関心領域のレビュー・感想・評価
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う〜ん趣味じゃない...
正直あんまり面白く感じられませんでした
①物語的な動きが乏しすぎる
②想像に任せるというと聞こえはいいが、せめて作中の登場人物の人間関係くらいはもう少し説明して欲しい。ぱっと見だとサーモカメラの女の子が何なのかとか本当にわからない
③本作のテーマである関心を向ける領域って際限なく広げられるものだと思う。周りで起きる貧困や死に関心を持ち続けたところで、個人にできることは限られすぎているし、抱え込みすぎるとこっちが病んでしまう。だからこそ、目を向けるのが苦しい問題に向き合うことで未来が良くなる、という主張に納得はすれど、実現が難しすぎることだよなぁと思う
音楽が怖いっ
観終わって、重いものを持たされたような、苦い飲み物を飲まされたような、そんな気分だった。そして、ヘス一家がその後どうなるのか、他にも知りたいことがたくさんあり、しばらくネット検索しまくった。ルドルフが書いた、アウシュビッツ収容所の本も出ていたことを知り、読みたいような、読みたくないような…。戦後、ルドルフは処刑され、一家は散りじりになり、肩身が狭い日々だった。ひどいことをした報いだと、ばっさり言いたい気持ちもあるが、ヘス一家もまた被害者と思えてならない。本当は普通の人間だったのに、勘違いする場が整ってしまったというか。この頃のドイツは、国全体が勘違いしてたのかも。
アカデミー音響賞を取っただけあって、音のデザインが素晴らしい。あの家族にとって、常に聞こえる音は、道路工事くらい日常なのかしらないが、悲鳴や怒号、銃声が常に響くのはつらい。あとガス室と焼却炉の重低音。においも常にあるんじゃないだろうか。列車が近づいてくる音も、なんか煽られる感じがする。この異常な状況を、俳優のせりふやナレーションを一切使わず、音だけで観客に理解させるとは、一本取られた!座布団一枚!
人間は慣れる生き物である…どこかで聞いた名言だが、ルドルフよりヘートヴィヒの方が、この生活に慣れ、執着していたように思う。ルドルフは、自分がいつか弾劾されることを、予想していた。階段で吐き気を催し、立ち止まってこちらを見た時、ふと未来を垣間見たかもしれない。本当は馬が好きで、犬が好きで、ささやかで平凡に暮らしたかった。でも、仕事が嫌だと言えなかった。ヘートヴィヒは、もしかしたら生まれがあまり裕福でなかったのでは。なんとなく、歩き方や食べ方がエレガンスでないような。実はすごいコンプレックスを持っていて、だから女王(あの髪型…)のように支配し、やりたい放題に振る舞える快感が、環境の不快を上回ったのではないだろうか。この夫婦が、もっとお互いに思いやれたら、こんな異常な生活しなくて済んだのにね。
りんごの少女は、最初は絵本の映像かと思ったけど、なんか緊迫してるし、背景がリアルなので、収容所だと気付いた。りんごって、あんなに白く写るほど温度高いのか。すごく危険なことを、よく見つからずにやってたなあ。人間の残虐性を見続けていた中、ここは善性を見られて、救いがあった。あの小さいケースみたいなものは、鑑賞中はわからなかったのだが、検索したらユダヤ人が書いた楽譜だとわかった。ピアノを弾いてたのも、りんごの少女だったのね。この映画、顔のアップが少ないから、人間の区別がつきにくい。ヘス家の娘2人もどっちが姉だか妹だか、全然わからない。りんごの少女も、自然光の下とサーモグラフィーの映像が一致しなくてねー、検索のおかげで理解できたよ。
ナチスのしたことは鬼畜の所業だが、でも他にも似たようなことは、世界のあちこちにある。スペインだって中南米でやったし、アメリカも先住民を圧迫したし、アフリカなんてヨーロッパ各国で蹂躙しまくった。日本だってアイヌと琉球がある。なぜだか歴史は繰り返されてしまう。人類は争いをやめられないのだろうか。そういうことを考えさせられる映画だった。そして、たとえ答えが出なくても、考え続けなければいけないと思った。あと、りんごの少女のような大きなことはできなくても、ヘートヴィヒの母のように、おかしいと感じたら誰かに伝え、迎合しないようにしたい。
観たことは後悔していない
面白いかというとうーん。
オススメするには責任持てない。
ただすごく興味深い映画ではある。
想像力を掻き立てられ、ずっと心がザワザワ。
あの状況下で大人はともかく、子供もフツーに生活できてるのが全く理解できないし、あそこに残りたいなど、狂気の沙汰。
収容所と親衛隊の自宅という状況で、トラウマ映画の代表格『縞模様のパジャマの少年』を思い出してしまう。
ルドルフのバストショットに煙と悲鳴。あそこに子供の声を使うことで、いかに残酷な所業だったかが窺える。
不穏な気持ちのまま、中盤すぎにアイヒマンの名前。ヤツはいつも忘れた頃に『アイヒマン・ショー』のブルドーザーを思い出させる。
『ヒトラー暗殺、13分の誤算』でヒトラー暗殺を企てた男が、今度は親衛隊、なんだか変な気分。
ザンドラ・ヒュラーは『落下の解剖学』『関心領域』と、怪作に連続主演とはなかなか持ってる。
ラストの階段シーンは雰囲気が良くて好きだけど、エンドクレジットの悲鳴をサンプリングしたような音楽がうすら寒くて嫌い。
あと白黒反転のネガみたいな映像は気持ち悪くて嫌い。
きっと自分の事を言われているんだろうなぁ…
予告編を観て興味を引かれました。
表面上はホロコースト、アウシュヴィッツ絶滅収容施設とナチス高官家族の日常の対比がえがかれたおぞましい内容でした。
しかしそれは今現在、歴史上の出来事としてそれらを知っているからそう思うのであって、当時のナチス当人達にとってはどのような気持ちで生活していたのかは、わからない。
それらを淡々とした映像で紡がれているのが本作であると思いました。
それだけに怖かったです。
収容所の中やユダヤの人々が列車で運ばれていく様子などはテレビのドキュメンタリーなんかで目にすることが度々ありますが、その外の事なんて考えもしませんでした。
それは誰も目に触れることない深い森のなかでひっそりと行われているものだと思っていました。でもそれは全く違いました。
主人公の口からヒムラーやアイヒマン名前も出てきていましたけれど、二人とも総統の熱狂的な部下なのです、だから命令に異を唱えることは決してありません。(ゲッペルスは逆らって自殺しましたが)主人公も同様です。
いつの世も当事者が一番状況をわかっていないんですよね。
(皮肉にも「オッペンハイマー」が上映されていましたけれども…)
この映画はヨーロッパの人々向きに創られているのはよくわかりました。
反ナチス、このような歴史を繰り返さないために後世まで語り継がねばならない。
だからこそ私たちは映像を撮る。
そんな思いが溢れているように感じました。
ただ物語の底流に流れる「人間の無知」とそれに伴う「残虐性」の怖さは世界中の人びとの共感を得るものだと思いました。
いまも私達はナチス同様立場で何も知らずにいるのかもしれない。
日本で言えば戦中に東條英機がおこなった戦争戦犯行為や広島・長崎の原爆投下について語り部が減ってきているといいます
どこかの監督が今作のような戦争反対の注目を浴びる映画を創ってくださらないかなぁ思いました。
(あ!「この世界の片隅に」がありますね)
戦争は
一体各国なにを大義名分に行なっているのだろうか?
結局は所有権の争いで、自己顕示の結果でしかないと
僕は思った。それに巻き込まれ生活の安心をも奪われる
国民はたまったもんじゃないわ。ってね。
願わくば、その決断を下す奴が自らまずは武器を取り相手となる国の同じ穴の狢野郎とやり合って決死てくれたら良いのに。
そう言う意味では、戦国の方式はいい意味で優れてたのかも知れへんね。
一部、国民ならぬ領民を借り出しての戦はあったけどなぁ😅
つまりは争いに百害あって一利ある?ってことだわ
ピース&ラブを追求しよや!
ネイバー
こんなところに住めてラッキーね!
え?そんなこと言うの?
ラッキー?
う〜わ〜
倫理観
お隣さんがどんな施設かわかっていて住んでいる幸せな家族。
ピクニック、川遊び、絵本の読み聞かせ。
爆発、銃音、悲痛な叫び声は環境音。
妻の自慢のガーデニング。
壁を覆うように蔦植物を生やしてるの。なんだと?!
花々のアップと叫び声、突然の数秒の赤。
目の中まで洗われる子供達、歯で遊んだり、燃える炉に入れる絵本、何かと不安定な子供、使用人に当たり散らす妻、耐えきれなくなってそっと消える祖母。
予告ではもう少しわかりやすい表現があると思っていたが、考察がいるなぁ。
意地でもアウシュビッツの隣の楽園に住み続けたいとキレる妻。
アウシュビッツを含め、全てが狂った場所
エンドロールがかなりキツかった。
ソフィーの選択?
楽しい映画ではありませんが、心に響くものがありました。「自分の損得ばかり気にして周りに無関心になる」この妻の様な素質が自分にもあるかも?と思い怖くなりました。このヘス家は「ソフィーの選択」でメリル・ストリープ演じる主人公が勤めていた所みたいです。ソフィーという人物が出てくる様なので、かけているのでは?両作品とも再度鑑賞したくなりました。
となりはアウシュビッツです、ということを知らないままこの映画をみて...
となりはアウシュビッツです、ということを知らないままこの映画をみて、最後の最後にそれをにそれを明かされたらどう思うかなあと考えながらみた。
子育てにベストな環境。失いたくない幸福なわたしの暮らし。
となりが収容所というのは極端だけど、みたくないもの、ききたくないものすべてにふたをして、自分の信じるもの以外はすべて無視できるメンタルは盲目的でぞっとするが、ぜんぜん別世界のことでもなくて、知らず知らずのうちに自分もそうなっていたらいやだなあ、と少しこわくなった。
むぅ
面白くはない。
気が重くなる。
しかし、完成度は高く
視点は鋭く深い。
現在のアウシュビッツがでてくる
描写には驚いた。
イスラエルはガザで虐殺を行なっている。
遠い将来、パレスチナに記念館が
できるのだろうか。
塀の向こう
以前ホロコーストの実録や近年ヒトラーための虐殺会議を観た私にとって、この映画は大変キツいものでした。
スクリーンに映しだされる幸せそうなヘス一家。その向こうに見えるアウシュビッツの施設、煙突から常に出ている煙、聞こえてくる音…そして映画ではわからない匂いもあったはず。観ている間ずっとそこで何が行われているか想像している自分がいました。
ラストエンドロールで流れる音楽は殺されたユダヤ人の沢山の悲鳴のように聞こえ怖くなりました。人間て恐ろしいと思える映画でした。
ナチスの恐ろしさではなく、人間の恐ろしさ
戦時中というと、戦場やそれに準ずるような修羅場や緊張状態が想像されるが、この映画が映し出しているのはなんとも幸せそうな家庭の姿。父の誕生日を祝い、ケーキを食べ、休日に子どもと川に遊びに行き、友人や母が訪れては楽しく談笑する。ヘス一家のみならず、どの国にもこういう日常を過ごした家庭はあったのだろう。
一般的には、映画に登場するナチス(というか主人公の敵国兵士全般)というのは、明確な悪役として登場し、信じられないような非道をおこなう。それらの大半はもちろん事実に違いないが、糾弾する表現目的を持っているがゆえに、まるで悪魔や鬼の所業のように受け止められる。実際には、誰かには慈愛を注ぐような人間が史実としておこなったものであるという事実をなかなか実感できない。そこを解決した映画だと思う。
この作品にはテンポチェンジがほぼ無く、淡々と日常が描かれている。
史実を知った上で注意深く見なければ、普通の営業マンがただ普通にマジメに仕事をしに来た、子どもが珍しいものを手に入れて興味深く観察している、仕事のストレスを抱えた父親が娼婦を呼んで妻にバレないように入念に陰茎を拭いた、奥さんがヒステリーで家政婦に八つ当たりをした、ちょっとイライラすることもあるが、いたってノーマルな日常である。
史実を知っているからこそ、営業マンがいかに死体を効率よく焼けるかという信じられない話をしていることや、子どもが虐殺されたユダヤ人の遺品をオモチャにしていることや、ヘスがポーランド人に一定の差別感情がありながら手軽にセックスを済ませたことや、奥さんがポーランド人家政婦に対して塀の向こう側にぶち込むぞと言ったことがいかに恐ろしいことか、といった事を理解・想像できる。
僕らが博識だからではない。ただ遠い未来の人間だからこういった想像で補完ができ、批判的な立場を取れるのであって、当時のドイツに生まれ住んでいたらやはり淡々とした日常としてなんとも思わなかったのだろう。
僕は焼肉を食べる時に、大量の牛が屠殺される目的で生まれ、屠殺され、皮を剥がれ、全身をバラバラにされるのを想像したりはしない。自分が食べてるのはカウではなくビーフだと思っている。知らないわけではなく、想像しない。無意識に関心を持たないようにしていると思う。
ナチスにとってホロコーストがそういうものだったというのを、擁護するでもなく、過剰に糾弾するでもなく、フェアな視点でリアリティを追求して描いた作品だと思う。
ここで表現されているのは、ナチスの恐ろしさではなく、人間の恐ろしさだ。
楽しそうに笑う彼らを許せない。
どうかこの罰当たりな人達に破滅が訪れますように。
楽しそうに笑う彼らを許せない。
上映中に私が考えていたのはこんなことばかりでした。
皆さんどんな感想を書かれておられるのかと気になって見てみたら、やはりと言うべきか冷静な論評ばかりで、いやはやさすがと感心しきり。
彼らが何の変哲もない普通のドイツ人であったことにこそ脅威を感じるべきなのでしょう。また、いかにも日本人が陥りそうなリスクなだけに、深刻に受け止める必要が大いにあると感じます。
この映画から受け取ったものに満足していますが、イスラエルを擁護する人達は放っておいても高いレーティングを付けるでしょうから、バランスを取るために敢えて低めに設定します。
ちなみにヒトラーがオーストリア人だったことをオール讀物のコラムで最近知り驚きました。
現実に繋がる
序盤の展開、なかなかついていけず。
悲劇の史実をサプライズ的に用いてるのでは、
と疑問に思った。
”いたずら”に使われてるのではないかと。
しかし、壮絶な現実を目にした母の姿、
近所に住む少女のある行動で、我々はわずかな光を見る。
そのお返しである「音楽」という芸術が、
どれだけ意味のあるものであったかを物語る。
本来、あるべき姿でようやく出てきた芸術である。
人を救う、音楽である。希望である、音楽である。
そして、ラスト。
ド直球に地続きであると見せられる。
観客は、思い切り関心を向かせられることとなる。
というかやっぱり、これを忘れちゃいけないよ
人間の罪の歴史。歴史の中に置かれた布石。
アウシュビッツ。いつか行かなければいけない。
おぞましい
残酷な画は映りません
血も流れません
直接的なグロ・ゴア描写は一切ない
それでも、こんなにおぞましい映画はそうそうないでしょう
映画冒頭から切れ切れに聞こえてくる銃声
「何」を燃やしているのか明らかな焼却炉の煙
庭でその臭いを嗅いで咳きこむ家族
なのに、旦那の転勤には着いていこうとしない妻
不快で不穏なBGMとあいまって、鑑賞中ずっと胸がザワザワする体験を味わえました。
人間の負の歴史を観ておきたい人にオススメの映画です。
慣れって怖い
広告で大まかな内容は知っていたけれど、物語としてどう展開されていくのかはわからず、最後まで観れるかなと思って鑑賞。
結局あっという間の2時間でした。
ただ物語を楽しんで、というよりはただただある家族の日常を観てるだけ、本当にただそれだけ。
それなのに何故こんなに退屈せず鑑賞できたのかというとその日常が一般人からしたら非日常であって、この家族がなかなかに狂気じみてるからだと思う。
人を殺してるわけでも何か悪さをしてるわけでもなく、ただただ平然と暮らしてるだけ。それがこの映画では一番異質。
これこそ映画館で、特に夜観るべきだと思う。
というか日中観たらその日が台無しになる、それくらい気持ちが複雑にで、もやもやした気持ちにさせてくる。
気になってる人はぜひ映画館で。あまり人にお勧めできない、ちょっと暗い気持ちになる映画でした。
この生活に耐えられる?
大量虐殺が行われている近くで
楽園を築ける
根性?はどこから??
司令官より、司令官の奥様が怖くて
奥様のお母さんも
アウシュビッツ敷地にある豪邸を
殺戮が繰り返されている事がわかっているのに
良いところねと褒め称えた
えっ?
叫び声と銃声が聞こえる生活を?
子供の幸せって?
こんな環境で子供が真っ直ぐ育つとでも?
司令官の部屋に入ってきた女性は娼婦?
ユダヤ系に見えたんですが
その女性は殺されてないだろうかとか
色々考えを張り巡らす
奥様のお母さんはこの環境に耐えられず、黙って出て行ったと推測
手紙にはなんて書いてあったのか
司令官が昇進して
ここを離れないと行けないとわかって怒りまくる奥様
そんなにここ良い?
自分が育てた庭や素敵な部屋があるから?
お手伝いの方も身体に支障が出てきて
子供達の遊びも戦争にまつわる遊び
夜はちゃんと寝れてなさそう
女の子はいつもベッドじゃないところにいる
実はどんどんこの環境に、生活に蝕まれている
司令官も身体の調子が悪い。
やったことは全て自分に返ってくる
因果応報
そして、エンドロールの音楽めっちゃ怖い。
本当にあった怖い話
ふざけたタイトル名ですが、こんなタイトルじゃないとあなたはこの駄文に関心を示すこともなかったでしょう?これもある意味で関心領域です。
ごめんなさいふざけました。でもタイトル名は本心です。今も昔も当然のように戦争があり、民族憎悪があり、人が人を殺す。誰もこれらに対して見て見ぬふりは出来ない。でも出来ないはずなのに無意識的にやってしまうのが私達人間です。
要はこの映画は単純なホロコースト映画ではないと言いたいんです。ユダヤ人がどうこうナチスがどうこうの話ではなく人間が自分自身で自覚できない穢れを戦争を通して描いている映画だ、と言いたい。
ですが戦争には勝者と敗者がいて、勝てば官軍負ければ賊軍という言葉がまさに当てはまる事になります。被害者・加害者に分かれます。義と悪にラベリングされる訳です。そんな状況で"人間誰しも持つ"無自覚な穢れの話が通用する訳がありません。「お前は被害者を悪く言うのか、加害者の肩を持つのか」って奴です。勝者敗者を曖昧にしようとしてもそれぞれに対するイメージは固定されます。我々日本人だってそう。3か月前に日本公開の伝記映画オッペンハイマーを観てすべてをすんなり受け入れた人はいないでしょう。バーベンハイマ―を知っていたらなおさら。日本って敗戦国なんだなと時空を超えて思わされましたよ。でも他方で日本が植民地支配した国々の人たちは今でも良くない印象を持ってることも少なくないでしょう。
ドイツも日本もアメリカも、そしてユダヤ人とイスラエルも誰かによって苦しんだし誰かを苦しませた。戦争が終わり勝者敗者の立ち位置が出来て、良いやつ悪いやつといった固定されたイメージは80年後の今でも変わらないまま。こんな環境で無自覚な穢れの話は出来ないですよ。すぐにアイツが悪いこっちは正しいなんて言い始めるでしょうから。
そして私はどうしてもこの映画を人間の悪としてではなくユダヤ人、ナチスといったラベリングで見てしまう。だから本当にあった怖い話であり、現在進行形で怖い話なんです。民族の問題ではなく人類の問題なんです。ナチスは良い事もしたとか、そんなことを書くつもりは全くないですよ。でもユダヤ人可哀そうナチスひどいみたいな典型的な視点で観るなら別の映画を観た方がいいんじゃないかとさえ思います
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