「私の関心領域って…」関心領域 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
私の関心領域って…
ほぼ予備知識なしで映画館へ。
アイヒマンの名が登場しましたね。何気に映画マニアの琴線に触れます。
妙にストーリーの流れが悪いと云うか、飛び飛び状態の映像になっているのは、やはり、この映画のタイトルが原因ですね。誰の関心領域を映像化しているかは、各自の判断に任せられているようです。良く言えば、御見物の想像力を掻き立てる。悪く言えば、不親切。どう思うかは、貴方しだいですけど。
ここで、事前にお断りしますが、私は、ある特定の思想を否定するつもりはありません。ただ、私の最近の関心領域から、コメントします。この映画、誰が、何のつもりで創ったのか分かりかねますが、かつて、世界一、非道い扱いをされたユダヤの民。今後、同じ轍を踏まない為には、あらゆる犠牲を厭わない。無関心な世界を敵に廻しても、全て排除する。モーセの教えのみが、選ばれし民の証なのだから。それ以外に関心はない。…と、考えているヒトのバックボーンになっているような…。
繰り返しますが、過去の出来事を否定するつもりはありません。ただ、過去の出来事が、傷つけ合うだけの未来を導くならば、それは、ちょっと…。
傷負い人が傷を癒すには、他者を傷つけるしか方法はないの?。だとすれば、新たに傷を負ったヒトは、どうすればいい?。
この映画に、罪があるわけではありませんが、今の私の関心領域から見える世界は、以上となります。
「アンネの追憶」
アンネの日記を映像化するには、憚れる描写があるので完全にはできないとのことですが、アンネの関心領域は、本作でご確認下さい。余力のある方は
「縞模様のパジャマの少年」
「サウルの息子」
「ハンナ・アーレント」
「パラダイス・ナウ」
「オマールの壁」
をどうぞ。皆様の、領域展開の手助けになると思われます。
追記
やはり、私の関心領域は、映画の外みたい。先日、ネット記事を拾い読み。ユダヤの迫害と言えばナチスドイツと思いきや、それ以前から、キリスト教圏では、多かれ少なかれ、迫害があったらしい。イスラエル建国に、欧米が強く関与したのは、言葉選ばずに言えば、厄介払いの側面が、見え隠れするとのこと。
キリスト教圏の関心領域。ユダヤの関心領域。数千年にわたり、その地に暮らすパレスチナの関心領域。その全てが、1つの地域に集約された結果が、絶望的なテロと殺戮でしかないとすれば、私達の関心は、何処に向かえばいいの?。
希望のともしびが、憎しみの業火に呑み込まれる様を、見ているしかないのかな。