「ちょっと違った法廷もの」落下の解剖学 小町さんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと違った法廷もの
「犯人は妻か」の真相を解き明かす法廷ものではなくて、一つの家族のドラマでした
思っていたのと違ったけど、主人公サンドラ演じるザンドラ・ヒュラーと子役の男の子、この2人の演技がすごかったと思います
自分も裁判に参加しているような気持ちでいろんな証言や検察の言い分を聞きながら進むストーリー
物的証拠が出るわけじゃなくて、出てくるのは状況証拠ばかり
だからザンドラも怪しく感じるし、息子の証言も本当の事なのかと疑ったり、みんなが自分の思惑通りに裁判を進めようとしているように思えて真相は何なのかラストまでずっと考えていたけど、そういう終わり方なのか…でした
この作品にはあの終わり方が良かったようにも思います
ストーリーには全然関係ないけど、やっぱり子供にとって両親が仲良いのが一番だとつくづく思いました
いつもありがとうございます。
また、心温まるコメントありがとうございます。
さて、
賞を取った作品
この作品の何が良かったのでしょう?
おそらくそれは、ダイレクトな推理ものではなく、物語の筋の面白さというよりも、背後に隠されている真実に迫れるかどうかだと思いました。
彼女は有罪か無罪か?
これが物語の主軸です。
そして、事故か自殺か事件かについては、まったく証拠等がなく、視聴者にもヒントは与えられていません。
ここがダイレクトな推理ものとの差異です。
ただ、
夫が嘔吐した6か月前、それは確実に妻によって仕掛けられた殺人未遂でした。
ここは息子の証言から推理できます。
しかし夫の死がどうだったのかという部分においては、わからないというのが「事実」です。
さて、
判決から後の妙な長さのあるシーンでは、妻は夫の死を悼む場面はありません。
そこには夫の死よりも無罪という心の優先順位があります。
仮に本当に無罪であるならば、死んでしまった夫に対する楽しかった思い出の回想は必ずあると思います。
それがない。
つまり、彼女は夫を突き落としたと解釈しました。
長い余韻は、罪悪感を表現しています。
そこにタイトルが被るのです。
この物語で一番大きく落下したのは、妻だったのです。
それを読みとくことが「解剖学」なのでしょう。
コメントありがとうございます。
ダニエルは録音された喧嘩の音声を聞くに堪えなかったでしょうね。目が不自由な分、普段から父母の会話には耳を澄ましてそうで、気の毒でした。
共感ありがとうございます。
あの家庭は、夫妻が同業格差あり、息子の事故原因に自責の念、夫不能(多分)で妻奔放、息子も自分のせいで両親不和、イヌの食費も馬鹿にならない、と問題だらけ。奥さん、良く夫とは仲良いので・・と言えましたね。
今晩は。
今作を観ていて、仰るように何でサンドラ夫婦は仲良くなれないのかな?と思いながら観ていました。
私は、離婚経験もないし(離婚を否定するする積りはないですが。)
結婚記念日と妻の誕生日には随分前から花束準備をして(もう、すっかりフラワーショップのご夫婦とは顔なじみ&私がチョイスする花には精通:欠かせないのは、トルコ桔梗。全体的な淡いピンクの中に白、青を散らした花束が好き。)妻の好きなお寿司を準備して20年以上経ちます。週末はオイラが食事を用意するし・・。
好きになった女性を思い遣る気持ちが有れば、今作の様な悲劇は起こらないのではないかなあ、と思ったオイラはマダマダ、若輩者なのでしょうか?
只、今作は極上のミステリーであり、やや長尺ながらもその長さを全く感じさせまんでしたね。(つまりは面白い。)では。