「疑問が残る」こいびとのみつけかた Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
疑問が残る
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前半は「天才の技を見た」という感じで面白いの。よくこんなキャラクター設定とストーリーと台詞を思いつくなっていう。
そのまま押し切ったら「すげえ映画だな」で終わったと思ったんだけど、誕生パーティーの歌のプレゼントあたりで「少し二人にズレが出た?」ってなって、展開もそれに合わせるわけじゃないけど現実におりてくるんだよね。
それで一悶着あって、最後は男女の友情があってもいいじゃないみたいになるの。
男女が仲良くなったら恋愛関係にならなきゃいけないとか、肉体関係もたなきゃいけないとかおかしくて、そこから自由でいいじゃないかって感じなの。
それはそうなんだが。
この作品全体を通じて、この二人の関係が許されているのは、二人が肉体関係をもってないからなんだよね。
だから、自由な二人で許されてる。
でも、自由な人間が、男女で、仲良くなったとき、セックスするのとしないのと、どっちが自然なの?っていうと、セックスする方が自然で自由だと思うんだけど。
そこを忌避する制作側が、ぜんぜん自由じゃないんじゃないの?という疑問が残りました。
ここの甘さに関連すると思うんだけど、成田凌の家に行ったシーンと昼飯食いながら芋生悠の友達がキレるシーンがヌルいんだよね。その辺にいる普通の人達の反応になってる。「ここは描ききれんかったかあ」と思いながら観たの。演出を役者に投げたんじゃないかっていうぐらい。
でも全体通じて技のキレはすごいし、何かを描きたかったんだという想いは伝わってくるし、良い映画だと思ったよ。
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