「命の軽さ、安さを伝える映画」首 ジュンヤさんの映画レビュー(感想・評価)
命の軽さ、安さを伝える映画
実際はこうだったのだろうか・・・と思いながら鑑賞しました。
自分の命以外はゴミ同然で、出世のためなら味方はもちろん、身内にも手をかける。
そんな世界は悲惨ではあるが、当の本人達は能天気で笑いながら邪魔者の首を落とし、外から見たその様子は喜劇のようにも見える。
信長はサイコパスそのものだが、隠すか隠さないかの違いだけで、他の人物も内面では他人の命はどうでもいいと思っている。
温健に見える家康もただ臆病なだけで、自分を守るために影武者をいくらでも犠牲にする。
唯一まともそうに見える光秀も、自分の欲を「天下のため」と言い換えて、必要とあらば愛人でも斬る。
たけし監督がインタビューで言っていた「近頃の大河ドラマなんかじゃ戦国大名を英雄みたいに扱っているが、実際は戦国大名なんてロクなもんじゃないですから。」の言葉通り、従来と違う視点の戦国時代が見れて、価値のある作品だと思います。
終始、首!首!と言いながら、最後に「本人が死んだかどうかがわかれば、首なんてどうでもいいだよ!」って蹴り飛ばすのは笑いました。
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