の華やかさの裏に、自分の思い通りにならないと気が済まない、すべてを手に入れたい、そんな個性がチラホラ見え隠れして、なんとも不気味‼️フツーにジョーとセックスしたりするし‼️ヘンに誇張されて鳴り響く音楽もイイ意味で映画に合ってなくて印象深い‼️ラスト、撮影に臨むエリザベスの眩い美しさは異様な迫力があるし、そして蛇ですね、蛇‼️
腑に落としたくても、できなかった。
第三者が取材する形にしたのは正解なのかも
23年前、当時36歳の女性グレイシーは、23歳年下の13歳の少年ジョーと恋に落ち、その2人の関係はジョーが13歳だったため大スキャンダルとなった。グレイシーは未成年と性的関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産し、出所後に2人は結婚した。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、幸せに過ごすグレイシーとジョーだった。そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らのところにやってきた。エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へはまっていく、という話。
アメリカで1996年に実際に起こった事件を基にしているとのことで、知らなかったから衝撃を受けた。メイ・ディセンバーとは、直訳だと5月12月なんだけど、親子ほど歳が離れたカップルを意味する言葉らしい。
女優のエリザベスが第三者として妻グレイシーに質問する、という形を取ったのは、それだけグレイシーの考えてる事が理解出来ないからだろうと思った。
自分の子供と同級生の子を運命の人、なんて思う神経がわからない。
実際の事件の妻は亡くなったようだが、夫はまだ41歳で生存しているため、彼のプライバシーも考慮する必要があるだろうし。
衝撃的な事件があったのだと知れたのは良かったが、描くのも理解するのもなかなか難しいと思った。
エリザベス役のナタリー・ポートマンは年齢重ねても変わらず美しかったし、演技は素晴らしかった。
怖い。まさしく「犯罪」、歳の差が激しい恋愛などではないことを冷酷に描く。事件に関わった人々がことごとく不幸になってる事実。皆そう思わせないように気を使って生きている。
女優のエリザベスは、ジョージア州サバンナに取材で訪れる。
36歳の女性グレイシーと13歳の少年ジョーの不倫事件「メイ・ディセンバー事件」を映画化する役図栗のためだが、進めていくうちにその真実の重みに翻弄されていく。
まず、各シーンがとても的確。
俳優陣の演技も的確。
ナタリー・ポートマンってこういう人でしたっけ?
これまでのイメージが大きく変わって、まさに本作の女優になり切っていて、凄い。
ジョーもまた、そのまま映画の中に存在していて、演技ということを全く感じさせない。
自分の子供たちと比べて、いかに幼く純真で13歳のままの精神状態から成長していないように見えて痛々しい。
あまりにも大きな事件の渦に巻き込まれたまま、自分で考える時間もなく、時間がたってしまった恐怖。
本当に「犯罪」の被害者でしかないことが、23年を経た今まさしく表れている。
ジョーは当時の少年のまま、グレイシーに全て支持されたとおりに動いていて、全て管理されている。
13歳の役者のオーディション映像を観るシーンで
如何に「13歳の少年」がいかにまだ幼いかが映されて、愕然とする。
グレイシーは、誘惑されたと主張するが、それは一方的な見方でしかない。
最後に、作られることになる作品の撮影風景が、またあまりにも「陳腐」すぎる。
ここもまた”上手い”ということですが、それが、余りにも、タブロイド紙の低俗なイメージそのまま。
ペットショップだからと蛇を使ったりして。
彼女が取材で経験したリアルとの差が激しくて愕然とする。
夫妻が観たら怒り心頭を通り越して、激しい絶望にかられるに違いない。
気になるぐらいの音楽
ナタリーポートマンの‼️❓女優の覚悟‼️❓‼️
死人に口なしってか
2024年劇場鑑賞178本目。
実際にあった34歳女性教師と中学1年男子の間に子が出来て女性が逮捕されたという話。当時聞いて「うらやましい・・・」と思った性欲を持て余す思春期男子しかいなかったんじゃないでしょうか。
その後結婚した二人を、その女性を演じることになった女優がリサーチとして訪ねて色々周りにも聞いて回るという話。その女性をジュリアン・ムーア、女優をナタリー・ポートマンを演じるのですがじゃムーアがメイディセンバーを訪ねたのかなと思っていたのですが、教師はペットショップ店員になってるし、名前もグレイスだし。まぁメイディセンバーって名前じゃなくて年の差のある恋愛という意味らしいので関係ないのですが。
てっきり世間の邪推と違って純愛で二人がただ苦しんでることに女優が気づくという話かと思ったら結構嫌な感じに進んでいってこれ2人に名誉毀損で訴えられるのでは、と思っていたらもう女性教師は亡くなっているそうです。死人は抗議できないですからね、胸くそ悪い。
まるでフランス映画か何かの様に…
何かが起こりそう…何かが起こりそう…と期待感だけが高まっていって…そうして結局大した展開も無いままにエンドロールとなります。
確か実話は、中学校の教師と生徒だったんですよネ?確か出所後に20年位連れ添った後に離婚をして、奥さんの方は癌か何かで50才代位でお亡くなりになったかと…。
アメリカは父兄社会国家だから、こういうのは受け入れ難い風潮が多少なりともあるのかしら…?マクロン大統領の処も相当年上奥さんなんだし…。
夫婦の間には他人には説明し辛い秘密の一つや二つは、何処の家庭にもあるんじゃないのでしょうか…?何だかんだ言っても二人は幸せそうに見えましたヨ。
ジュリアン・ムーアとナタリー・ポートマンの二大女優をもってしても、この題材だと描けるのはこの程度が限界ってことでしょうか…それとも脚本力?
同じく大きな事件も起きない日常を描いたヴィム・ヴェンダース監督の映画『パーフェクトデイズ』が如何に優れた・素晴らしい作品だったかが、逆説的に分かる様な気もしますネ…ww
翔んで火に入る夏の虫 おびき寄せられたエリザベスの巻
メイ·ディセンバー事件。
あちらでは有名な事件らしいが、ちっとも知らないこちらとしては「中学聖日記」の熟女版を想像し、楽しみにして初日のレイト・ショー。しかも日をまたいで終わったのが午前様。
最高齢初日観客賞くださいよ💢
裁判シーンなし。
36歳と13歳の濡れ場もなし。
肩透かしをくらった。
少年の前で女優のエリザベス(ナタリー・ポートマン)がじらすようにヘビをなでなでする撮りなおしテイクシーンで突然幕。
レオンは今から思うととても不適切な映画だと語ったナタリーポートマンが未成年との不適切な関係を結ぶ23歳差の女性の映画に出てるのはどうゆうつもりなんだろうか?と興味深く鑑賞。
少なくとも中学生以上の想像力と知識、それ以上の人生経験が必要と思われるR15+作品。
ジュリアン・ムーアは相変わらずキレイなんだけど、ナタリーポートマンはわざとくすんだお化粧で、えー?これがあのナタリーポートマン?ってずっと思ってましたが、ポスターにもなっているあの二人のお化粧の場面にもグレイシーの生物としての生き残りをかけた戦略が隠されているようです。つまり、エリザベスを自分に擬態させて、ジョーとの関係を保つみたいな。
いくら役作りのためだと言っても、他人の家庭にダラダラと居座り、ペットショップのバックヤードでオナったりする。図々しい変な女のエリザベス·····
一家は嫌がらせを受けるたびにあちこち引っ越して、やっと事件から20年もたった。そっとしてほしいと思うのだが、なぜかエリザベスを歓迎しもてなす。
あとで生まれた二卵性双生児の弟と妹が高校を卒業するセプテンバー。父兄参観でも散々いじられてきたに決まってるのに、なぜかとてもあかるい子どもたち。
獄中出産の長女はひねくれものだったが。
学校の先生と生徒かと思っていたのに、出会いはペットショップのアルバイト同士?だから、あのエンディング?
ウワバミ女がカエル君を丸呑み?
ヘビ君の太さも中途半端じゃない?
続きが見たいのにこれでオシマイ?
しつこいぐらい繰り返されるいかにもなホラー調の音楽もちょっとフザケてる💢
ナタリーポートマンの長ゼリフの練習場面はさすが。しかし、ラストがねぇ。いけませんね。おちょくられた感じをどうしても受ける。
早熟男子とオクテの女教師の純愛を期待したのに、爬虫類専門ペットショップで出会った変態カップル?
喘息のネブライザーの使い方がわからないふりをしてエリザベスがジョーを誘惑し、連れ込んでイタしちゃう場面ですが、アレが30センチないと届かないような腰がひけてるような妙な合体シーン。
ジョーが大事にブリーディングしていた蝶。なんとかマダラとかなんとかタテハだと思って、検索したら、判りました🤩マダラチョウの仲間。
オレンジ色の鮮やかなオオカバマダラです。
毒蝶。
体内にアルカロイドを溜め込んでいる。一度捕食したものは二度と食べないように。しかもオスはしっぽの交接器のそばにヘアペンシルというフェロモンを出す毛のはえた突起物を隠し持っている。
つまり、ジョーはメスをおびき寄せるプロであるマダラチョウを可愛がっていることから察するに、元·性被害者、年下のいい夫、いい父親を装った(擬態した)毒虫、エイリアンなのかもしれません。
息子から勧められた大麻タバコを吸って、咳き込むのも、真面目ないい人を演じたのかと。
ジョー役の男優の名前覚えておきましょう。チャールズ·メルトン。アラスカ州出身の韓国人とアメリカ人のハーフ。
ワイルド・スピードTOKYOドリフトに出てそうな感じでした。
オオカバマダラは長距離を集団で移動(渡り)をする蝶で、君子の蝶(Monarch butterfly)とも呼ばれる。それは王子時代はオランダ総督だったイングランド国王ウィリアムⅢ世がオランジェ(オラニエ)公だったことからオレンジ色の羽をもつこの蝶を君子の蝶と呼ぶようになったもの。エリザベス(ナタリー・ポートマン)は彼を釣り上げた気になっていたと思うが、彼の出すフェロモンに逆らえなかった。ジョーは大人しそうに見えて、己のDNAを注入拡散するスーパー遺伝子に操られる憐れなエイリアンなのかもしれませんな😎
つまらなくはないけど何故今?
女優の演技合戦や、実際の話をベースに作られていたり、巧みな演出など、非常に見応えのある作品でした。ペットショップ、子供の巣立ち、女優の介入設定なども巧みで、登場人物の心象変化を上手く引き出していたと思った。
しかし、何故今?と全員をイーブンに描いているので、誰も肩入れできなかった。結局は旦那を1番憐れみをかける脚本だったんだなぁ。にしてもちょっと過程が描かれなさすぎです。
まあ、若くて凄く年上の女の人と結婚して、大人になったら周りがよく見えるようになりますよ。って話だったのかも。
音楽はなんか不思議な、大袈裟な使い方で笑かしたいのかな?というところがいくつかありました。
つまらなくないけど、ちょっとピンとこない作品でした。
カゴの虫
36歳の女性が13歳の少年と関係を持ったことで捕まり獄中で出産して23年、2人のことが映画化されることになり彼女を演じる女優が取材にやってくる話。
グレイシーとジョーの取材にとどまらず、物足りなかった旦那や情事が発覚したペットショップオーナーや当時の弁護士、そして元旦那との間の子供等々様々な相手に話しを聞くエリザベスという展開だけど、語る体で振り返りのドラマをみせる訳でもなければ、深く語る訳でもなくて、聞かれたことに答えたり、その他の場所で誰かが話しをしていたり。
ほとんどがある意味会話劇だし、信憑性のない内容もあったりで、ちょっとダルい。
ネブライザーの行からの流れもなんだかねぇ。
ハリウッドの俳優ってコメンタリーとかでも演技や演出について語るの大好きなイメージだけど、そもそも自分はあんまり熱く決めつけたように語るのを観ると、所詮その人の主観や想像だからと穿ってしまうタイプなんですよね。
実際ラストリアルに拘っていたけれど、現実か現実的か現実っぽいかで言ったらねぇ…ということで、一応夫婦や家族のその後の境遇や機微をみせるのがメインなんだろうけれど、自分にはハマらなかった。
んっ?
二人に愛はあるんか?
映画主演のため事件当事者宅の何度も訪問し、真意を探り、探られ、真実は物真似からシンクロしだし憑依しだす。
そんな二人の大女優の演技競演が面白くもあり、不快感が大きくなる。
事実背景は、ペットショップで動物好きがパートバイトで共に働き、店長代理でハンターのグレイシー36歳、お相手は無垢な昆虫飼育好きのジョー13歳。
この歳でバイトしなくてはならない体格の良い少年は既に経験者、密室となるショップは野生が充満している。
ああ、狩る者と狩られる者は決まっている。
結果は、ジョーから貰ったグレイシーの秘密の手紙のセリフの稽古…
しかし、真実はそれだけか?
ラストはヘビを持つ女優がソファーで横たわり、
ペット好きの少し無垢な少年を相手にヘビの扱いを何度も調教をしているうちに、その気になってゆく。
これがあの手紙の一部なのか…
それにしても歳の差が幾ら大きくても、13歳の少年を誘惑しようがすまいが節度がない。
メイ・ディセンバーで結婚して津々がなく過ごしているのだから良いではないか。
二人に愛が通っているならば。
事実、当時のショットを見れば愛はありそうだ。
ご安心ください。
それにしても、実に不快な映画だったなぁ
誰に対して、何に対してこんなに不快なのか?
まあ、
演技、カメラ、音楽など映画人のための映画は、
こんなことが多い🎬
(*☻-☻*)
メイ・ディセンバー ゆれる真実
「キャロル」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督がメガホンをとり、
アメリカで実際にあったスキャンダルを題材に、ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアという実力派俳優が豪華共演を果たしたサスペンスドラマ。
20年前、当時36歳の女性グレイシーは、
23歳年下の13歳の少年ジョーと運命的な恋に落ちるが、2人の関係は大きなスキャンダルとなり、連日タブロイド紙を賑わせる。
グレイシーは未成年と関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産。
出所後に晴れて2人は結婚する。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、なにごともなかったかのように幸せに過ごすグレイシーとジョー。
そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らの近くにやってくる。
エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へと落ちていく。
ナタリー・ポートマンがエリザベス、
ジュリアン・ムーアがグレイシーをそれぞれ演じ、
ジョー役は「バッドボーイズ フォー・ライフ」やテレビシリーズ「リバーデイル」で活躍するチャールズ・メルトンが務めた。
2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第81回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞に、第96回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた。
メイ・ディセンバー ゆれる真実
劇場公開日:2024年7月12日 117分
🤠
奪われた少年時代が悲しい
36歳の女性が13歳の少年と性交し、刑務所で少年の子を産み、出所後結婚して暮らしてる。
事件から20数年が経ち、3人の子を設け、末の双子が高校を卒業する年、女性と少年の物語が、映画化されることとなり、
ハリウッドスターのエリザベスが二人の取材のためフロリダを訪れる…的な話。
メイディセンバーとは5月と12月くらい年が離れているカップルという英語の言い回しらしい。
グレイシー(ジュリアン・ムーア)の言動の怖さが端々にあって、ビールを飲もうとする夫ジョー(チャールズ・メルトン)への「二本目ね」(飲みすぎちゃうのというけん制?)と、卒業式のドレスを選ぶ娘への、「あなたは新しい女性だから、私にはできない腕を出す格好をして素晴らしい」的な、称賛の体をしたけん制でもって、もっと布地の多い服へ娘を誘導するさまが、すごく怖かった。
支配欲が強いなと。
エリザベス(ナタリー・ポートマン)への、表向きの親切さと、エリザベスが帰ってからのメソメソのギャップといい…
既婚者でジョーと同い年の子どももいたのに、不倫してつかまって。
そのことを運命の恋だと思っているから、出所後に元から住んでた町で暮らすというね。
そこ引っ越しちゃうのん?元夫や子どもや孫(ジョーとの子どもと同い年の子もいるとか…無理…)とも町で会う可能性があるのに、地域社会に溶け込んでる風に、暮らせると思ってるおめでたさ。
きっついわーグレイシーむりやわーという拒否感を抱えつつ見た。
ジョーはエリザベスを愛しているというよりも、恐れているというか支配されることに慣れているというか。
彼の仕事場は、病院ぽかったけど、大学行けたんかな?医者?看護師か放射線技師とか何かかな。
ジョーの心のよりどころは、グレイシーではなさそう。
誰かわからん人とメールして、蝶を育て、子どもはいつくしんでいる。
でも彼は、少年時代を奪われている。
13歳で父親にされたから、息子のようにティーンのころマリファナを吸うような経験を何もしていない。
それって、どんな感じなんだろう。
私が経験した、辛いことも楽しいことも、悪いことも誇れることも、何もかも。
定型的な10代を経験できないまま30代を生きるって。
エリザベスがグレイシーの元夫や弁護士から聞く話、嘘かほんとか怪しいグレイシーの30代半ばの息子の話など、本人たちが見せる(演じる)姿とはずれる伝聞と、見て感じる彼女の人となり。
エリザベスが見た目をグレイシーに寄せていったのはよくわかったが、話し方まで似せてたらしいのはあまり気付かなかった。また、グレイシーに同化したのか知らんけど、ジョーとセックスしたのは、よくわからなかった。
事後にジョーを怒らせた理由も。
グレイシーもエリザベスもよくわからんというか、仲良くしたくないなあって感じだったが、ジョーが自分が奪われたものを自覚して、映画のあとにグレイシーから逃げるといいなあと思った。
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