劇場公開日 2023年11月23日

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「戦場(せんじょう)は戦場(いくさば)だけじゃない」首 tmさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0戦場(せんじょう)は戦場(いくさば)だけじゃない

2024年1月13日
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すごくよかった。どちらかというと戦国の世の政治闘争の話がメインのフォーカス。裏切りに継ぐ裏切り、因果応報でみんな死ぬって話。

織田信長、方言ごりごりの信長像は自分には新鮮だった。破天荒さと残忍さは持っているが重厚感やカリスマ性は特になし。ドリフターズの信長に影響されすぎて賢い信長を求めているかも知れない。本能寺の変はもう少したっぷりやっくれてもよかったと思った。大河(利家とまつ:反町隆史)の「紫に、桔梗の旗印!」「光秀か、、」と人間五十年を舞うのが好きすぎて物足りなかった。

同性愛的な話はあんなにいるかな?と思ったけど、後半で村重がそのことにしか頭がなかった一方で、光秀が性愛も政治戦略の材料に使っていたのが強調されていたのがよい対比になっていた。

秀吉勢はコミカル満載で面白かった。絶対アドリブだろwってシーンも多くて楽しめた。浅野忠信笑いこらえてたし。黒田、前田、本田と有能なNo.2がとにかくカッコよかった。あの辺の名優と比べると北野武はやっぱセリフが滑らかじゃなかったかな。

個人的にはキム兄と、荒川良々がいい役所で活躍していて嬉しかった。

アクションはカッコよくと言うよりは泥臭く、迫力を出して、という感じで、キングダムとかに毒された者にとっては局所的にごちゃごちゃやってる、という印象を受けてしまった。

落ちがあっさりしててもう少しなんかしてほしかったけど、武人であることにこだわって、それゆえに信長の首こだわった光秀、秀吉に憧れてこちらも首にこだわった茂介、そして百姓の生まれであることを気にし続け最後は首なんかにこだわらないと喝破した秀吉が対比されていてくっきりした落ちだなと思った。

tm