「この四字熟語に人間的なものが凝縮されている・・」関心領域 マロンさんの映画レビュー(感想・評価)
この四字熟語に人間的なものが凝縮されている・・
クリックして本文を読む
はじめは、真っ黒な画面で変な音もするし、何事かと思ったら、いきなり平和なピクニックの家族の風景が写って驚きました。あれはなに?とつい考える作風でした。
平凡なお金持ちにみえて、本当に違和感があって、少しずつ謎解きのように全てがわかるのにはカタルシスがありました。
平凡な主婦たちの会話や、使用人の動作や、白い少女の林檎うめなど謎に満ちた映画でしたが、だんだん 事情と時代が分かって来ると戦慄しました。
主人公の男が、何かを川で拾って慌てて出る場面がもう・・心にきました。あんたが殺したんだろうがと叫びたくなりました。恐らくユダヤ人の骨ですね。遺灰は川に撒かれたのですね。しかし奥さんが口紅を迷わずに塗ったことがもう何とも言えないぐらいえげつない。
これが人間かも知れないと思った。
ずっと奥さんや夫はお風呂で念入りに洗っていますね。なんか因果応報というか・・。
本当に普通でシュールで滑稽でどうしようもない世界でしたね、
それからえげつないぐらい灰が庭に撒かれる場面もね。 あれってユダヤ人の遺灰だよね。
どうしてそんなことができるのかな。不浄と嫌っているのに灰になると大丈夫なのかな。
なんかわからない世界だなと思いました。
でも現実と重なるし心にグサッとなる映画でした。最後に膨大な靴と鞄が展示されているのをみて嗚呼と言いたくなりました。
コメントする