「人間、自身の利益には目ざといが」関心領域 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
人間、自身の利益には目ざといが
アウシュビッツものというよりも、人間の不思議が先立つ。
同じものを見ても抱く感想が異なるように、残虐の極みを躊躇なく合理的に処理し、行われていても理想郷とのたまう。
だから自らの身体の変調の深刻さもスルーなのだろう、たぶん。
けれどこれはアウシュビッツに限らず、世界のどこかの地域と地域としても置き換えられそうだし、実際、無関心と無視、搾取していることも多い。
人は自身の利益には目ざとく関心、執着を持つが、その向こう側にまで想像を巡らせる事は苦手だ。巡らせる事で自分が利益を失うならなおさらあえて目をつむる。だからして、うしろめたさを思い起こさせる1本でもあった。
何となく向こう側がすけているのに、気づいているのに自分可愛さにスルーしてしまう。
昨今のそれが巨悪なのかも。
ネガのような加工がされたシーンが印象的。一番野真実描写なのに非現実的感が脳みそバグらせる。
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