劇場公開日 2023年12月15日

「カウリスマキの社会派しみじみ映画」枯れ葉 コショワイさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0カウリスマキの社会派しみじみ映画

2024年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1 一組の男女の姿を通して「今」を描く

2 主人公は、冴えない男と女。二人とも若くはなく、女は仕事が不安定で金欠。男はアル中。生活に潤いのない、生きずらさ。そんな二人が出会う。男が女の連絡先のメモを無くしたり、過度な飲酒から失職したり、事故に遭ったりと様々な障害が立ちはだかる。そして、二人の行方は・・・。

3  時おり、女性の家のラジオからロシアの侵略のニュースが流れる。そして、生きずらさを抱える主人公の男女。この映画は、二人の行状を通して、現代を生きることは戦争や貧困、ストレスなど多くの社会問題と隣り合わせであることを示している。そして、その中で救いとなるのは人と人との絆や思いやりであり、そのことが笑顔につながると説いている。

4 映画の語り口はいつものカウリスマキの型。話の筋は、boy meet girlをベースにしたすれ違いものだけど人物造形がちょっと変わっている。初デートでゾンビ映画に行き、おおいに笑う人たち。脇役にもカラオケ好きで美声と自賛したけどそれほどでもないおじさんがいたりする。

コショワイ