「生首情痴戦国絵巻」首 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
生首情痴戦国絵巻
キャスティング(采配)が映画版たけし軍団の相関勢力図に見える妙。
監督は明智光秀役の西島秀俊がものすごく嫌いなのか若しくはものすごく好きに見えた。当初、明智役は渡辺謙にオファーしたが、断られたとのこと。ハリウッド俳優にこの役はキツイねぇ。たけし君にマウント取られたくないよね。荒木村重というミステリアスな武将に対する想像を膨らませた作品。エンケンに演らせるなんてエグッ。監督という親方様は秀吉役をやりながら、加瀬亮に親方様役をやらせて、二重人格的情痴支配を企てているように映った。
加瀬亮、遠藤憲一(エンケン)、木村祐一、荒川良々はこの作品での見せ場が多くお得だった。
エンケンと西島秀俊のラブシーン、いやだよ~ やめて~ 内野聖陽との「きのう何食べた」も見てないも~ん。
しかし、渡辺謙と遠藤憲一が絡むのを想像すると、エンケンのプレッシャーは想像するに余りある。洒落にならない気がする。
一方、中村獅童、西島秀俊、浅野忠信らは損した感じ。寛一郎は微妙で、親子三代俳優のサラブレッドを人質に取ったような図式。
10年前だったら、加瀬亮と中村獅童の役は逆たったと思うのである。
小林薫の家康役はおかしかった。ナイスキャスティング。大森南朋も弟役ながらつねにコミカルで共犯的スタンス。どうする家康でも出てたし。
もしかして、たけし説本当かも。
というより、たけし君はハリウッド俳優の首を取りにいったのかも。
浅野忠信は黒田官兵衛役だからあんまり問題ない。
日本刀で首をスパッと落とすのは無理なんだけどね。盗賊と化した農民の竹槍の威力の描き方にもたけし監督のアウトロー的、義賊的な顔が出ていてスカッとした。
北野武は今村昌平を越えた?
柴田理恵💞