シェアの法則のレビュー・感想・評価
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久しぶりに映画を観て泣きました
お盆休みの始まりに集まった家族で映画鑑賞。近くに最近できた映画館で、小野武彦さんの初主演映画があるというので観に行った。小野さん演じる主人公が最初はどうなるのかと思っていたら、あれよあれよと引き込まれ、エンディングにむけて感動の嵐。
シェアハウス内の物語かとおもいきや、家族の物語でもあり、我が家の事もいろいろ考える機会を与えてくれた素敵な作品でした。
他の俳優もみなさん素晴らしかったので、それも満足度アップ。観られてよかったです。
怪しかった予感的中
色々なテーマを入れてるこの作品。
映画的な面白さはあまりなかったです。TVドラマ的でしたね。
舞台の映画化は大体いつも面白く見れるのですが今回は残念でした。
気になったところですが
国籍うんぬんのテーマのところは中国人でしているのですがあのワン・チンみたいな人を受け入れる世の中にして行きましょうというメッセージならとんだプロパガンダです。あまりにも他国で生活するのを甘く見過ぎです。
このプロットのせいで併せてわざわざLGBTも入れてるところも鬱陶しく感じます。
というか他のキャラたちもそういう風に見えてきてしまいます。
スリーアミーゴス小野武彦さん目当てで見ましたがこの作品に出てる方々は全員あちら側なのかな...
良くも悪くも演劇の映画化したって感じが拭えない
【"人は誰でも違う色を持っている。そして思いやり。”頑固で古風な思想の男が、妻や妻が営むシェアハウスの心に痛みを抱える人々や、意に添わぬ息子と接する中で徐々に寛容な男になる様を描いた作品である。】
ー 今作は、現代社会が直面している外国人労働者搾取、同性婚、悪徳金融による強引な取り立て、東北大震災後の生き残った方の精神的ケア、親が子に進路を強要する問題、熟年離婚を扱いつつ、それをコミカル要素を絡ませて描いたヒューマンドラマである。-
■春山夫妻は、妻、喜代子(宮崎美子)の希望もあり、一軒家の自宅をシェアハウスにして安い家賃で住まわせている。だが、ある日喜代子が事故に遭い腰の骨を折って入院する。それまでシェアハウスに反対し、税理士事務所で暮らしていた夫、秀夫(小野武彦)が渋々シェアハウスの面倒を見る事になるが、彼がシェアハウスの面々に最初に言った言葉は、”家賃が安すぎる。2万円家賃を上げる!”と言う言葉だった。
・最初は、不寛容な秀夫の言動に苛つきつつも、シェアハウスの住民たちが抱える心の痛みが明らかになる様に、魅入られる。
<シェアハウスの住人>
1.美穂(貫地谷しほり):自称22歳だが、徐々に25歳になり、最後は35歳になるキャバクラ嬢。実は夫と別れた時に闇金に手を出し、20歳の時に産んだ息子を施設に預けている。
2.中国から出稼ぎに来ていたワン・チン(小山萌子)。明るい生活だがブローカーに騙され、劣悪な環境の会社で働いていたが今はラブホテルの清掃員をしている。故に不法滞在者でもある。中国に息子を残してきている。
3.慶応の医学部に所属していながら、父の医院を継ぐのが嫌で作家になり、序でに引きこもりになった40代の男。小池和夫(大塚ヒロタ)
小池和夫を逆から読むと、”オズカケイコ”である。
4.松岡加奈子(岩瀬顕子)外資系勤務で週に半分はリモート勤務。正論をビシッと言う女性だが、東北大震災で恋人を失い空虚な日々を送っていた際に、”オズカケイコ”の小説を読み、生きる気力を取り戻している。
5.玉田幸平(岩本晟夢)
小池と同じく、大企業に勤めながら震災の地で慰問で行った劇が喜ばれ、親に内緒で大企業を辞め、劇団員になっている。
<春山夫妻と関係する人々>
1.春山隆志(朝香航大)
同性のパートナーとイタリア料理店を開いている。だが、父は税理士になる事を希望しており、反りが合わない。そして、父に同性のパートナーがいる事を言えないでいる。
2.喜代子の友人の気の良い隣人、富子(鷲尾真知子)
色々と春山夫婦や、シェアハウスの住民たちを気遣っている優しい女性。
◆感想<沁みたシーンや印象的なシーン>
・美穂が昼は工場、夜はキャバクラで働いていた理由。秀夫は”男に貢いでいるんだろ。”等と言っていたが、彼女の実情を知り取り立てに来た男に、一人毅然と対応するシーン。
ー 秀夫、漢気があるじゃない。-
・ワン・チンが腹痛に倒れた際に、救急車を呼ぶことは止めてくれ、という中、秀夫が医学部に居た小池和夫に触診させ、”死んだら息子に会えないじゃないか!”と言って救急車を呼ぶシーン。
ー 秀夫、正しい判断じゃないか!-
・小池和夫と、松岡加奈子の関係性。
ー 最初は、加奈子のプリンを和夫が勝手に食べていた事で揉めたりしていたが(子供か!)加奈子が愛読していた本の作者が小池和夫と分かるシーン。シェアハウスの住人達の言葉。”あの二人もしかして・・。”-
・隆のイタリア料理店が、SNSで誹謗中傷を受け客が入らなくなった時に、隆は、秀夫にお金を貸してくれと頼むも、”自分のケツは自分で拭け”と冷たく突き放す秀夫の姿。
ー だが、隆は秀夫に”冷たい人だな、だから母さんにも・・。”と告げる。秀夫がその前に喜代子の病室で見つけていた白紙の離婚届。この離婚届けの映画での使い方も面白い。ー
・秀夫が、喜代子の病室を訪れた時に居た若いイケメンの男と会った時の喜代子の態度。
ー 隆は喜代子には同性のパートナーがいる事を話していたんだね。-
■だが、ある日、喜代子は突然逝去してしまう。腰を骨折した時に頭も打っていたのだがしっかりと検査しなかったためである。
シェアハウスの住人たちや隆とそのパートナー、富子は葬儀に参列する。
そして、皆で喜代子を偲ぶ会を開いた時に、富子が秀夫にキツク言った言葉。”仲直りしなさい。”
更に、喜代子が書いた賞を取ったシェアハウスの住民をモデルに書いた脚本を秀夫は読まされるのである。
そこには、喜代子が如何にシェアハウスの住人達を温かい目で見ていたかが分かる文章が綴られていた。
■沁みたシーン幾つか
1.喜代子の所に届いていたある手紙。それは秀夫と喜代子が新婚旅行で行った旅館からのモノであった。そして、綴られていた言葉。”ご主人のお誕生日には、精いっぱいおもてなしをさせていただきます。お越しになる日をお待ちしています、”喜代子は、秀夫と離婚するなどとは考えていなかったのだ。
2.秀夫が隆の店を訪れるシーン。隆のパートナーは、秀夫を店の中に誘い、イタリアンオムレツを勧めるのである。秀夫は美味しそうにそれを食する。客足も隆たちが頑張って、戻って来ている。
隆が、秀夫の誕生日に”これ、プレゼント”と言ってモノを渡し、”店に来てくれて有難う。”と言う。秀夫は隆が帰る際に”今度は、彼も連れて来なさい。”と告げるシーン。
ー 秀夫は、隆の頑張りやパートナーの人柄を認めた事が分かるシーンである。-
<今作は、一人の旧弊的な考えを持っていた男が、シェアハウスに住む心に痛みを持った人々と接する中で、寛容で優しい心を取り戻して行く姿を時にユーモラスに、時に切なく描いたヒューマンドラマなのである。>
共存する・共有するということ
古典的な「日本のお父さん」がライフスタイルや人生設計の基準が異なる人々に関わることで、価値観をアップデートする物語。
秀夫は妻・喜代子に対し、習い事を止めさせたり目と鼻の先の事務所に昼食の調味料を運ばせたり、自分の指示した進路に進まなかった息子・隆志に対し冷淡な態度で接したりと、モラハラ・ロジハラ気味の人物として描かれている。
対して、訳ありの住人達を率先してシェアハウスに迎え入れる喜代子は聖人のように語られる。しかし当方には、家族の財産である自宅で家族に黙って法的にアウトな行為を黙認したり、秀夫の得意先に紹介した人物の勤務態度が破綻しているのを放置していたり、彼女もなかなかの人物に見えた。
隆志の件も、秀夫との親子との溝があるのは察するが、そう青い年齢でもなく家族を持ちたいライフプランを描いているくらいには成熟しているのに、自分の事業に対して「でもでもだって」を繰り返すのがピンと来なかった。
どこか大人として社会人としての責任が欠けた描写がある人々に対し、厳然と接する秀夫はそんなに悪い人物だろうか。
秀夫の態度は後々登場人物からキツく責められもするのだが、その場面では彼が一方的に責められるばかりで味方は現れない。士業を営む秀夫は安定した仕事をしており、シェアハウスの住人や家族からすれば上から目線の物言いばかりに見えるのかもしれないが、彼の顧客は地元の事業所が中心であり、バブルを経て延々と続く不景気やリーマンショック等をサバイバルしてきた秀夫にも苦労があったはずで、「自分のケツは自分で拭け」と言うのもただの拒絶には思えなかった。手が後ろに回ってからはケツも拭けないし、ごめんなさいでは済まないこともある。
本作が描きたいであろう「多様性の容認」や「寛容さ」に対し、どうも秀夫の扱いがその逆を行っているような印象だった。シェアハウスという大勢が密に暮らす環境を舞台にしたのも、多様性をただ並べるだけではなく、その一歩先の共存までを描きたいのだろう。コミュニティ内の少数派や既存のマジョリティを敵として大きな声で責めて反省を促すのではなく、自分と異なる価値観や願望をどう相手と擦り合わせるか、自分と相手の考えや希望をどう情報として共有するか、どう共存する方向を見つけていくか、その成長を丁寧に描いて欲しかった。
もとは舞台劇だというから、舞台のライブ感やオリジナルの尺で見ればこの筆致にもカタルシスはあるのかもしれない。また、人がフレームに入ってきて話をしてまたフレームの外に去っていく、というシーン構成が多く、舞台の場面づくりのままなのではないかと気になった。
人物描写や内面の遷移の描き方、テーマの掘り下げ方には疑問が残るが、その難物達を不快に見せない佇まいは配役の巧さが光っていた。厳しい物言いが威圧的になり過ぎない小野武彦さん、愛嬌あふれる表情で家族やシェアハウスの面々を見守る宮崎美子さん、独特の距離感と繊細さを存在感をもって表現する大塚ヒロタさんが良かった。
大切なことを気付かせてくれる温かい映画
価値観が変わりゆく今の時代にピッタリのストーリーです。
個性溢れるシェアハウスの住人と古い価値観をもつ頑固な大屋さんのやり取りがリアルで、まるで隣町にシェアハウスが在るかのような気分になるくらい、とても入り込めました。
様々な喜怒哀楽が盛り込まれているのに、終始愛に溢れていて、大切なことを気付かせてくれる素敵な映画です。
この作品に出会えてラッキーでした🌝
たまたま時間が空いて観に行ったのですが、観ることができてほんとにラッキーでした。今起こっているさまざまな問題をとりいれながら、重くなく、考えさせられ過ぎることもなく、自然に共感できて、自然に感動の涙が溢れる作品でした。様々な問題を抱える登場人物に共感しながら、穏やかで暖かい空間を味わうことができる映画だと思います。
天空からの鳥目線が気持ちいい
"ありがとう”でした
笑顔と涙も交じる微笑ましい映画
シェアとダイバーシティを自然に伝えてくれる映画です。
思い遣りの花
奇を衒わない暖かさが心地よかった。
主役の秀夫は、喜代子に礼も言わなかったり息子にキツく当たったりと、冷たく見えるところもある。
しかしそれもあくまで習慣や常識、固定観念にとらわれてのことで悪気がないのが分かる。
むしろ人情や茶目っ気、誠実さもあり、そんな所謂“昭和の人”を小野武彦が好演しています。
住人の掘り下げは深いとは言えないが、尺と全体のバランスとしては非常によかったと思う。
ほとんどがシェアハウス内で展開されるのに飽きないのは、元が舞台劇だからか。
貫地谷しほり演じる美穂の、年齢2段落ちは笑った。
隠し子や不法滞在などに対しても、厳しくはあっても冷たい人、悪い人がいないのも気持ちいい。
加奈子役の岩瀬顕子さんが、脚本や主題歌の作詞も担当していたと知り、余計に舞台挨拶の中止が残念でした。
秀夫がクルージングを考えていたように、喜代子も温泉旅館を考えていた。
ベタだが、お互いの愛情を感じて涙腺が緩む。
正直、台詞で説明しすぎだし演技も舞台っぽくオーバーな部分が多かったとは思う。
また息子さんだけは最後まで好きになれなかった。
それでも全体を包む雰囲気だけでも満足感は高い。
大人のドラマなのもあり、成長や極端な変化ではなく、触れ合いによる融解が描かれていたのも好感触。
清掃業者の彼がハマったのは、熟女ではなくドMの沼だと思う。
人情と事情
自然と心温まる映画
笑いあり涙ありの物語。
バラバラな生き方をしているシェアハウスに住む人物たち。それぞれに暗い事情がありながらも、明るさがあるのは管理人さんの春山喜代子(宮崎美子さん)の存在が大きい。
コミカルに描かれているシーンもあり、つい笑ってしまうところもあった。
そんなシェアハウスの管理を急遽任された主演小野武彦さん演じる春山秀夫の、変化していく表情や心の動きにいつのまにか感動していました。
核家族化が当たり前となり、触れ合いのない冷たい生活に慣れたと思い込んでいたけど、「シェアの法則」に出てくる登場人物たちに「温かさは必要である」と感じさせてもらった。
日曜日の朝に観に行ったのですが、清々しい日曜日となりました。おすすめです。
全34件中、1~20件目を表示