落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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疑わしくは被告人の利益に
「疑わしくは被告人の利益に」ってこういう事かと思った。フランスらしいと言えるか。平凡でもラスト親子の抱擁の際に息子が母親の耳元で大どんでん返しになるセリフを囁く…ぐらいのラストを期待したのに。それなら星3つはあげてもいいかな。
カタルシスねぇ〜映画NO1
他殺には無理がない??
これで真実が他殺だったらあっと驚くひねりの効いた結末になるんだけど、自殺(或いは事故?)とにかくサンドラが無実とわかった今はなおさらこれを他殺というにはあまりにも無理と悪意があるし逆に落下説をもっと強力に押しだせないものかとちょっとモヤモヤ。こうして冤罪は作られる、というテーマならわからなくもないが。。。それにしても無実を証明するのにとことん私生活暴露はたまらないね。2人の口喧嘩、ウチも似た場面あるなあ、彼女の言い分キツイけどあれくらい私も言い返してみたいと思った (私情w)
役者の息使いを伝える演出〜「娯楽」の対極
2023(日本は2024)年公開、フランス映画。
【監督】:ジュスティーヌ・トリエ
【脚本】:ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ
主な配役
【サンドラ】:ザンドラ・ヒュラー
【弁護士ヴァンサン・レンツィ】:スワン・アルロー
【ダニエル】:ミロ・マシャド・グラネール
1.ジュスティーヌ・トリエ監督
◆史上3人目の女性監督によるパルムドール受賞
◆アカデミー賞脚本賞受賞
(ノミネートは、作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞)
今後の作品は常に注目を集めることになるだろう。
確かに脚本は良く練られていた。
法廷ミステリーとも言えるが、法廷以外の場面に様々な「仕掛け」が施されていて、目を離せない。
2.ザンドラ・ヒュラー
『関心領域』の演技も素晴らしかった。
本作も彼女の自然な演技に惹き込まれた。
ドイツ人だが、多言語を難なくこなしてみせている。
3.まとめ〜46歳パワー
監督も主演女優も、共に46歳。
表情やセリフだけでなく、息使いまでが計算されている。
ドキュメンタリーを見るような、いや、現実より現実らしい作品だ。
「娯楽作品」というカテゴリーの対極にあるような映画だ。ゆえに、観ていて疲れてしまう側面もあった。
☆3.5
夫の気持ちを探るー母と息子熱演
階上からボリュームいっぱいに音楽を鳴らす。
妻は下で大学生と話していたがやかましく帰る。
息子は犬🐶を連れて散歩。
戻ると父が頭から血を出し倒れていた。
すぐ母を呼ぶ。警察に連絡。
友人の弁護士ヴァンサムに依頼。
頭に致命傷となる傷があり、
硬い物で殴られたか落下の際に傷ついたか?
それにより自殺か事故か他殺か⁉️
家に居たのは妻一人。
他殺ならば妻が起訴される。
夫は屋根裏を改装し民宿を始める気だった。(妻)
音楽🎵をかけると自分の世界に入り込む。(妻)
弁護士と予想される話を照らし合わせる。
妻の腕のアザがついた理由。
不審死❗️
半年前、睡眠薬と思われる錠剤を吐き出した(妻)
息子が警察に聴取される。
夫婦喧嘩知らない、と。
妻が流行りの作家である為人々の関心を買う。
外にいた、と息子。
警察、実地検証、音楽🎵鳴らして、
息子の供述二転三転。
息子の監視役が付く。
家宅捜査に人形使っての実験、
弁護士と供述内容の照らし合わせ、
専門の弁護士の指示はなかなか厳しい❗️
息子が視覚障害になった原因の事故の話、
気にしていた夫、自分のせいと。
一年後、裁判、妻にとって不得意な🇫🇷語で、
妻がバイセクシャル⁉️いらん事聞かれる。
息子は必死に意見供述。いじわるな検察官❗️
夫は教師を辞めて作家になりたかった、
妻は夫を恨んでいる。
夫が前日の夫婦喧嘩を録音したUSBが見つかり、
妻の不倫に喧嘩したことやそれにより妻の嘘
もバレる。
信用されない妻を責め立てる検察。
無実を主張する妻。
裁判まで母を避ける息子にショックを受ける母。
息子の実験、🐶可哀想。
息子の証言。
いなくなるから辛いけど‥‥
結局息子に助けられた母。
ザンドラがサンドラ
この映画は公開時は題名の意味が分からず観に行きませんでした。その後観に行くきっかけとなったのが「関心領域」に収容所長の妻ヘートヴィヒ役を演じていたザンドラ・ヒューラーに興味を持ったからです。役柄では夫の出世しか興味が無く外の世界は見ようとしないし,収容所から持ち込まれた毛皮を躊躇なく試着する。
とても共感できないキャラなのですが、
「落下の解剖学」では、どんな役柄なのか気になりました。完全犯罪を目論む悪い妻・・・
なのかな?
ザンドラ・ヒューラーはベストセラー作家
サンドラの役で夫サミュエル殺しの疑いをかけられる・・・法廷での証言シーンがメインで
回想シーンで亡くなった夫とのやりとりが再現されますが、それはどこまで真実なのか?
サンドラの弁護を任される知り合いの
ヴァンサンとの微妙な距離感。
とりあえず話は長いです。
たまたま音響の良い映画館だったせいか
TVでは没入できない世界を体感できました。
OPも良かったしショパンの前奏曲が、こんなに染み入るなんて・・・たまに挿入される息子ダニエルの弾くピアノが、いい感じです。
母親サンドラと、さりげなく連弾するシーンもあります。彼は視覚障害らしいが全く見えない訳では無いのかな?第一発見者でもあるから。
スヌープ役のワンちゃんは名演技ですね、途中ヒヤヒヤするシーンがありましたが。
物語はサンドラ目線で語られます。こちらの役の方がリアルに作られており観てる方も彼女と同化していきます。
そして判決は観てのお楽しみです・・・🤫
子供さんには、夫婦には
細かい
裁判で暴かれる女流作家の私生活を残酷に描いたミステリー法廷劇
フランス人監督ジュスティーヌ・トリエがパートナーのアルチュール・アラリと共作したオリジナル脚本の謎解きの面白さが特徴の、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した法廷ミステリー映画。タイトルの意味は、山小屋の4階部分にあたる屋根裏部屋から転落したと想定される夫の死因を巡る裁判劇を通して、事故か自殺か他殺かの考察の解剖を指すが、実体はある家族の壊れた夫婦関係の裏の顔を暴き出しています。 それは国際結婚が珍しくないヨーロッパの夫婦が直面するコミュニケーションにおける言語の壁、不慮の事故で身障者になった子供への取り返せない後悔、同じ作家としての職業を持つ夫婦の成功と嫉妬、妻の浮気から生じる軋轢の心理変化と、多くの問題を抱えていたことが分かります。しかも、そのまだ11歳のダニエル少年が殺人容疑の母サンドラの証人として法廷に駆り出されることで、知る由も無い両親の不和を聴かされる過酷さまであります。それでも、この人物設定の創作を客観的にみれば、ダニエル少年を弱視の視覚障害者にしたことで謎が深まるストーリー展開の物語でした。非業の死を遂げた父サミュエルの本意を探り、ベストセラー作家として成功した母サンドラの日常の会話には表せない満たされぬ胸中を知ろうとする少年の心理には、父を失った悲しみに対峙する子供ながらの好奇心と両親への愛を感じます。今知って置かなければ、これから自分は人格を持って生きて行けない(成長できない)と考えたに違いないからです。このダニエル少年をひとりの人間として扱っている脚本の成熟度は、フランス映画の特長のひとつと言っていい。
これら複雑にして特殊な家族の問題を落とし込んだ脚本の構築度は高く、女性監督の視点も冷酷で厳しいものがあります。ただミステリーの脚本としての完結した物語の徐々に解き明かされる面白さに対して、映画としての演出の鋭さや技巧の高さはありません。映画的な演出で光るのは、サミュエルが録音した事件前日に交わした夫婦の言い争いが法廷に流れるシーンです。私生活の会話を記録するのは、サミュエルが小説のモチーフに活かすことを考えての習慣だったのか。それとも、既に決意があって妻に復讐する深層心理を持っていたのか、色々と想像できます。その日の場面として描写して見せて、生前のサミュエルがサンドラに不満をぶつけるシーン。それを泣き言と受け付けないサンドラ。お互いが犠牲を払っている自負のぶつかり合いで歯車が嚙み合わない夫婦の会話は性的な内容に及び、遂には物を投げる音と共に修羅場を向えます。その前に現在の法廷シーンに戻る演出はとても映画的でした。もう一つは、再び証人に立つダニエルの中立性を保つために同室を禁じられ、家を出てホテルに移動する車中で堪えきれず泣き出すサンドラの姿です。プロローグで女子学生のインタビューに対応する、自信に溢れて感情をコントロールする余裕をみせる女流作家の冷静さからは想像できないものです。裁判の行方に対する不安と、息子の証言に疑念を持たざるを得ない状況に追い詰められたサンドラの子供まで失ってしまうのかの恐怖。取り乱して当然の立場にあるサンドラが気丈に振る舞う中で、唯一弱さを見せるシーンでした。
総評としては、映画としての面白さよりミステリー小説の面白さが勝る作品でした。脚本が優れている反面、演出と撮影の絶賛にはならなかった。それと興味深かったのは、検察が殺人容疑で立件する前提に証拠不足ではないかと思われる点です。もし凶器による外傷なら証拠になるものを徹底的に探し出すものではないでしょうか。日本と比較して、捜査に対する段取りが違うようです。警察側の台詞の中に、凶器はどうにでも分から無くさせられるから調べても無理、の内容のものがありました。
俳優の演技に関しては、不足は有りません。特に主演のサンドラ・ヒュラーの演技は素晴しい。この作品は彼女の演技で映画らしさを保持しています。続いてダニエルを演じたミロ・マシャド・グラネールの演技と犬のスヌープの眼の演技が印象に残ります。子役の上手さと動物の使い方の的確さは、欧米映画の優れた特徴です。
登場人物の中でそのポジションが明確でないのが、サンドラを弁護するヴァンサン・レンツィ弁護士でした。旧知の仲の人当たりの優しい男性で、当初からサミュエルの自殺と断定していました。無罪判決の後2人で食事するシーン。かつて男女の仲だったのか、それとも今回の事件を機に仲を深めるのか、微妙なシーンになっています。もし裁判に負ければ人生が終わると怖れたサンドラは、勝てば何か見返りがあると期待したものの、何もなかったと呟きます。作家の仕事とは、凶悪犯人でさえ獄中で自叙伝を執筆すれば成立する不思議で不道徳的な職業とも言えるでしょう。普通の人生を送るとしても、誰もがあまり知らない世界の人間を描かなければなりません。ですから、この裁判を経験したサンドラが小説にすればベストセラーになることは間違いありません。見返りは自分の文才次第と言えるでしょう。身内の死をも題材にする、自ら身を切る思いで創作する厳しい仕事です。
本格的な法廷モノで、検察官の執拗な追い込み方には見応えがあった。 ...
二転三転
フランスの雪山にある家の最上階から、夫が落下した死体を、犬の散歩から帰宅した弱視の息子が発見したことから、ストーリーがゆっくりと進みはじめる。
当初は自殺ではなく事故ではないか?と主張する妻のサンドラだったが、さまざまな状況証拠から、この事件は自殺でも事故でもなく、これは殺人ではないか?、と法廷でサンドラが追いつめられていき、見てるこちら側も最初はそんなことないだろうと優しそうな妻を信じていたにも関わらず、演出によって徐々に妻に疑いの目をかけ始めてしまうのだ。特に事件前日の夫婦喧嘩の録音を公開された際には、もしかしたら殺人かもしれないと確信に至りそうになる。
これらの経緯から、当初は母を信じていた息子のダニエルでさえも信じられなくなってくるのだが、法廷最終日に彼の発言により、全てがひっくり返ってしまう。
過去に飼っていた盲導犬が病気になった際、父親から盲導犬は目が不自由な息子のために、自分を削って生きていて、疲れているかもしれない。だからいついかなる時も病気で死んでしまうこともあるということを覚悟しておけと言われた事を思い出し、それは犬がいなくなるということを伝えたかったわけではなく、自分(父)がいなくなる可能性を暗喩していたに違いない、と発言したのだ。これによって殺人の疑いが薄れていき、最後の最後に、妻は無罪放免となる。
しかしながら夫婦関係が悪化していたことや、息子の面倒を夫に押しつけ、自分は作家として成功を収めていたという事実が消えるわけではないため、それぞれの登場人物が悩みを抱えながら、お互いに支えあって生きていくしかないという、なんともモヤモヤした、しかし「これこそが人間なんだ」と受け入れざるを得ない、ハリウッドの法廷物とは一線を画した独特のサスペンス映画であった。
夫の落下から始まり、妻の落下、息子の落下、そして見ている観客側の落下など、この映画だけでなく、人間にはさまざまな落下があるけれど、それさえも受け入れることによって、前を向いて生きていけるんだなぁと、しみじみ考えさせられた佳作であった。
自殺か他殺か事故か
裁判シーンが長いが、意外に飽きなかった。
映画を観ている側としては、彼の自殺説がいちばん納得できるし、実際そのような結末だったが、それでよかったのだろうか?妻が殺してはいなかったというはっきりした確信が持てない点が、ややモヤモヤした感があるので、いまいちすっきりしないエンディングだった。
スヌープ(犬)の演技がピカイチ
序盤にスヌープが家に入って行くところをカメラが追いかけるシーンで、わんこかわええ〜☺️と思っていたら、とんでもなく演技派犬だった。
アスピリンを飲んでぐったりしたり、吐き出したり、全部演技って後から知ったけど、すごすぎて目が釘付けになった!🐶
映画自体は、大きな展開があるわけではなく、ずっとこうじゃないか、ああじゃないか、って考えさせられる。
判決終わりで真相が明かされるのかと思ってたら、そういうのはなくエンドロールで、終わりかい!って突っ込んでしまった。もや〜っとした気持ちで終わるのは、あまり好きではない。
現実でも真相は本人しか分からないし、第三者が頑張って考えたところで、主観が入ってしまうよな〜ということかな。
日本がどうかは知らないけど、フランスの法廷ってあんなに憶測をぶつけ合うのかとびっくりした。
誘導尋問しまくりやん。
追い詰められた夫
解剖とは、家族(夫婦)軋轢の分析のことだろうか。映画を観ている私たちが分析(解剖)に携わっているよう。でも真実ははっきりしないまま。
夫サミュエルが転落死する前日に録音されていたという夫婦のいさかいを聴くと、夫が不憫でたまらなかったです。自尊心もボロボロ。傷口に塩を塗られたようなもの。仕事ができてベストセラーのサンドラは知的で冷静。バイセクシャルなので中性的でもあり、男が家に2人いるような感じ。サミュエルの精神科医が「去勢されたようなものだ」とサミュエルから聞かされたのもうなづけます。
以前読んだ誰かのエッセイに、芸術家同志のパートナーは不幸になる、みたいなことが書いてあり、そのことも思い出しました。
サンドラ・ヒュラーが見事に主役を演じていました。彼女だからこそ、この映画の良さ(もやもやさ?)が充満していたのでしょう。
パパが死んだ時はベッドで泣きじゃくっていたダニエル、最後は法廷で堂々と「車の中で父と語ったエピソード」を証言し、短い間に成長したなと感じさせられました。しかし、その証言ももしかしたら、ダニエルの作り話かもしれない、といった思いもありますが。ダニエルの証言で閉廷になったようですが、実際は証拠不十分で無罪となったのでしょう。
あー、しんどかった。
長い
合わなかった
終わり方まで丁寧
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