落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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夫婦こそサスペンス
フランスの雪山で暮らす夫婦と視覚障害のある子供に犬。
ある日、夫のサミュエル(サミュエル・タイス)が転落死する事件が起こる。
自殺なのか、他殺なのか、事故なのか、その真相を探る物語。
アウトラインはサスペンスそのものだが、いかにもな怪しい登場人物もいないし、他殺だとした場合の証拠も何もない。
そんな中、状況証拠だけで妻のサンドラ(ザンドラ・ヒュラー)が殺人容疑で起訴されてしまう。
映画の中心は妻は夫を殺したのか、その謎を解明する法廷シーンだ。
当事者の夫婦以外の第三者は第一発見者でもある視覚障害のある息子のみ。(それと犬)
ただ、目が見えないので音だけでしか証言ができないところがポイントだ。
前半で夫婦の関係性は詳しく描かれないが、この法廷で夫婦の関係性があらわになっていく。
夫が息子を見ていた時に起きた事故で視覚障害になってしまった事の負い目。
夫婦共に作家であるが、妻はベストセラー作家で夫は落ち目の作家。
家事分担の話し。
どれもこれも夫婦あるあるで、身につまされる話だ。
そう、事件など起こらなくとも、育ってきた環境も違う他人の2人が同じ屋根の下で長い人生を共に暮らす、夫婦こそサスペンスそのものでないのか。
そんな関係性を炙り出すこの映画はサスペンスでも法廷劇でもない人間ドラマだ。
ドイツ人でフランス人の夫と結婚し二人の会話は英語で、法廷ではフランス語を喋らないといけないという複雑な役を演じるザンドラ・ヒュラーの演技がすばらしい。
また、犬のスヌープ役のボーダーコリーの「メッシ」の名演も見もの。
先日のアカデミー賞授賞式にも出演し、話題になっていた名犬。
最後にこの映画を夫婦で観ることはお勧めしない。
解剖
真実はいつも一つ!という言葉があるけれど、大人になって思うのは真実って一つかもしれないけれど認識の仕方は複雑だという事。
たった一つの真実も見る人、見る角度、時代、立場、法律、タイミング、さまざまな要素によって意味が変わってくることがある。
今回の作品で個人的に素晴らしいと感じたのはスピーカーの字幕の訳し方のシーン。
主人公はドイツ人で英語とフランス語が使える。舞台はフランスだが話しやすいのは英語。なので、スピーカーの言葉が出てこない。それを確認した時、まずカタカナでフランス語の音表記になる。それから主人公が話すと"音声再生器"と字幕が出て、ルビにスピーカーと出る。(一瞬だったので見間違いがあるかも)
一つのことを伝えるためにも、伝える相手、状況によって多面性が見えてきたり、惑わされてしまうといった本作の核になるところが表現されていてとても良い字幕だなと感じました。字幕:松﨑弘幸さんでしたので今度から覚えておきたいと思いました。
物語は宣伝の感じより、シンプルだと感じたけれど裁判の進み方、物語の展開の仕方はとても興味深く、おもしろかった。
特にすごかったのは息子ダニエルと、わんちゃんのスヌープ。この男の子とわんちゃんの演技力がこの物語の骨格を強固なものとしていて本当に素晴らしすぎた。今年の個人的主演男優賞と主演動物賞は決まったかもしれません。
カンヌのパルムドール、アカデミー賞の脚本賞を獲った作品なだけありまして見応え抜群でした。ラストも見た人の解剖の仕方によって見え方が変わってくるでしょう。
どこにもスリリングな要素がない
いかにもフランス映画という感じ。説明的な前フリがなく、淡々と地味に進む。冒頭のあの気に障る音楽が本当にイラッとする。何かもっときれいなものを求めたくなる。音楽でも、キャストでも。メインビジュアルの雪の上への落下のシーンが一番インパクトがあったが、それで終わり。
夫の生前の描写がもっとあったらよかった。肝心の夫の人間性がよくわからなくて、ミステリー的な流れにするのなら、ちょっと不公平だと思った。
親しい弁護士の男性にやたらフォーカスしていたけれど、そんなに筋に絡むわけでもなく。冒頭の女子学生との関係もそんなに描かれるでもなく。普通の人間ドラマの印象。
あまりキュートではない少年と犬はよかった。
夫婦とは…パートナーとは…
まざまざと見せつけられた感じ、ぐったり疲れた。子供の事故、落ち込むよね、将来に気を病むね、自分を責めるかも。作家として壁にぶち当たったり、順調だったり。支え合う、知的に刺激し合う関係がバランス崩れたのかな。旦那の気持ちも解る。裁判終わって泣けてくる奥さんの気持ちも解る。子ともがお母さんとの関係を取り戻せてよかった。親をきちんと観ていたんだね、息子は。
真相は「藪の中」、最後に勝つものは…
だらだら長い法廷劇。現実なのか、想像なのか、みわけがつかないところが多い。真相は「藪の中」という感じ。検察側証人から、妻に不利な証拠が提示されるが、妻と懇意な弁護士が巧みに躱していた。裁判官は、息子の証言に最後の決め手を求めた。愛犬「スヌープ」が瀕死の状態になり、スマートフォンの検索で救命法が発見され、解決されていた。母親との協議を回避するように裁判官は世話係に求めたが、世話係は、息子にどちらか選択するように求め、「愛」を選択したようである。視覚障がいという息子は、判決映像がみえていたのだろうか。晴れ晴れとした表情であった。
自分のライフステージの変化やどんな立場に立っているかで感じ方が変わる映画かな、
熟成された良きワインを飲んだときの複雑な味わいを感じる映画。
ミステリー?サスペンス?
そう思って観始めたけど本質はそこぢゃない。
物事の一面だけを切り取って判断することの恐ろしさ。対人における一筋縄ではいかない関係性。嫌よ嫌よも好きのうち、とはよく言ったもの。口で言ってることと実際に意味していることが必ずしも一致してるとは限らない。それを視力を失った息子が聞いたらまた感じ方は違う。
夫婦の関係性なんて他人がどうこう言えるはずがない。人には絶対に見せない部分があるんだもの。それを公の場で裁くために開けっぴろげにすることに一体何の意味があるんだろう……
十人十色というように、同じ事実に直面しても受け取り方は人によって異なる。夫婦におけるパーソナルなものは本当にその二人にしかわからない。それなのに他人が介入する必要があるのはムズムズする。
裁判の最中に弱気になって味方の弁護士にホロっとしちゃう。ダメだとわかっててもね。良い悪いを超越したところで行動してしまう、そーゆーのが人間らしいってことなんだろうな。
観終わっても様々な感情があとを引く。そんな余韻の長さまで良質なワインみたいな映画でした✨🍷
長いぞー
判決は真実より印象、ラストはそういうこと?なのか?
誰しも法廷には立ちたくない
後味は悪い
でも面白かった・・・
犬すごい、演技・・・?
冒頭のインタビューから、法廷でのそれぞれの人物の喋りや、録音された夫婦喧嘩など、台詞や話し方に引き込まれる。裁判としての決着はついたけれど真相は?子どもはまだ1人では生きていけないという打算から、あの選択をしたのかなぁ、お父さんは弱いところがあったかもしれないけど、子どもにとってはいいお父さんだったのかなぁ、と考えると悲しい。夫婦喧嘩で、自分の時間を持てないと訴える夫の言い分は、男女を逆にするとすごいあるある・・・あーうちもあるなと・・・あそこまでの泥沼にはまる前に、妥協点を見つけていかないと、子どもが可哀想だなぁ。
オスカー脚本賞は納得!2人でトロフィーを掲げていたのが良かった😀
最優秀アニマル演技賞/カンヌにはパルム・ドッグ賞なんてものがあるんだにゃ~
この監督の映画ははじめて。女性監督。本日、3月11日に米国アカデミー賞での脚本賞受賞が決まった。脚本は小野田さんの映画ONODAの男性監督との共作。
共犯に仕立て上げられた❓
一言でいえば、イヤ〜な映画だった。
サンドラ·ヒューの主演女優賞の演技目当てで鑑賞。
不審死だから司法解剖するのははわかるけど、検察は物証がなく状況証拠も曖昧なのに殺人の容疑でよく起訴したものだ。これ、男女(夫婦)逆だったら、男は陪審員たちに有罪にされて、全然つまらない設定。
女は強しをサンドラ·ヒューがその存在感でぶっちぎる。
しかし冷静すぎやしないか?
売れっ子小説家でバイセクシャル。
弁護士の男ともデキてるに決まってる。
息子のサポート役の彼女とのレズビアンシーンぐらいサービスしてくれ!
男はつらいよ。
殺されるほど悪いかねぇ。
そりゃ女々しいだめな奴だけど、それが大抵の男の本質なんじゃないの?
厳しい時代になったもんだ。
ミステリー映画という触れ込みだったので、タネ明かしの映像をずっと待っていたのにまるでなし。これじゃラジオドラマでいいじゃん。
映画なんだから映像でみせてくれなきゃ。
子供の気持ちを思うととても残酷な話。
愛犬に過剰な薬物を摂取させて実証する展開も冷酷で異常すぎやしないか?
やっぱり、息子と母親と弁護士は共犯だな❗
だいたいお利口な犬が主人の吐いた吐瀉物を食べるかねぇ?
最優秀アニマル演技賞あげなきゃ。
たぶん、ドギーマン1年分もらったな。
解熱剤のアスピリンを大量に飲むなんて馬鹿げている。
瀕死の演技のお犬様の演技は外国の映画動物会社のレベルの高さを実感することに。でもオレが求めているところはそこじゃない。
前半1時間ぐらいは退屈で眠くなった。鼻毛を抜いていたら、風邪をひいてしまったよ。後半の夫婦間の確執のリアリティがすごくて眠気がぶっ飛んだ。
でも深夜に運転しながらラジオドラマで聴いたほうが怖い内容だ。
法廷でのやり取りもほとんど却下すべき不適切なゴシップ内容。
このアホ裁判長が❗
あの頭のキズはトンカチで殴りれたような感じで、警察も他殺を疑うに充分だったから起訴したんでしょ。
カミさんが物置買おうと言い出したら、3階以上の自宅に住んでる人は注意しないとね。
ぶるっ。
ボーダーコリーのスヌープ君♪ おそらくスヌーピーに風貌が似てるから...
ボーダーコリーのスヌープ君♪ おそらくスヌーピーに風貌が似てるから命名されたのでしょう♪ で、瀕死のスヌープ君、あれは演技?・・ではないよね・・。薬飲ませたの?CG? 舌の出し具合やら真に迫っていて・・とても気になりました・・。
長いワンショットの中での、スヌープ君のシナリオ通りの動き♪ さすがボーダーコリー♪飼いたい♪
本題・・題名がどうもそそらなくて・・後回しにしてた映画。カンヌのパルムドールは観なきゃで・・鑑賞♪
「解剖」じゃなくて、「分析」「考察」とか・・「探究」とか・・そんな翻訳にしたほうがよかったのでは・・。
アメリカや日本の法廷劇はよく観ますが・・フランスはこんな感じなのですね・・。
黒澤明の「羅生門」的な物語。一定の結末にはなりますが・・なんとなく 「藪の中」で終わる・・かな・・。
夢見がちで、実力が伴わないスネ夫的フランス人の夫と、堅実で有能な理路整然としたドイツ人の妻との、ありがちな 行き違いを法廷を通して「解剖」されちゃう感じ・・。そう言う意味では「解剖」で良いのか・・。現実のフランスとドイツを対比させて皮肉ってもいるのかしらん♪
あれだけ賢い スヌープ君・・ゲロ食わないだろ・・。
疑心暗鬼の不安
事故❓他殺❓自殺❓
難しいかと思ったけど面白かった〜😁。
一応念のため昼寝を少ししてから鑑賞。
前半の中盤あたりに眠くなりかけたがなんとか持ち直し、そこからは「どうなるのかな〜❓」と思いながら最後まで鑑賞出来ました(笑)。
母と子の物語というか父の死から、事件なの❓事故なの❓を追及する感じのような内容でしたね。
終始どっちなんだ❓と思いながら楽しめましたね。
途中で夫婦喧嘩の音声を聞くシーンで回想に入って見ていたら、ついつい自分と照らし合わせてしまいました(笑)。
元妻(離婚したので)との言い合いをしていた時は相手からワーって色々言われて自分は寄り添ってるつもりだけど相手はそうとらえてない事(自分ばかりがやってみたいな)ふうに言われた時は同じように話し合おうとしましたが相手からそれすら拒否られて、結果積もり積もって離婚になったのですが…(笑)、私は逆に包丁持ち出された事もあったりなかったりなのでやっぱりもしかしてとも予測させられるというかなんか自分でも考えさせられたシーンでした💧こんな書き方したらあかんかったかな💦とりあえず思った事書きました😢(でも今は一人を満喫しているのでそれを活かして次の方を見つけていきたいですね(笑)好きな映画もたくさん見れるし)。
話がそれましたが、とりあえずそれぐらい考えながら見入ってしまうほど面白かったですね、カンヌも納得です👏。
ダニエル役の方とワンちゃんの演技は素晴らしかったです、裁判官に次は聞くのが辛くなるから参加の打診というか来ない方が良いと言われるがダニエルの意思で参加を決めるなど、母に対する思いや父に対する思いも十分に感じる演技でした。
ワンちゃんもアスピリンを食べた後の演技も凄かったなー、実際に何かは使ったのかな❓と思えるぐらいのワンちゃんの名演技でした、家族との(特にはダニエルだが)やりとりに可愛いく感じました☺️
なぜ私たちはこの映画を見て疲労感しか感じないのか?
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たくさんの疑問を抱えたまま152分を見終えました
自分には何の関係もない長く退屈な裁判を目の前にした参審員が想像する世界?が映像化される
他人の真実はエンタメではなくうんざりするような事実にしか過ぎない
夫の願いは妻を道連れに落下することだったのか?
妻の願いは夫を落下させて自分が浮上することだったのか?
人は自分に理解できる形でしか他人の真実を解釈することはできない
子どもの目が見えないのは私たちや参審員も同じ
目に見えない真実は見ることができない
残された録音と検察と弁護人と証人が語る言葉だけが手がかりだ
朗読劇としての裁判で真実に辿り着くとはどういうことなのか?
それぞれの脳内で映像化されたストーリーを真実と信じるしかない
そこに都合よく真相を解釈するマスコミや野次馬の声が重なり真実のような何かが広がっていく
(本当の真実を知っている?)子どもは自分に都合のよい真実を選択したのか?
裁判で辿り着く真実とはどういうことなのか?
真実のような何かを本当に真実と呼べるのか?
ラストで犬と眠る母親は何者なのか?
犬には人間にない嗅覚が備わっている
次に落下する何かを暗示しているのか?
善悪の境で多義的な解釈を放り投げる映画は正直疲れます…笑
でもそれが現実を映しているからカンヌで評価されたのか?
不思議な設定の法廷劇
予告編を観た時から、フランスが舞台なのになぜ英語喋ってるんじゃ?と思った。主人公が外国人だからとは思ったが、現地のフランス人弁護士との会話もほぼ英語。裁判は大丈夫なのか?と余計な事を考えた。笑。被告人はドイツ人、被害者の夫はフランス人、ロンドンで知り合って結婚、家庭の中では不公平の無いよう英語で会話?なるほど、被告人の妻はドイツ人らしく非常に論理的で弁も立つ。作家だから当然か。対する被害者である夫は情緒的。議論してもオサレ気味。妻は作家として成功したが、夫はある理由で鬱気味であり執筆が出来ない。それでも家事や子供の教育など妻や息子に献身的に尽す。夫や息子は妻・母をモンスターと呼んでいる。モンスターというより情緒が欠落したPSYCHO-PASSに近い様な、、、。
法廷で公開される夫婦間の強烈な口論の録音が一つの山場。日常的に追い詰められた人が発作的に自傷行為に及ぶのはよくある話。
夫が夫婦喧嘩をUSBに録音していた理由は危険を察知していたからか?或いは妻に嫌疑かかかるよう諍いの証拠として記録していたとは考えられないか?そうであれば、結構怖いリベンジだが。
弁護士と妻との親密さも気になった。食事の後、二人に気遣うように他の人が席を立つのも思わせぶり。
「裁判で勝てば何か見返りがあると思ったが、何も無かった。」という妻。裁判を通してして自分の行き過ぎた言動が相手を追い詰めていた事に気付いたのか?
最後に犬が母親にすり寄って行くが、これは何を意味するのか?この犬は盲導犬の役目もあり、何時も主人である少年の側で寝ていた。まるで逃げる様に母親の側にやってきて眠るのは何故?
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