落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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本格的な法廷モノで、検察官の執拗な追い込み方には見応えがあった。 ...
本格的な法廷モノで、検察官の執拗な追い込み方には見応えがあった。
話の流れからいって、おそらく無罪になるのだろうなとは思ったが、終盤になって激しい夫婦ゲンカの録音が出てきて雲行きが怪しくなる。
最終的には息子の証言が決め手になったか。
あらゆる面において優位に立つ妻が夫を殺害する動機など見当たらないしな。
自殺し、妻に容疑がかかるような状況にしたのは夫のせめてもの復讐か。
二転三転
フランスの雪山にある家の最上階から、夫が落下した死体を、犬の散歩から帰宅した弱視の息子が発見したことから、ストーリーがゆっくりと進みはじめる。
当初は自殺ではなく事故ではないか?と主張する妻のサンドラだったが、さまざまな状況証拠から、この事件は自殺でも事故でもなく、これは殺人ではないか?、と法廷でサンドラが追いつめられていき、見てるこちら側も最初はそんなことないだろうと優しそうな妻を信じていたにも関わらず、演出によって徐々に妻に疑いの目をかけ始めてしまうのだ。特に事件前日の夫婦喧嘩の録音を公開された際には、もしかしたら殺人かもしれないと確信に至りそうになる。
これらの経緯から、当初は母を信じていた息子のダニエルでさえも信じられなくなってくるのだが、法廷最終日に彼の発言により、全てがひっくり返ってしまう。
過去に飼っていた盲導犬が病気になった際、父親から盲導犬は目が不自由な息子のために、自分を削って生きていて、疲れているかもしれない。だからいついかなる時も病気で死んでしまうこともあるということを覚悟しておけと言われた事を思い出し、それは犬がいなくなるということを伝えたかったわけではなく、自分(父)がいなくなる可能性を暗喩していたに違いない、と発言したのだ。これによって殺人の疑いが薄れていき、最後の最後に、妻は無罪放免となる。
しかしながら夫婦関係が悪化していたことや、息子の面倒を夫に押しつけ、自分は作家として成功を収めていたという事実が消えるわけではないため、それぞれの登場人物が悩みを抱えながら、お互いに支えあって生きていくしかないという、なんともモヤモヤした、しかし「これこそが人間なんだ」と受け入れざるを得ない、ハリウッドの法廷物とは一線を画した独特のサスペンス映画であった。
夫の落下から始まり、妻の落下、息子の落下、そして見ている観客側の落下など、この映画だけでなく、人間にはさまざまな落下があるけれど、それさえも受け入れることによって、前を向いて生きていけるんだなぁと、しみじみ考えさせられた佳作であった。
自殺か他殺か事故か
裁判シーンが長いが、意外に飽きなかった。
映画を観ている側としては、彼の自殺説がいちばん納得できるし、実際そのような結末だったが、それでよかったのだろうか?妻が殺してはいなかったというはっきりした確信が持てない点が、ややモヤモヤした感があるので、いまいちすっきりしないエンディングだった。
スヌープ(犬)の演技がピカイチ
序盤にスヌープが家に入って行くところをカメラが追いかけるシーンで、わんこかわええ〜☺️と思っていたら、とんでもなく演技派犬だった。
アスピリンを飲んでぐったりしたり、吐き出したり、全部演技って後から知ったけど、すごすぎて目が釘付けになった!🐶
映画自体は、大きな展開があるわけではなく、ずっとこうじゃないか、ああじゃないか、って考えさせられる。
判決終わりで真相が明かされるのかと思ってたら、そういうのはなくエンドロールで、終わりかい!って突っ込んでしまった。もや〜っとした気持ちで終わるのは、あまり好きではない。
現実でも真相は本人しか分からないし、第三者が頑張って考えたところで、主観が入ってしまうよな〜ということかな。
日本がどうかは知らないけど、フランスの法廷ってあんなに憶測をぶつけ合うのかとびっくりした。
誘導尋問しまくりやん。
追い詰められた夫
解剖とは、家族(夫婦)軋轢の分析のことだろうか。映画を観ている私たちが分析(解剖)に携わっているよう。でも真実ははっきりしないまま。
夫サミュエルが転落死する前日に録音されていたという夫婦のいさかいを聴くと、夫が不憫でたまらなかったです。自尊心もボロボロ。傷口に塩を塗られたようなもの。仕事ができてベストセラーのサンドラは知的で冷静。バイセクシャルなので中性的でもあり、男が家に2人いるような感じ。サミュエルの精神科医が「去勢されたようなものだ」とサミュエルから聞かされたのもうなづけます。
以前読んだ誰かのエッセイに、芸術家同志のパートナーは不幸になる、みたいなことが書いてあり、そのことも思い出しました。
サンドラ・ヒュラーが見事に主役を演じていました。彼女だからこそ、この映画の良さ(もやもやさ?)が充満していたのでしょう。
パパが死んだ時はベッドで泣きじゃくっていたダニエル、最後は法廷で堂々と「車の中で父と語ったエピソード」を証言し、短い間に成長したなと感じさせられました。しかし、その証言ももしかしたら、ダニエルの作り話かもしれない、といった思いもありますが。ダニエルの証言で閉廷になったようですが、実際は証拠不十分で無罪となったのでしょう。
あー、しんどかった。
長い
合わなかった
終わり方まで丁寧
識者の深いレビューとは違う切り口の感想ですが、、
言葉の不自由な国で自分の思いを伝える必要のある局面のあったこと
クリエイティブを生業にする者として、他者と己の才能を正確に測れるほどにはスキルがあること
自死遺族として、今思うと、、という感覚のあること
自分を構成する要素に、スヌープのように寄り添ってくれた映画でした。
実感を重ねられなかったのは、自分はストレートなので、、ってところくらいか
❇️『決定打がない場合、犯人は自分が決めてしまう怖さ❗️』
落下の解剖学
🇫🇷フランス
❇️『決定打がない場合、犯人は自分が決めてしまう怖さ❗️』
★彡受け取り方は視聴者次第。絶妙なストーリーに感心しました。
🔵かーるくあらすじ。
家族三人で暮らすロケーションの良い冬山の家。教師の夫。作家の妻。目の見えない息子。
家からの転落事故で裁判になっていく。
自殺?事故なのか?殺人なのか!
★彡事件の真相、日常のどこにでもある細かい事夫婦の見えない闇が明らかになっていくミステリー
◉89B点。
★彡凄い映画だった。こんな演技や会話劇、風景、結末大好物です。🖐️
🟢感想。
1️⃣⭕️『雪景色の山のロケーションが好き』
★彡殺人事件なのに全編爽快がある不思議な映画。
2️⃣⭕️『夫婦の不満やり取りが素晴らしく良い』
★彡どっちの言い分が解り、どちらの味方にもなれない。絶妙でリアル‼️
3️⃣⭕️『瀕死演技賞受賞!スヌープさん🥇』
★彡と思うくらい素晴らしい演技でしたし。
ラストも夫人の横に添い寝が本当可愛かった🐶後で調べたらパルムドッグ賞を本当に獲っていた🤭
🚬🏠🏞️🏔️❄️🐶👱🏼🧑🏼🐕🎹🛋️🗣️🦻🏻😤😱👩🏼⚖️🩸💊❤️🩹💮💯🚬
女性の視点
夫婦喧嘩に出口は無い。喧嘩がリアル。女性が利己的かつヒステリックに見えるが間違った事は言っていない。
母親が有罪か無罪は最後まで明らかになりませんが、男性のプライドを傷つけるのは悪手だと身を持って知っている人の視点だと感じました。それが答えだと思います
ダニエルが最後証言しなかったら
ダニエルの最後の証言
「突然いなくなるかもしれないから、覚悟しておいて」
犬のスヌープのことをたとえてパパがダニエルに言ったことだが、ダニエルは今思えばパパ自身のことだったんじゃないか、と最後イレギュラーに証言した。
、、、もしこの証言がなかったら、
ママは殺害者とみなされ有罪になってたのか、、?
もしかしたらそうかもしれない
冤罪か?
結果は無実だが、無実が冤罪だったとしても、ダニエルが一人にならなかったから良かった💦
なんの証拠もなかった中で、
日ごとにママが疑われているような質問も増していた。
でも旦那のことは嫌いだったとしても、
殺すメリット無くない?
殺す→何かしら証拠が見つかる→捕まる→
ダニエルは一人になっちゃうよね
誰が育てるの?
誰が面倒見るの?
ましてや視覚障害がある、
いくら多忙の母親でもまだ小さい子供を一人にはさせないだろう。
母親はダニエルとの時間はあまり作らなかったのかもしれないが、愛しているのはもちろんだと思うし殺してないと私は推測する!
まあ色々と誤解されることをやってたから、
ママが疑われることは無理もない😂
腕の不審なアザ
前日の激しいケンカ
何度も不倫
子育ては旦那に任せっきり
↑
待てよ、
この4点を書いてたら
パパがママを殺す理由になるっぽくない?
ママに対して恨みがあると思われるパパ。
ママがパパを殺す理由になるよね、なんだかね。。
この親しそうな弁護士とは絶対過去に寝てるね。
へんに親密だし😏
スカッとはしない。
昨日はアフターサンを鑑賞したが、
うつ病→自殺
この二つの映画の共通点。
うつになると自殺したくなるのかな。。
その面白がり方ね。
私の趣味ではなかった
人間性をえぐる後味の悪さ。ピュアな息子が唯一の救い
大音量の音楽は夫の声にならない叫び。助けを求めていたのではなかったか。実際別荘の改築は全く上手くいっていなかった。
だが主人公の妻は耳栓をしてそれを無視し続けた。
私と夫は愛し合っていたと妻は言うが、分かり合えてはいなかった。
夫婦関係を持続させるものは必ずしも愛だけではない。
歳月の経過と共にお互いに不満と憎しみを募らせながらも、夫は経済的な理由から、妻は子育てと家事といった生活面の理由から、お互いに依存し合うようになっていた。
そしてその歪で暗澹とした夫婦関係が裁判の過程であらわになっていく。
これは世界中どこの夫婦にも起こりうる物語だと思った。
愛しながらも憎み、見下していた。
その態度が鬱状態の夫を自殺へと追いやったのだとしたら⋯
だから無罪を勝ち取っても妻の心は晴れない。
重苦しい余韻が残り後味は悪い。
唯一の救いは、裁判を通して両親の負の側面を知った幼い息子が、母親を受け入れる努力をして証言台に立ったことか。
(両親は不仲である事を息子の前では隠していた。だから事件の日、盲目で純粋な息子は、両親がいつもより大きな声で話しているとしか認識できず、それが言い争う声だとは理解出来なかった。だが警察に矛盾を指摘されて初めて自分の間違いに気付き、母親を庇うために嘘をつく)
だがその息子の成長した姿が母親の救いになっていないことが、この映画の一番の皮肉かもしれない。(我が子に自分の一番醜い部分を知られてしまった。これからどう接していけばいいんだろうっていう)
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