「 監督は北野武。ギャグはあまり面白いと思ったことはないですが(失礼...」首 hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)
監督は北野武。ギャグはあまり面白いと思ったことはないですが(失礼...
クリックして本文を読む
監督は北野武。ギャグはあまり面白いと思ったことはないですが(失礼)、かつて某出版社を襲撃して更迭されたのちにキレッキレの論客振りを示し復活した過去を知る私には、お笑い芸人よりもっと根っこに存在する奇才”キタノタケシ”がいる。その人の元にリソースが集まり、TVドラマでは絶対に表現できない男色をキーワードにした映画ができた。それは且つてドラマや偉人本で描かれる英雄像のアンチテーゼであり、汚くて、狡猾で、残忍な戦国武将たちが、明日には殺される、もしくは死ねと命ぜられるかもしれない狂気の中で、誰かを信じるということは友情では足りず、体を重ね、愛を確かめ合うより術がなかった世界。ゆえにそれさえ裏切られた激しい嫉妬心は男女間の比ではなく、やがて本能寺の変に繋がったという新・解釈に道理が通ります。
一方で後半、豊臣秀吉と重臣二人のやり取りがどうにもビートたけしのよくある番組(ヒロミと所ジョージでタケシを囲んでいる感)に見えてしまい、だらけて遊んでしまった感。最後まで北野武で行けばよかったのに、つくづくこの人はこういうのが好きなんだなと。個人的にはここがマイナスでした。
コメントする