首のレビュー・感想・評価
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北野流の人間模様の解釈に満足
感想
日本ではテレビを含めて本能寺の変前後の信長を扱っている戦国時代作品は多く制作されており、今回は北野監督が戦国物を監督したという事で余り期待せずに鑑賞。
映像としては作品名のまま、歴史的事実そのものの論功行賞の証明としての首実検の慣習、切腹、衆道など当時の行動そのものを、素晴らしい俳優陣の演技、また優れた視覚効果技術により表現しており、えげつないほどのそのありのままの映像が、逆にこの作品全編に流れている戦国期の人の業(ごう)、念、残酷さ、恐怖、焦燥感を増幅させている。◎
俳優陣はお馴染みの演技巧者ばかりだが今回特に、加瀬亮さん、中村獅童さんは最高の演技だった。◎
脚本は思わず唸るほど素晴らしい出来映え。北野監督の人間観察表現の集大成と感じた。登場人物として元噺家で忍の曽呂利新左衛門を時代の変わり目の狂言回しとしたところが秀逸であり、新左衛門の目線が北野監督そのもので時代を、人を、俯瞰していると思われてならない。
新左衛門が秀吉、官兵衛から光秀の動静を調べるように依頼された時、秀吉から新左衛門に「おまえ、死ぬけどな。」と言い放つシーンが忘れられない。
当時の諸行無常の世俗がありのまま表現されており、権謀術数の数々、人間臭さ、武士以外の茂助に代表される市井の人々の姿。行き場のないストレスや、抑圧されたエネルギー発散の、良い意味で荒削りの、味のある構成で、往年の若き日の大担でギラギラとした、黒澤の時代劇作品を彷彿させるものがあった。
秀吉、秀長、官兵衛の会話などアドリブなのかと感じさせる部分もあり、その時の、思わず笑ってしまう、人間らしい反応に期待をかける演出もリアルさを増したと思う。
全て監督の経験値と緻密な計算により生み出された作品だとという事を察し、日本映画史上に残る傑作がまた出来上がった事を心より称賛し拍手をおくりたい。
IMAX鑑賞
⭐️4.5
戦国を茶化すキタノ節
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
コメディー要素が多めで驚きました。コントと云う評も頷ける。しかしシリアスとのバランスが絶妙で面白かったです。
バイオレンスもいい感じ。戦国版「アウトレイジ」なキャストの怪演合戦が見物で、MVPは問答無用で加瀬亮でした。
戦国の弱肉強食の世界観は俯瞰して見るとかなり滑稽なのかも。そこを茶化しまくるキタノ節が素晴らしかったです。
※修正(2024/06/22)
東宝の本能寺の変。北野武最新作にして最高傑作の誕生
初日、私が見た劇場では、観客がたった四人しかおりませんでした。こんなに面白いのに。
二子玉川とか渋谷、川崎あたりならもっときてたのかな
原作、脚本、主演、監督、編集がたけし。カドカワ製作、カドカワ・東宝の配給。
羽柴秀吉 北野武
羽柴秀長 大森南朋
黒田官兵衛 浅野忠信
荒木村重 遠藤憲一
明智光秀 西島秀俊
織田信長 加瀬亮
徳川家康 小林薫
千利休 岸辺一徳
木村祐一
中村獅童
副島淳
寛一郎
大竹まこと
寺島進
荒川良々
六平直政
仁科貴
津田寛治
桐谷健太
勝村政信
首になるキャラクターと首にはならないキャラクターがいるのだった。
信長、明智光秀は、首になってしまう。
秀吉や、秀長、官兵衛、家康はならない。
VFXの進歩により、本当に首が落ちているように見える。もちろん本当にこんなふうにスパッと切り落とせるのかよく知らないけれど。
とにかく、首が落ちる場面が多い。
これは、好きと嫌いが明確に分かれるだろう。
私は好きだ。昔は、こうだったのだ。
戦国時代は、大河ドラマや、テレビの時代劇のように、血が出ないということはなく、あのくらい血生臭い時代だったと思う、
ただ、あまりにそういう場面ばかりあるので、ギャグのように見えてしまうところが、もったいない。あと、女性が登場する場面が少ないので、万人受けは難しいとも思う。
でも男色をかなり前面にだしたことで、主従関係に緊張感がでた。森蘭丸とか、弥助とか。木村拓哉が織田信長をやれば、もっと面白くなった気もする。いや、冗談です。
一般の農民などは、風呂になど入らず、真っ黒けであったとか、史実に忠実すぎる。
黒人や、宣教師、茶人、芸人、忍びなどのキャラクターもさもありなんと思えてくる。
素晴らしい。もう一度観たい。
演じている俳優がたぶん史実の登場人物よりだいぶ歳くっているのだが、あまり気にならなかった。
西島秀俊は、わりと史実に近いのかも。
木村祐一(「ニセ札」「チコちゃんに叱られる」)がうまかった。
あと、多羅尾光源坊という甲賀の盲目のキリシタンは、ホーキング青山という芸人さんらしい。強烈な存在感があった。
サディスティックなコメディ
戦国好きな僕は当然戦国武将のほとんどがゲイだということは知っていた。あの有名な蘭丸が信長の愛人だということも、武田信玄が少年に愛しているという手紙を送ったことも、宣教師が坊主同士の恋愛に拒否反応を示して寺から追い出されたことも元々知っていた。それが、とうとう映像化されたことは、戦国好きとして、なんだか爽快だった。
各々が現代では巧みに隠している汚い部分まで、出し尽くさないと生き延びられない凄い世の中はこの映画では“笑い"に昇華されてた。何度も声に出して笑ってしまうくらい色々酷かった。
映画館で観た映画の中で一番笑った映画かもしれない。
戦記物としてみれば正直期待してたほどではなかった。映像は普通だった。黒澤明がいかに優れた映像作家か理解できた。映像に関しては黒澤に対して勝ち目は全くない。でも、それでも凄く笑えたから良かった。そもそも、自分で傍流と言ってる人なのでなんか納得した。それにしても、こんなにサディスティックなコメディ映画は観たことがない。凄いファニーだった。命が軽すぎる。
初めて観た北野武の映画だが、正直期待してたほどではなかったので、他の作品を観てみる。
唯、OPの黒澤映画的な演出は最高にカッコよかった。間違いなくあそこは黒澤を超えてる。
ん〜
これはブラックコメディ?
良かったところ 贅沢過ぎる程の役者使い、あの人も出てるー!とかワク...
あれを期待してたんよ
今なぜ本能寺の変をやるの?ある程度ストーリ読める状態で視聴することになると思っていたが、30年の構想ということで、時代に応じたびっくりがきっとある!と期待していたのになにもなく。
個人的に見たかったのは裏切り、駆け引き、騙し合いなんよ!
はい、監督の映画をアウトレイジでしか知らないにわかファンです笑
今作はもちろん関係ない、むしろ進化するのを前提として、、でも話の構造はそうかなと期待してた!
たけしに秀吉は合わないというレビューもあるけど、番宣ではあれ大友に近い秀吉でしょ笑
私利私欲の裏切り、緊張感ある駆け引き、想定外の騙し合いは皆無でハラハラドキドキはありませんでした!
なんなら展開があっけなさすぎて重要シーンの信長、光秀の最期に感情移入もできず。
まあ俳優陣は素晴らしい!
加瀬さんの怪演スタオベですが、松潤家康と同じくビート秀吉に違和感しかない!
金曜レイトショー『首』
どうする家康の物足りないダークな部分が、存分に映像化されており見応えはありましたが・・・
題名通りに斬首シーンが多いので、血が苦手な人はパスした方がいいレベルです。
内容的には、戦国版アウトレイジって感じやね。
もうそろそろ自ら主役じゃなく監督だけに専念した方がいいと思います。
どうするの松潤も家康と同じくらい殿の秀吉はミスキャストで、脳裏に埋め込まれてるイメージとあまりにも違いすぎるのよね。
脇を固める役者さん達は、戦国武将のイメージをスキルで凌駕してるだけに残念。。。。
秀吉の弟を演じた大森南朋さんは、役は違えど大河ドラマと同じような立ち位置だったのが、個人的にはツボで、笑えるシーンも南朋さん絡みが多かったです。
で、加瀬さんの信長・・・・
歌舞伎者を通り越した鬼畜ぶりは、過去信長を演じた役者さんの中ではダントツの怪演!!!
この映画最高の見せ場で、最優秀助演男優賞最有力☆☆☆!
それと北野作品の特徴なのか・・・
今回も女性の活躍や妖艶な描写も無しで、見たくもないオッサン同士の武将愛を見せられる^^;;;
どんな偉人も人間。人間はみな情けない。
命の軽さ、安さを伝える映画
実際はこうだったのだろうか・・・と思いながら鑑賞しました。
自分の命以外はゴミ同然で、出世のためなら味方はもちろん、身内にも手をかける。
そんな世界は悲惨ではあるが、当の本人達は能天気で笑いながら邪魔者の首を落とし、外から見たその様子は喜劇のようにも見える。
信長はサイコパスそのものだが、隠すか隠さないかの違いだけで、他の人物も内面では他人の命はどうでもいいと思っている。
温健に見える家康もただ臆病なだけで、自分を守るために影武者をいくらでも犠牲にする。
唯一まともそうに見える光秀も、自分の欲を「天下のため」と言い換えて、必要とあらば愛人でも斬る。
たけし監督がインタビューで言っていた「近頃の大河ドラマなんかじゃ戦国大名を英雄みたいに扱っているが、実際は戦国大名なんてロクなもんじゃないですから。」の言葉通り、従来と違う視点の戦国時代が見れて、価値のある作品だと思います。
終始、首!首!と言いながら、最後に「本人が死んだかどうかがわかれば、首なんてどうでもいいだよ!」って蹴り飛ばすのは笑いました。
おっさんずラブ&コント✖本能寺の変
北野武監督が手掛けた「本能寺の変」。荒木村重や落語家の祖という説もある曽呂利新左衛門の顛末は完全に創作っぽいけど、いつ誰が何をしたという部分では概ね史実に添っており、そこに戦国時代の”常識”であった武将の男色という風習と、たけしらしいコントの要素をふんだんに掛け合わせて独自の戦国絵巻を創り出していました。
秀吉を演じたたけしと、曽呂利新左衛門を演じた木村祐一の2人が、主要登場人物の中でお笑い出身であり、特にたけしの場合、活舌が悪くセリフ廻しが微妙な部分がありましたが、両脇を固めた浅野忠信(黒田官兵衛)と大森南朋(羽柴秀長)とのコントさながらの掛け合いが面白く、中盤以降笑ってしまいました。
また、狂気の魔王・織田信長を演じた加瀬亮の演技は秀逸でした。今年2月に公開された「レジェンド&バタフライ」でのキムタク信長は、当初チャラチャラしたキムタクらしい性格だったのに、途中から突如として魔王にキャラ変してしまい、その連続性の欠如に納得感が得られませんでした。しかしながら本作の加瀬信長は、その狂気が一貫して酷過ぎたがために、村重であり光秀であり、やがては秀吉までもが離反していく物語になっていて、一本筋が通った信長像だったが故に納得感十分でした。そしてそんな役柄を見事に演じた加瀬亮の演技は大いに評価されるべきだと感じたところです。
さらに、内容的には良く言えば斬新、悪く言えば奇天烈にして悪趣味でしたが、それでいて不思議と重厚感があったのは、何と言っても充実したセットだったと思います。予算を掛けないで作った時代劇は、とかく安っぽくなってしまいがちですが、本作の場合、安土城の天守閣から戦場、民草の生活に至るまで、(実際見たことないけど)実によく再現されており、このリアリティというか丁寧な創りのお陰で、もしかしたらこんな信長がいたのかも、と思わせるほどに仕上がっていたのは、流石「世界の北野」と言うべきなのでしょう。
そんな訳で、期待を上回る出来栄えだった本作の評価は、★4とします。
戦国時代にはもともと武士道なんてない。武士道は平和な江戸時代にできたもの。だからこの映画はよりリアルで面白い。
北野武の本領はニッチ戦略家
凄く久々に見た北野武作品でしたが、特に昔の様な期待はしていないので適度に楽しめました。
日本の歴史小説の場合だと、歴史モノと娯楽モノとに大まかに大別出来てファンも自分の嗜好を外れなく選びやすいのでしょうが、映画の時代劇の場合だと勘違いして嗜好を外すケースは多いでしょう。
例えばNHKの大河ドラマは歴史好きが見る印象が強く、個人的にはそれには興味がなく小学生以来半世紀以上見たことがありません。
なので、本作も歴史ドラマでは定番中の定番の“本能寺の変”を扱った物語なので個人的には余計に期待をせずに、ただ話題作として見ておこうと思っただけの作品でした。
しかし見に行った多くの人は、歴史が好きで見に行ったのか?、娯楽映画を期待して見に行ったのか?又は北野武ファンとして見に行ったのか?、どういう比率だったのかは気になります。
映画サイトの評価もかなり微妙な結果でした。でも、低評価のレビューを読んでも大半は予想力の欠如の様にも思えました。
映画好きの場合は、冷静に今の北野武作品でこの題材だと、どの様な作品になるのかは大体の予想はつく筈なんですけどね。
それでも今までに“本能寺の変”を扱った作品でこんな映画は無かったので、それだけでも大したものだと思いましたよ。
偶然ですがつい最近、『敵は本能寺にあり』('60)という作品を見たばかりなのですが、こちらは典型的な昔の歴史ドラマ(マスマーケティング)だったのですが、私には全く面白さは感じられず、今まで語り継がれてきた歴史上の内容をドラマ仕立てにしただけの作品でした。
とにかく昔の時代劇は様式に捕らわれ過ぎていてましたので、本作はその部分を崩すことでのギャップの面白さを狙った作品であったと思います。(まあ、その辺りは本人も語ってますが…)
本作の場合(真偽やリアルかどうかは別にして)軍隊の移動方法やら、合戦方法やら、男色の多さやら、歴史的人物像の解釈(下品さ)などは、今までの時代劇では殆ど描かれ無かった部分の面白さはあったように思いました。
だけど、ビートたけしが出ているシーンの大半がコント仕立てになっているのには少し鼻についたので、別の役者を起用した方が良かった様に思えます。
それと、今までの時代劇では当たり前であった時代劇語(私の造語)ではなく、現代風にしているのも(最近は多くなってきていますが)北野武が芸人だからでしょうね。
ただ残念なのは、物語の芯が無かったような気がします。元々は中村獅童(茂助)を主人公としての構想があったと誰かが書いていましたが、私はそちらの方が作品が締まっていたような気がします。
登場人物全員がほぼ均等に描かれていたので、歴史好きの人にとっては「この人は、そう描きますか」って、人物描写自体が面白かったかも知れませんが、私はドラマとしては物足りなさの方を強く感じてしまいました。
私も時代考証の多角的な描写の面白さは感じましたが、それはあくまでもドラマの背景であって、テーマの興味深さではありませんからね。
あの役者もこの役者もみんないい
大好きな北野監督作品今回も映画館で観てきました
恥ずかしながら戦国時代の知識に乏しいのでところどころで誰かに解説してほしいなと思った所もありましたがとても楽しめました。多分知識があればもっと楽しめたかもと思います
予告で唯一芝居が気になっていたキム兄が実は主役級に登場しているのが意外でしたが芝居がどうこうはあまり気にならなかったです
信長の方言は地元の人間でもよく聞き取れない箇所がありました、なんとなく北野武の人生観なんかを信長に言わせている感じもしたりしました
出てくる役者さん出てくる役者さんが素晴らしいの一言につきる
光秀のラストも思わずウルッときたり映画のラストも「らしいな」とニヤリとしちゃいました
北野監督のいろんな部分が詰め込まれた北野監督好きで解ってる人なら絶対オススメ
そうじゃない人は地味でつまらないと思うのかもしれない
そうそう事前情報で男同士の描写が結構キツいんだと覚悟していましたが個人的には別に大したことなかったですよ
なんでこのキャスティングなの?
ちょっと前に観たアナログで北野武の世界観が楽しかったので今作も期待高めで着席。
信長が本能寺で亡くなるまでがメインストーリー。て事は光秀が中心で展開するかと思ったら、主役は秀吉だったかな。
始まってすぐ、あれっ?て思ったのが、信長若い感じなのに、光秀、秀吉、家康など、他は高齢者ばかり。見た目が明らかに年上。それ変じゃね?
本能寺の変までの裏話なんだけど、同性愛?セクハラ?パワハラ?などなどいろんなエピソード満載で、ちょこちょこ笑わせてもらえます。
ただ、それ程楽しめなかったのは、登場人物の誰もがすぐ人殺しをやってしまうところ。戦だらけのところ。あまりにも命が軽い。スパッと首切りまみれ。この作品、何百人死んでんだ?
自分は日本史をそこそこ知っているので、登場人物がどんな奴で何をやるのか分かっていたので楽しめたかな。知らないと訳分かんない奴だらけじゃないかな。
ラストシーンのキックで拍手しました!
冒頭から首が飛びまくりで度肝を抜かれました(笑)
翔んで埼玉を観終わってすぐの鑑賞だったんで、またBLかい!?ってツッこんでしまいましたが(笑)
時代劇ですが、セリフはめちゃくちゃ現代なので非常に見やすいですし、アドリブ(っぽいだけかも?)もあったりで、楽しめました♪
キムキム兄やん、良い味出してて良かったです♪
北野監督のセリフ滑舌不明瞭問題、今回はある程度聞き取れました♪こっちが慣れたのか?(笑)
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