「首が軽い」首 アガサさんの映画レビュー(感想・評価)
首が軽い
戦国時代なので、とにかく首、つまり命が軽い。
首が簡単に飛ぶのはその軽さを表しているのかなと思いました。
北野武さんは、映画では人の命を虫ケラのように扱いますから、それは健在です。
ただ、面白かったかと言われると…。
むやみに星を下げたくないので星はつけますが、全体的には単に残酷度が高い時代劇って感じです。
しかしながら、残酷描写ならば、園子温や三池崇史には及ばない。
アウトレイジでは、歯医者のシーンとか、あんなに痛みの描写にこだわってたのに。ここでは饅頭のシーンぐらい?
秀吉、家康は生き残ると言うのは史実なのですが、にしても信長や光秀の命まで実に軽い。信長は騒ぐだけ騒いで、あっけなく消えていきます。
本能寺の変はいつの間にか始まり、数分で終わります。
「どうせお前死ぬけどな」
「とっとと死ねよ!」
のセリフは予告で大袈裟に取り上げられてましたが、重要でないシーンでさらっと言ってるので、別にキーとはなってません。光秀に言ってたら、非情で面白かったのに。
笑えると言ってる人いますけど、どこが笑いどころなんでしょうか?私は一度も笑えなかった…
「あちっ!」のシーン?醜女のくノ一のシーン?草履のシーン?川を渡る時に神輿に乗せられるシーンがダチョウクラブっぽいとこ?切腹の下り?
男色が話題ですが、具体的なシーンはそんなしょっちゅう出てきません。男同士の裸が絡むのは2回。
遠藤さんが、光秀に「いつからなんだ?」は、浮気を問い詰める女性みたいで、ちょっと面白かった。
桐谷さんの服部半蔵はかっこよすぎでした。織田信長が陽の演技とすれば、こちらは陰。あと小林薫さんは格が違いましたね。ほんとに狸の家康。
大掛かりではありますが、まああらためて見直すほどではないし、派手な宣伝をして、動員を稼いでペイしようという感じですかね。
色々マイナス意見書きましたが、
ただし、Netflix単独での公開だったら印象変わったかも。