劇場公開日 2023年11月23日

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「サディスティックなコメディ」首 HAL2005さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0サディスティックなコメディ

2023年11月25日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

 戦国好きな僕は当然戦国武将のほとんどがゲイだということは知っていた。あの有名な蘭丸が信長の愛人だということも、武田信玄が少年に愛しているという手紙を送ったことも、宣教師が坊主同士の恋愛に拒否反応を示して寺から追い出されたことも元々知っていた。それが、とうとう映像化されたことは、戦国好きとして、なんだか爽快だった。
 各々が現代では巧みに隠している汚い部分まで、出し尽くさないと生き延びられない凄い世の中はこの映画では“笑い"に昇華されてた。何度も声に出して笑ってしまうくらい色々酷かった。
 映画館で観た映画の中で一番笑った映画かもしれない。
 戦記物としてみれば正直期待してたほどではなかった。映像は普通だった。黒澤明がいかに優れた映像作家か理解できた。映像に関しては黒澤に対して勝ち目は全くない。でも、それでも凄く笑えたから良かった。そもそも、自分で傍流と言ってる人なのでなんか納得した。それにしても、こんなにサディスティックなコメディ映画は観たことがない。凄いファニーだった。命が軽すぎる。
 初めて観た北野武の映画だが、正直期待してたほどではなかったので、他の作品を観てみる。
 唯、OPの黒澤映画的な演出は最高にカッコよかった。間違いなくあそこは黒澤を超えてる。

HAL2005