「善悪・聖俗のダイナミクスや重層的な描写が欲しかった」首 marcomKさんの映画レビュー(感想・評価)
善悪・聖俗のダイナミクスや重層的な描写が欲しかった
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タケシ節全開の時代劇。ストーリーは本能寺の変前後の話で、加瀬亮の信長がとにかく強烈なキャラでびっくり。草食系でおとなしめの役が多いイメージだったけど、こんな狂気を演じられるとは。コテコテの尾張弁が強烈。
昨年一年間、平和主義お花畑の大河ドラマに辟易していた身には、一服の清涼剤を通り越して、エログロに振り切ったお下品さが劇薬中和剤として機能。子供には見せられないけど戦国時代の何でもありの仁義無き世界、男色、権謀術数の手段としての茶道、怪しい宗教などなど、中世末期の混沌が乾いた笑いを生み出す。
百姓出身の秀吉=タケシが、俺は百姓出身だから男の契りはよくわからんと言いながら、実利重視で生き抜き、最後には首なんてどうでもいいんだと蹴っ飛ばすのがタイトルをも突き放していて痛快。確かサッカーの起源もこんな感じだったような...
エンタメ映画として笑え、合戦シーンも頑張っているのだけど、善悪・聖俗のダイナミクスや重層的な描写をもう少し加えて欲しかった感あり。
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