「【”自分が一番可哀想だと思ってんじゃねーよ!”今作は序盤はほのぼのラヴコメかと思いきや、心に深い傷を負った男女を優しき視点で追った恋物語であった。前田弘二監督って、絶対に心優しき人だと思うな!】」こいびとのみつけかた NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”自分が一番可哀想だと思ってんじゃねーよ!”今作は序盤はほのぼのラヴコメかと思いきや、心に深い傷を負った男女を優しき視点で追った恋物語であった。前田弘二監督って、絶対に心優しき人だと思うな!】
■コンビニで働くアゲオソノコ(芋生悠タ)に片思いをしていたトワ(倉悠貴)は、毎日植木屋で働きながら、彼女を想う日々。
ある日、トワは彼女を誘う方法を思いつき、道に落ちていた銀杏の葉っぱで彼女を誘導するのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・前半は、初期、前田弘二監督らしい感じで、ほのぼのクスクスと物語は進む。トワが銀杏の葉で導いたアゲオソノコは、直ぐに彼と親しくなる。
・可笑しいのは、トワと植木屋のオオサワさん(川瀬陽太)とワキサカ(奥野瑛太)がアゲオソノコの友人と、コンパをするシーンである。
トワとアゲオソノコは二人で仲良く一つのテーブル。オオサワさんとワキサカの前には、ナントムッチャ美人のミサキ(高田里穂)とユイ(松井愛莉)が座るシーン。オオサワさんとワキサカの、ドギマギした顔の可笑しさよ。
・又、トワが”僕んち、直ぐだから来ない?”と言って“ウン”と言ってアゲオソノコが付いて行ったら、ナント、ブルーシートの家!クスクス、可笑しい。けれども、もっと可笑しいのはアゲオソノコが、フツーの顔でその家に座っている姿である。
・けれども、物語が進むと、トワが何故に初めての人の前で、週刊誌の経済ネタをペラペラと喋る理由である、両親とごみ屋敷に住んでいたために、しょっちゅう、雑誌の下敷きになっていたの哀しき過去が語られる。
一方、アゲオソノコも実は夫(成田凌)が居て、別居していたのは彼女が子供を死産していた事が分かるのである。
ミサキがトワに言い放った”自分が一番可哀想だと思ってんじゃねーよ!”という啖呵にハッとするトワ。
つまりは、二人は心に哀しみを抱えた似た者同士で会って、故に惹かれ合った事が分かるのである。
■今作が、ほのぼのとしながらも、何だか素敵なのは、ちょっと変わっていても二人を受け入れる床屋さん(宇野祥平)達、仲間の姿ではないかな。
登場人物が、偏見亡き人達ばかりで、心優しくて、とても良いのであるよ。
<今作は序盤はほのぼのラヴコメかと思いきや、心に深い傷を負った男女を優しき視点で追った恋物語であった。そして、前田弘二監督って、絶対に心優しき人だと思った作品でもある。
何となく、上映館がムッチャ少なかった理由も分かる気がするが(で、鑑賞出来ず。)好きな作品だな。>