「精神や体調に支障がでていることを祈る」関心領域 momokichiさんの映画レビュー(感想・評価)
精神や体調に支障がでていることを祈る
・新しい効率的な焼却炉の商談 ⇒ それはゴミではなくユダヤ人を焼却する炉
・好きな服を選んでいい ⇒ それはユダヤ人から剝ぎ取った毛皮や服
・歯で遊ぶ子供 ⇒ それは恐らくユダヤ人の歯
ここまで麻痺するのか。いや麻痺しうるな。そういう空気、ご時世、雰囲気になっても人間らしさを見失わず正しいことを全うできるか?恥ずかしいことに100%の自信がない。だからこそ自戒し続けなければ。
最初から最後までずーっと叫び声や怒声や銃声がバックに流れる。
これが音響のいい映画館で観た方がいい「これまでにない理由」だ。
あの音をBGMに暮らすのは、いくら裕福でも精神に支障を来すはず。
そういえば、妻も子供も少しずつそういう兆候(ヒスなど)があったような。
また、裕福とはいえ、幸せそうにも見えなかった。「自分は恵まれている」と無理に思いこもうとしているように見えて仕方がなかった。
いや、きっとそうであって欲しい。
人間として、全く平気であって欲しくない。人間はそうじゃないと思いたい。
※リンゴを挿していくシーンは何なんだろ?そういえば塀の向こうでリンゴで争いになっている(と思われる)シーンもあったな。このリンゴなんだな。
※よく分からなかったシーンがたくさんあった。川に流れてきたのは何?とか。あらすじを書いたサイトや考察を早く読みたい。
※A24っぽさ全開。しかし、なんかパターン決まってきたな。
ご丁寧なコメントありがとうございます! うれしいです。
人間、どうしても「環境」には順応しちゃうところがあるんだと思っています。そういうなかで醸成される狂気に、どう対処するかって本当にむずかしくて。
結局、多くの「物語」に接して想像力を涵養して共感力を高めることと、敵味方や上下の分を分け過ぎないこと、絶対的な正義を確信しないこと、「中途半端な感覚」や「若干不愉快な状態」を鷹揚に受け入れること(あやふやさへの耐性を身に着けること)がけっこう重要なのかな、と思って生きていますが、なかなか理想は遠いです(笑)。
実際、たとえば「相手に非がある」と信じ得る形で戦争が始まって、身近な人間の命が失われたときに、自分がどういう人間でいられるかは僕も皆目見当がつきません。