劇場公開日 2023年11月23日

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「それを蹴飛ばして見せるほどの価値も描けなかった」首 歴史映画好きさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0それを蹴飛ばして見せるほどの価値も描けなかった

2024年1月9日
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荒木村重、明智光秀、織田信長の男色。彼ら愛憎によって至る本能寺への道。
のように見えてそうではない。

正直に言って歴史について知識や愛情を持たない人が浅い印象論に基づいて話を作ったようだ。

滑稽なほどの迫真を描くのが当世風の時代劇としても、決してその塩梅が良いとは言えない。

武士の愛憎をパワハラじみた男色で描いて見せようとした面があったのかもしれないが、
どうにもステレオタイプを浅く弄る域を超えない。
登場する諸大名はみな凄みに欠け、観る者を引きつけるような怪演にも至っていない。

最後まで見れば察するような作りである。秀吉と弥助の台詞だ。
しかしまあなんというか、重みや深みを感じない。
戦国時代末、武士の倫理と社会の原理。そういったものを一蹴できるほど訴えかけるものがこの作品にどれほどあったろうか。
ただ否定するために否定しやすく描いたに過ぎない、と感じる人が多数だろう。

これは短編にすべき内容を、無理に長編にした結果ツギハギのような作りになっている。

総評して児戯である。
一番驚いたのはこれが有名監督の作品であったことだ。

歴史映画好き