チネチッタで会いましょうのレビュー・感想・評価
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やや難易度の高い映画ではあるがおすすめ
今年418本目(合計1,509本目/今月(2024年11月度)24本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
イタリアといえば独特なイタリア映画が年に数本か放映されていますが、その監督さんの日常を描きつつ、いろいろな思想等に触れあうなどの、比較的「知識水準」が高めな映画だなと思った一作です。
多くの方が書かれている通り、この時期のいわゆる「共産主義」という概念をまず知らないと厳しいところ、イタリアのそれは「イタリア共産党」であり(それは、イタリアの建国(19世紀と比較的最近のお話)、こうした特殊な成り立ちでできたイタリアの歴史をある程度知らないと難しいかなといったところです。
ただ「ある程度は」高校世界史の範囲ではあるし、イタリア映画は極端にレアではないものの上映される映画は多くはなく、求めてくる背景知識もややマニアックかなという点はありますが、それでも常識+α程度のお話なので見て損はないと思います。
なお、作品にあたってこの映画の主人公は「イタリアのイタリア映画の監督」とあるように、ある程度のイタリア映画の知識・様式等を要求させるセリフが少ないながら出ます。数は少ないもののVOD等で検索をかけるとわかるので、どんな映画でもよいので、「イタリア映画」を数本見ているかどうかでも理解度は変わるかなというところです(とはいえ、年400本くらい見る私でもイタリア映画なんて10本あるかないかの世界ですし、その中でVOD落ちしている映画は少ないか)。
採点上特に気になる点までないのでフルスコアですが、イタリア建国から今日(厳密には映画で描かれる時代)までは短く、そこに「イタリア共産党」というのが絡んでくるというのは教科書レベルの話なので、教科書なりなければいわゆるYoutube等での「歴史チャンネル」等見ておくだけでも違うかなというところです。
失態から得るもの
190カ国が歓喜する映画を…
40年前から制作してきた映画は、自己満のみで、ある探求してきたモチーフが最期にあった。
そのあるものについては、自分は気づいていないが長年連れそうパートナーもそれには恐れていた。
それを資金不足で撮影中止となっていた映画を理解力と資金力のある韓国人の支援で撮影が再開でき、
その長く秘めていたモチーフの模範演技を監督がした時に、とんでもなく違和感を持ってラストシーンを変更する決意をする。
翌日、撮影関係者20名程度で、円卓会議でラストシーンついて皆んなの意見を聞くと、
全員が一斉に思い思いのラストを喋り出し、監督は傍観するだけだった。
そして、そのラストシーンは、あのモチーフと全く違うものとなり、
この映画の忌まわしく喧騒な始まりと反比例するものとなっていた。
そうそれは、権威的共産主義のソビエトのポーランド、チェコなどへの威圧行為や最近の映画作りの無意味で過激な暴力シーンなどに違和感を覚え他人の撮影を阻止してしまうなど挙動不審な行為を起こしてしまうそんな監督が、
嫌な政治への不満と服従、他人の意見を聞かない口論好き、人を愛せない自分など、
映画馬鹿な自分に気づいたとき、
映画のラストが変わった。
イタリア共産党も変わった。
奥さんも戻ってきたことだろう。
A Brighter Tomorrow
難しい映画でした。
それが良いとこかも知れませんね。
ブラボー
╰(*´︶`*)╯♡
チネチッタで会いましょう
「ローマ法王の休日」「息子の部屋」などで知られるイタリアのナンニ・モレッティ監督が、
時代の変化についていけない映画監督が痛い目にあって初めて大切なことに気づく姿をユーモラスにつづったヒューマンドラマ。
イタリアの映画監督ジャンニは、これまで40年間、プロデューサーの妻に支えられながら映画を制作してきた。
チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控え、頭の中はアイデアでいっぱいのジャンニだったが、順調だと思っていたのは本人だけだった。
女優は演出に口を出すばかりか政治映画をラブストーリーだと言い出し、
娘に紹介されたボーイフレンドは自分ほどの年齢だという。
誰にも理解されず、ひとり帰宅して目を覚ますと、今度は妻から別れを切り出されてしまう。
さらにプロデューサーが詐欺師であることが発覚し、資金不足で撮影が止まってしまう。
主人公の映画監督ジャンニをモレッティ監督が自ら演じ、モレッティ作品の常連俳優マルゲリータ・ブイ、フランスの名優であり映画監督でもあるマチュー・アマルリックが共演。
2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
チネチッタで会いましょう
劇場公開日:2024年11月22日 96分
あまり意味わからなかった…
ナンニ・モレッティ監督作は、これで3作目。
主演もしてる『親愛なる日記』を観てからナンニ・モレッティ監督が好きで、今作を楽しみにしてました。
映画監督が主役で、映画の中で映画を撮ってるシーンが結構あり、
映画の中で映画を撮ってるシーンなのか、映画の本筋のシーンなのか、こんがらがって、置いてけぼり…
いまいち付いていけなかった…
あと、知らない映画ばかりだったけど、いろんな映画タイトルを出し、あの映画の、あのシーンみたいに!と、いろんな映画のネタバレがあり困ったものです(笑)
監督の奥さん役が知ってる顔だと思って調べたら、同じくナンニ・モレッティ監督の『3つの鍵』にも出てたマルゲリータ・ブイさん、綺麗(笑)
何の話か分かりにくいけど、イタリア共産党がらみの話でもあります。
もう1回リベンジ観賞したい。
もし・・・
躁鬱で仕事のことしか頭になく妻をプロデューサーとしてしか見ていず、一人よがりの映画論を延々と続けて仲間や若手をうんざりさせる映画バカのおじさん監督、嫌だなあ。でもモレッティがやりたかったことが後半になって少しはわかったような気がした。
ニコニコ顔のたくさんの出演者、アルバ・ロルバケルもゲスト参加の楽しい行進に思わず笑ってしまった。「もし」はないかも知れない。でもそんな「もし」を可能にすることができる潜在能力が私達にはあったのかもしれない。そう考えるだけで少しは元気になるかもしれない、絶望しないで済むかもしれない、おんなじようにみんなも思っているのかも知れない、そんな力をもらった気分!
1950年代が舞台の映画「トランボ」(2015)、「イル・ポスティーノ」(1994)と見て、この映画も映画の中の映画は1950年代設定。アメリカでもイタリアでも共産党が活躍していて共産党員がメディア、映画、文学関連にもたくさんいた時代。ソ連のハンガリー動乱(1956)、その後はソ連のチェコスロバキア軍事侵攻(1968)。ロシアに名前が変わって2022年2月以降今も続くウクライナ侵攻。そんな時代、「もし」を思い返して夢見るひとときが私達には必要なのかもしれない。勿論ソ連・ロシア万歳ではない。真逆!ソ連・ロシアと当時の例えばイタリア共産党を同一視しない。
この作品はモレッティの8 1/2だと思った。フェリーニの8 1/2がどちらかといえば個人的だとしたら、モレッティの作品は社会的。ロシアとウクライナの戦争が長年続く難しい時代、ありえないかもしれないけれど、あり得た未来に夢があるかも知れない、共感して連帯できる信頼関係を作りあげられるかもしれない。未来への夢と明るい太陽を見せて貰えた気がする☀️
ナンニ・モレッティの自虐と悲哀
1950年代のイタリア共産党を題材にした新作を撮影しようとしていた映画監督ジョバンニ。ところが若手スタッフからは共産主義者=ロシアかと問われたり、時代錯誤なセットが置かれていたりとズレが生じ…
ナンニ・モレッティ作品をしっかり観たのはこれが初。資料には彼の過去作のパロディなども盛り込まれ、ラストシーンでは過去の出演者が大挙カメオ出演しているらしいが、それら全て分からずじまい。要はモレッティに触れてない人にはとっつきにくい内容となっている。
かといって一見さん完全お断りかといえばそうでもなく、若い監督の演出に口出し、何かと「映画製作ってのはな…」と講釈垂れたりとシネフィル面するジョバンニが滑稽で悲哀。この人物描写はモレッティ本人の自虐ネタだろう(というかモレッティの本名が「ジョバンニ」)。Netflixの戦略と、資金提供してくれる韓国資本側の映画製作に関するスタンスがいかにもで可笑しかった。
モレッティ作品を観ていたらもうちょっと評価が上がっていたと思う。
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