劇場公開日 2024年11月22日

「もし・・・」チネチッタで会いましょう talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もし・・・

2024年11月22日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

躁鬱で仕事のことしか頭になくプロデューサーとしてしか妻を見ていず、一人よがりの映画論を延々と続けて仲間や若手をうんざりさせる映画バカのおじさん監督、嫌だなあ、と見ていた。でもモレッティがやりたかったことが終わりになって少しはわかったような気がした。

ニコニコ顔のたくさんの出演者、アルバ・ロルバケルもゲスト参加の楽しい行進に思わず自分も笑ってしまった。「もし」は本当にないかも知れない。でもそんな「もし」を可能にすることができる潜在能力が私達にはあったのかもしれない。そう考えるだけで少しは元気になるかもしれない、絶望しないで済むかもしれない、おんなじようにみんなも思っているのかも知れない、そんな力をもらった気分!

1950年代が舞台の映画「トランボ」(2015)、「イル・ポスティーノ」(1994)と見て、この映画も映画の中の映画は1950年代設定。アメリカでもイタリアでも共産党が活躍していて共産党員がメディア、映画、文学関連にもたくさんいた時代。ソ連のハンガリー動乱(1956)、その後はソ連のチェコスロバキア軍事侵攻(1968)。ロシアに名前が変わって2022年2月以降今も続くウクライナ侵攻。そんな時代、「もし」を思い返して夢見るひとときも私達には必要なのかもしれない。

talisman