首のレビュー・感想・評価
全696件中、581~600件目を表示
バイオレンスコント
天下人になるために武将たちが企み合う物語というと、結構描かれてきたテーマだなと思ったんですが、北野武節がそこに加わると、どうなっちゃうんだろうというワクワクに身を任せて鑑賞。
物語のベースは本能寺の変前後で組み立てられており、権力を振りかざしまくる信長と、天下人を目指す武将たちの意地の悪さと執念深い様子がしっかりと描かれます。
R指定に相応しいレベルのグロは戦国が舞台でも健在でした。基本的には首をすっぱねるシーンで大量に血飛沫が出ますし、自害するシーンや処刑シーンもしっかりあるのでグロいですが、自分は序盤に信長が村重に饅頭を食わせるシーンで、予告ではなんかワタみたいなものを口に詰めさせていたのかなと思っていましたが、刃物に突き刺した饅頭を口の中でグリグリさせてもう口内出血まっしぐらで痛々しかったです。そんな時にするキスの味なんてもう鉄の味しかしませんよまったく笑
信長が男性も好んでいたというのはなんとなく聞いた事がありましたが、今まで信長を題材にしてきた作品でそこにフォーカスを当てた作品は観たことなかったんですが、今作は信長をはじめ明智光秀や荒木村重でもその面が描かれていました。
信長は現代でいうところのバイセクシャルというやつで、好意を持つ以上に服従させたいというのが強く出ていたなと思いました。森蘭丸にア○ル責めをしていたのも、当人が気持ちよくなりたい+屈服している様子を見るのが心地よいという狂喜的な一面はここでも出ていました。
光秀と村重はその面では真正面から愛し合っており、2人で布団を共にし、乳首を舐めたり(西島さんの鍛えられた筋肉がとても良かったです)、熱い口づけだったりと、この時代は現代よりも同性愛に寛容だったんだなと思いました。
どの武将も戦略家や豪傑としての一面は潜め、1人の人間がどれだけ這い上がるかという面にスポットが当たっていたので、どの武将も民も泥臭いです。
信長はその中でも悪魔的な面を全開にしており、この人は実はこうだから…なんてフォローは0にひたすら傍若無人な様を見せつけてきます。労いなんて一つもありませんし、蹴る殴る切り倒すとやりたい放題です。それ故にほとんどの部下に疎まれているのに当人は何も気にせず、さすがの肝っ玉でした。ただその中でも子煩悩な一面を見せたことにより、部下からあったわずかな信頼が崩れ、謀反へ…。奥深かったです。
秀吉は静かに天下を狙う今作の中では策士としての面が強く出ていたなと思いました。あっちとあっちをぶつけて、あいつはあぁやって始末して、ついでにあいらつもやってと様々なところに包囲網を張り巡らせていました。役を演じている時は北野武よりもビートたけしとしての表情が出ており、大きな水たまりを超える時簡易的な神輿で担がれていたシーンが1番面白かったです。秀吉、秀長、官兵衛のシーンはいくつかアドリブっぽいシーンも挟まれており、そこだけは狂気的な笑いではなく、コントとしてのお笑いがあったのも良いスパイスだったなと思いました。
「首」というタイトル通り、印象的なシーンには必ず"首"が存在しています。農民が天下人になる時には見知らぬ首を掲げ、処刑シーンでは首を切り落として殺し、信長の最後も自害ではなく首を切られて燃え盛り、光秀の最後は自ら首を落とし、ラストシーンでの首の見本市かの如く並べられているシーンなど、よくある生首が死んだのに表情が動くなんていうものは一切なく、死んだままの表情だったのが強く目に焼きついています。
オチも引いてみればかなり弱いんですが、史実で光秀の首が見つかっていないというのを元にして、顔の識別ができないから秀吉が光秀の首を蹴っ飛ばすという終わり方はもう完全にコントのオチでした。しっかりと物語の終わりにもなっていますし、これは芸人・ビートたけし節が強烈に炸裂したシーンだったなと思いました。
ほとんどの人間が死に絶え、残されたものは天下へと向かう、この時代をこれでもかと象徴としていたなと思いました。歴史の授業を飛び越えて戦国時代の舞台裏をこれでもかと堪能できました。
思っていたよりも笑いの方が強く、バイセクシャルである信長の面を押し出したというのも今までの信長像を覆す新たなものが観れて良かったです。登場人物が多いのもあって、駆け足かつその人物の顛末が雑な気はしましたが、十二分に楽しめる作品になっていました。"首"を巡るアクションを大いに笑っていきましょう。
鑑賞日 11/23
鑑賞時間 11:00〜13:25
座席 O-5
俺はお前一筋だから
深みのなく浅い出来、ヒリヒリ感がない
北野武作品でかつ戦国時代ということで、バイオレンスものはエグいだろうと予測していたが、グロテスクで残忍なシーンはストレートすぎて、そういったものが苦手なひとは観ない方がいい作品。
北野作品、純愛ものとバイオレンスものがあるし、出来不出来が極端に振れると思っているのですが、この作品は外れた方と思っている。笑いの方にも振れておらず、そういったシーンもあるがそれほど笑えるものではなかった。
北野作品のバイオレンス版ではしっとりするようなドラマはまったく期待できなくて、そういったものをぶった切るようなもの、蹴とばしてしまうものがあって、それはときに吹っ切るようなカタルシスが生まれるときがあるが、この作品はあまりに残忍なシーンでそれよりも気分の悪さが先だってしまう。後味の悪さが残る作品。単に風雲たけし城の映画版かつグロテスク版なのかと思いたくなるような浅い出来。
俳優スタッフが北野武ブランドに乗って出演しているが、もったいない使い方。北野監督も芸能界の地位にどうしても安心しきっているような感じがあって、作品自体にヒリヒリするような斬新さがなくなっている。
遠慮なくストレート
勢いだけで一気に最後まで見させてくれる
期待はずれもいいところ💦
外国人が喜ぶ日本のsamurai movieってだけ。でも、日本人が観ても特に目新しさはない。年齢設定がめちゃくちゃ過ぎて『んんん???』ってなるし、知らない人が見たら若い信長に年寄りの家臣達が虐められてるだけの戦国パワハラムービーにしか見えない……
“みんな狂ってやがる”という言葉が覆い被さり武士道の精神まで隠されてしまったね😂暴力と愛欲だけのやりたい放題過ぎでした。(どちらかと言うと色狂いの意味合い強くない?)
まぁ、外国の映画祭では評価されるのわかる気はする。だって外国人はなかなか作りづらいもん、こーゆーの。
トレイラーでは加瀬亮が信長なん!?と違和感感じてたけど思いの外よくてそれだけが満足💛
暴力と死が身近にある時代
鬼畜の祭典
命が軽い阿鼻叫喚の戦国時代
ビートたけし扮する羽柴秀吉の謀略と、戦国時代の人々の欲望を描いた映画でした。
知識不足のせいか前半の分かりにくいスカしたような展開に困惑し、退出も考えました。
それでも、後半の本能寺のあたりから頭がついて来て鑑賞できました。
セリフがギクシャクしていて稚拙に聴こえるのは、味としたら良いのでしょう。
大森さん、北野さんの掛け合いが面白かったです。「OUT」のようなギャグの間合いに調整すれば良いと思いました。
加瀬亮さん、中村獅童さんは自身のキャラクターに合った役柄で良かったです。
木村祐一さんは口調が独特なので前半は?でしたが、後半慣れたのか良かったです。
残念ながら、綺麗どころの女優さんの出演がありませんでした。柴田理恵さんごめんなさい。
加瀬君!!!
北野武監督解釈の
戦国時代「本能寺の変」ですね。
ふむふむ。。
主君・織田信長(加瀬君)を裏切った家臣・荒木村重(エンケンさん)が発端となり、
「本能寺の変」へと繋がっていく。。
というストーリー。
羽柴(姓の頃の)秀吉(ビートさん)の
軍師・黒田官兵衛(浅野さん)は、
明智光秀(西島さん)と信長の書状を使って、ある戦略をたてる。
千利休(岸部さん)がそれを助け、
光秀が利用されたって事ですね。
そしてそこには、天下取りの野望と
BL要素も絡むのだからサービス満点。
信長はどっちもイケたらしいのは有名だけど、光秀と村重までも。。!!
私の西島さんがぁ〜!!
エンケンさんに喰われたぁ〜!!泣
('◉⌓◉’)('◉⌓◉’)
(西島さん、ゾワッとしただろうねw
エンケンさんの顔面の破壊力ww)
信長と蘭丸(寛一郎君・
超合ってたw)はなぜか見れました(^。^)
秀吉との講和の為、自ら切迫を申し出た清水宗治(良々君)が、備中水攻めの中、船上で舞い句を詠み、いざ。。
切迫したシーンのはずも、そこには笑いのエッセンスが。。
他にも、秀吉、秀長(大森さん)、
官兵衛3人のアドリブ?会話もコントの様だ。
皆、命懸けのはずなのに、随所に散りばめられた笑いパートは「たけし節」って感じでした。
ラストは、皆なあれだけ「首」に執着していたくせに、それを蹴っ飛ばしちゃうんだから。
こちらも「たけし節」でした(^。^)
「こんな戦国時代の解釈も面白いだろ?!」と言われた気がしましたね。
そして何と言っても加瀬・信長!!
狂気的で、残忍で、圧倒的なカリスマ性!
尾張弁が恐怖過ぎた!
声のトーンもいいんだこれが!
加瀬・信長なしでは本作の重みは出なかったと思います!
ラストはえええ!!だったけど。
北野監督、構想30年と?!
もっと前ならば、信長はビートさんが演ってただろうな。
30年かけてくれて良かった(°▽°)
俳優ビートさんの演技はもう良いんですけど。
キム兄は何とかならなかったもんか。
(キム兄はダウンタウンに仕えている方がしっくりくる。。)
桐谷・半蔵はカッコ良かったです!
薫サマ・家康。
あんなんじゃ騙されないわ。
気づいて。。その前にお酒をグイッと呑む所イケてたわ♡タヌキじゃないもん♡
戦国時代のあの時代。
誰であっても蹴落として成り上がりたい!
そんな血生臭い、人間の本性剥き出しの人物達。
時には強引に、時には戦略を練り、生き抜いた人々が有り有りと描かれていました。
歴史は、解釈や脚色の仕方で、如何様にも表現できる。
本作は北野武監督ワールド全開の作品でした。
正に「戦国の常識を覆す」出来栄えでしたね!
そして最後に確認させて。
本作のヒロインは。。
柴田理恵さんでよろしいか??
戦国バイオレンス落語
豪華すぎる
俳優陣みんな素晴らしすぎる。そのなかでも加瀬亮が良すぎ!信長って絶対こんなだったでしょうって感じするよね。ただ話は正直ついていけませんでした。戦国の基礎知識がなさすぎて登場人物の多さにアタマが混乱。見終わってからはこれってたけしがわざわざ作る必要あったんだろうかって思っちゃった。かの有名な本能寺の変をそんなに目新しい解釈もなく俳優のセンスだけでかろうじてって印象でした。コメディなのかシリアスなのかのところはそんな気にならなかった。何となくずっとシニカルな視点でたけしらしいなってくらい。たけしもそんなに後はないだろうから監督バンザイみたいなとんでもないのでいいから他の人が作れないものを作ってほしい。
大分、乱暴な
インバウンド映画
北野武監督作にしては……
ユナイテッドシネマ浦和にて鑑賞。🎥
北野武監督作品は、初監督作『その男凶暴につき』を映画館で観てから(短編含めて)全作品を観て来たので、本作も期待して公開初日に観に行った。
北野武監督とは30年に亘る付き合いになっている🎥
このタイトルが物語るように、全編にわたって「生首」をいくつ見たことか…という感じだったが、冒頭の首無し胴体はインパクトあったものの、全編にわたる首チョンパを見慣れてしまうとインパクトは無くなった (^^;
織田信長役の加瀬亮は熱演=狂っていて、彼が登場すると俄然面白くなる🤗
物語は、織田信長が天下を取ろうとしている時には西の毛利などが抵抗していて、毛利制圧に秀吉を使っている信長。(本作では描かれていないが武田・上杉・比叡山などの抵抗勢力との忙しい戦いに奮闘していた信長だった。)
そして、なぜか荒木村重が信長謀反から始まるドラマも描いているが、この荒木村重について語り継がれた事実を無視した扱いをしているドラマとなっている。
そのほか、秀吉が「信長批判を口にする」など創作的エピソードが多い。
総括すると、織田信長が天下を取ろうとしていた戦国時代を描き、本能寺を新たな解釈で描いた映画で、戦場シーンなどのロケ&合成シーンは、なかなか見事だった。
ここ数年、司馬遼太郎原作小説が映画化されたため、司馬遼太郎の戦国時代ものを(映画化されていない『国盗り物語』など含めて)かなり読んだので、司馬遼太郎が足を運んで取材して書いた小説は概ね実話に近いもの……と思っている者には、この映画は違和感多数。
また、個人的には、北野武監督作にしては「ハッとする瞬間」が少なかった気がした。期待しすぎたか……😅
6年前の『アウトレイジ 最終章』をジャパンプレミアで観た時のような幸福感は感じられない映画だった。
[補記]
同じ『顔』という映画であれば森谷司郎監督のサスペンス映画は大傑作なのでオススメ🙆👍
<映倫No.122700>
天下取り異聞
「本能寺の変」を題に取り、
ほぼほぼ実在の登場人物たち、かつ
史実に近い大まかな流れは踏まえつつ
共に自在に動かすことで
『北野武』らしい暴力と諧謔に満ちた作品に仕上げている。
もっとも、エンドタイトルでも分かるように
はなから海外展開を見据えたであろう一本。
シーンの端々にもそうした片鱗が垣間見え、
やや鼻につくのも確か。
またタイトルバックでも示唆されるように、
人間の首が飛ぶシーンは多々。
「R15+」の設定を越え
生臭さが画面から漂って来そう。
物語の発端は『織田信長(加瀬亮)』に重用された
『荒木村重(遠藤憲一)』が主君を裏切ったこと。
武功とともに衆道の関係もあったことから、
愛憎の度合いは深く、執拗に追われるようになる。
もっとも本作に於いては
『村重』と『明智光秀(西島秀俊)』も同じ関係があったとし、
男女間の惚れた腫れたと同じか更に強い感情が
男同士で繰り広げられ、
それが政局に大きく影響して行く。
『信長』の常の発言
「自分の跡目は親族に限らず、最も功のあった者に譲る。
(だから)身を粉にして働け」との言が虚偽だったことが露見したことが
「変」への流れにつながったとする。
「本能寺の変」の契機については諸説あれど、
ここでは『羽柴秀吉(ビートたけし)』が絵図面をひき、
『千利休(岸部一徳)』が手助けをし、
それに『光秀』が上手く利用された、との筋書きを作る。
当然 とんでも ではあるものの、
はなしだてのアイデアとしてはすこぶるユニーク。
なにせそこには、天下取りの野望と、
男同士の愛情や嫉妬が絡むのだから。
またここでの『信長』は
過去に類例がないほどのエキセントリックさ。
演じる『加瀬亮』の狂気の度合いも激しく
〔海炭市叙景(2010年)〕での『晴夫』を上回る苛烈さ。
主要な人物のほとんどが
他人を出し抜き、裏切ることをなんとも思っていない。
それは主君と家臣、兄と弟でも同様で、
自身が天下を取るためであれば、
邪魔者は全て排除しようとの勢い。
けだし物語り的も、
同時代の人たちの実際も
そうだったのではないかと思わぬでもない。
軍功や生死の証として、
多くが「首」を取ることに執心するなか
異なるエビデンスを求める人物が一部に居る。
ある意味、合理的な考えではあり、
彼らの先々のスタンスを勘案すればもっともな造形。
とりわけ、ラストシーンで
(タイトルを含め)今まで重要なアイテムとして来た「首」の存在を
あっさりとひっくり返して見せる
監督・脚本の『北野武』の仕掛けにも感心する。
面白いんだけどね・・・
解釈は自由、本能寺の変を北野風に料理
賛否両論になる作品でしたね。
私自身は、北野作品は最初は苦手な方でしたが、「アウトレイジ」がよく出来ていたので、それから北野作品を見直すようになり、ようやく北野作品を受け入れられるようになりました。
まず、本作品ですが、北野武監督の作品なんですが、ビートたけしさんの感性がちらほら出ている作品と言うべきでしょうか。
まずは、本能寺の変を北野武さんなりの別の角度から描いた内容は、非常に良かったと思います。
例えば、武士道や任侠道なんて言葉がありますが、実際、そのような綺麗事などを貫いた者などごくわずかで、現代と同じように、人間なんて、今も昔のひと癖あって当たり前であって、そんな周りの人間模様が結構いい感じに描かれていたかな・・・
織田信長を演じた加瀬亮さんがよかったな、大森南朋さんも良かったし、「アウトレイジ」組が大変に良かった。
岸部一徳さんの千利休もハマっていたし、大竹まことさんもわずかな役であったけど良かったな・・・
昔の東映などが好きな人や監督や俳優さんにとって「邪道」な作品なんだろうけど、私的には、北野武さんの「創造」「創作」が気持ちいいぐらい良かった。
強いているのなら、もう少し「裏切り」とか「ドンパチ」を混ぜて作り上げた方が、全編で楽しめたのかな・・・
角川映画製作なんだけど、春樹氏の角川映画だったらどうなっているのかな・・・
全696件中、581~600件目を表示