劇場公開日 2023年11月23日

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「深みのなく浅い出来、ヒリヒリ感がない」首 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

0.5深みのなく浅い出来、ヒリヒリ感がない

2023年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

北野武作品でかつ戦国時代ということで、バイオレンスものはエグいだろうと予測していたが、グロテスクで残忍なシーンはストレートすぎて、そういったものが苦手なひとは観ない方がいい作品。
北野作品、純愛ものとバイオレンスものがあるし、出来不出来が極端に振れると思っているのですが、この作品は外れた方と思っている。笑いの方にも振れておらず、そういったシーンもあるがそれほど笑えるものではなかった。
北野作品のバイオレンス版ではしっとりするようなドラマはまったく期待できなくて、そういったものをぶった切るようなもの、蹴とばしてしまうものがあって、それはときに吹っ切るようなカタルシスが生まれるときがあるが、この作品はあまりに残忍なシーンでそれよりも気分の悪さが先だってしまう。後味の悪さが残る作品。単に風雲たけし城の映画版かつグロテスク版なのかと思いたくなるような浅い出来。
俳優スタッフが北野武ブランドに乗って出演しているが、もったいない使い方。北野監督も芸能界の地位にどうしても安心しきっているような感じがあって、作品自体にヒリヒリするような斬新さがなくなっている。

菜野 灯