劇場公開日 2023年11月23日

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「ここまでハマると驚嘆しますね」首 TTJDKさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ここまでハマると驚嘆しますね

2023年11月24日
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北野武映画大体観たが、何か物足りなさを時々感じていたが、その謎が解けた気がする。それは、戦国時代のような容赦のない時代観なのだと思う。人物描写に復讐や、成り上がり、現代人には到底理解できない無茶苦茶な心理この混沌とした感情、人の命が軽い時代、それこそ北野武映画に必要だったのだ、戦国時代はどういうものか、それは実感がないためわからない、しかしここに真実があるのではと思える迫真さが胸を打つ。織田信長が狂い、明智光秀が策士で、羽柴秀吉が策略を練る、徳川家康は狸、そういう一つ一つが嘘だと思いながら本物に感じる。
今までの北野映画にはない輝きがある、現代人がやると過激過ぎて、嘘すぎて滑稽に見える物を戦国時代に置き換えた時、進化をするのだと思った。歴史映画と呼べるほど高尚では無いあくまで娯楽映画ではあるが、ただ笑うだけでは勿体無い力を感じた。昔の武映画は大体が傑作だ、キッズリターンしかり、ソナチネしかり、諸々のそこで受けた衝撃に決して負けはしない、観た後の心地よさはそれ以上かもしれない。
それにしても出てる俳優は皆力のある凄い役者ばかりなので、その力は大きいかな。
後予告とか、番宣で重要なシーンかなり使ってると改めて思う、観なきゃわからないけど予告とかで良いシーンやりすぎだね、ここが現代の映画の嫌なところだ、なんの予備知識無しで観たいと今更ながらわがままを思いながら、この心地よさに浸ろうと思う。

TTJDK