ミッシングのレビュー・感想・評価
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石原さとみさんが日本アカデミー賞を狙える熱演!
期待度低めでしたが、良い意味で予想を裏切る映画でした。
6歳の娘が行方不明になった母親の喪失感や無力感、ゾッとするような狂気を石原さとみさんが熱演と言うか怪演。日本アカデミー賞ノミネートは確実でしょう。
ノンフィクションかと思えるような実際にありそうな筋立ての中に、母親と父親の温度感の違い、主人公の弟(森優作)が犯人かと匂わせるミステリー要素、テレビ報道の葛藤、被害者に対するSNSの誹謗中傷なども織り交ぜ、2時間ダレることなくエンドロールまで引き込まれました。
見る前はテレビで見てもいい作品かなと思っていたけど、スクリーンで見て良かったです。
ずっしり重いテーマで救いもあまり無いため、デートには不向きに思えるけど、お互いの感想から相手の価値観や倫理観が垣間見えると思うので、リトマス試験紙には良いかも(笑)。ただ、ケンカしてパートナーをミッシングしても知りませんよ。
この手の映画に星5個つけるは初めてで、特に石原さとみさんのファンでは無いけど、このモチーフで推理物や猟奇物の味付けをせずに、終幕まで気持ちを持っていかれたので、文句なしの満点です。
なお、涙腺ゆるい方はハンカチをお忘れなく。
その『事実』が面白いんだよ
かなり堪える作品だった。
主役の夫婦がすごくリアルで、石原さとみの憔悴ぶりが心に刺さる。
綺麗に可愛く撮られようなんて微塵も感じない。
ただ、自分は完全に旦那さん側の人間なので、彼の気持ちの方が痛いほど理解できてしまう。
必死で探したいが故の冷静さでもあるのに、冷たいと思われ、取り乱せない自分に心がないように感じる。
八つ当たりを自覚して互いに謝ったり、2年後には絆が強くなってたのは救い。
ただ、逞しくなった様子は慣れも感じ、哀しくもあった。
沙織里は身近な人ほど感情的で当たりが強くなってたが、そういう意味では砂田は寄り添えてたんだと思う。
少しの怒りと諦め、そして大半を冷静さで覆われ発せられたタイトルにした台詞がとても重い。
痛ましい事件でも、やはりどこか他人事で、エンタメとして消費してしまっている部分がある。
興味を惹かなければ報道を続けることすら出来ない。
誤解なく事実を届けたい想いと、数字を取らなくてはならない現実。
沙織里と砂田が揉めてる後ろでカメラマンがチラシを丸めて撮ってたり、誕生日を前倒したり。
インタビューのシーンを見て叩けるヤツは信じ難いが、カメラが入ってる時点で視聴者は演出を感じてしまう。
弟やその先輩、旦那の上司など、ちょい役に至るまでそれぞれの苦悩がよく描かれている。
沙織里の後輩や印刷所のおっちゃんなど、終盤に人情を感じるシーンが多い。
何故はじめからこうでないのかとも思うが、沙織里目線で受け取りきれてなかったということだろうか。
ママ友がBlancのTシャツを着てたのはやり過ぎと感じるが、娘が見つからないこと含めてとても真摯な作品。
気分は重いが、観てよかった。
涙活したい方向け
ありきたりなストーリーで展開が読めてしまい退屈でした。それでも楽しめる作品もあるけど、こーゆーの泣けるでしょ?みたいなあからさまな脚本や演出にうんざり。
涙活したい人にはピッタリだと思います!
石原さとみ新たな役に挑戦!的なやつのために映画を利用しないでくれ…って気持ちになり冷めてしまった…
役作りとか頑張ったんだろーなーとは思うけど…
結局いつものオーバーリアクション。
ちゃんと演じられる人が演じればもう少し違う印象だったかも…
中村倫也もなんか胡散臭くて好きじゃない…(好みの問題です。すみません)
夫の職場から寄付金頂いたりボランティアさん募って捜索活動してるのに、外車やブランドバック(一瞬映った気が…)を持ってる事に違和感。
劇中でも「娘失踪してるのに贅沢してる〜」みたいなSNSの誹謗中傷シーンあったけど。
辛いです…
話題の映画でしたので、冒頭のシーンで「この子がいなくなるのか…」と思うと、娘がいる母としては、もう涙が出てしまいました。
でも居なくなるシーンなどは全く描かれることなく、ビラ配りをしてる場面になり、
あ~そうなんだと、驚きはありました。
石原さとみさんの演技は、確かに他の作品とは違います。
特に、見つかったと思い警察へ行った時のあの場面は胸が引き裂かれる思いでした。
ひどいですよね。
また、私は夫の青木宗孝さんが涙を流すところは一緒に泣いていました。
親子連れを見た時の、あのこらえての涙。
最後の抑えることなく泣くシーン。
もう…ほんと辛いです。
弟も、辛い。
もう少し、自分のことを上手に語れる人だったら楽に生きられるのに…。
吉田監督の作品は「神は見返りを求める」を見たことがあるのですが、
テレビ局の出世した後輩(山本直寛さん)と田母神の同僚・梅川(若葉竜也さん)は
同じ匂いを感じました。
ちょっと嫌な奴に描かれて、あ~いるなこういう人って思わせます。
映画として明るい結果などは全く描いていません。
それに、実際このようになってしまった親御さんに対しては、辛いことは間違いないのですが、時には笑って欲しい、美味しいものを食べて美味しいと喜んで欲しい、そんな風に思いました。
イヤ~でも、やっぱり辛い…それしかないです。
それでも日々は流れ時間は止まらない。
一途の希望が遺されているからある延々と続く地獄。
いっそ最悪の結末でもあれば終わるのに、それでも実際は追わらないだろうけれども・・・。
それだけになおさら残酷で、実際の事件、有名な事件だけでなく、似たような事件はいくつもあるだろう。
四六時中、常に娘を探してしまう。
いるはずのない場所でも声に姿に反応してしまう。
細かい描写、丁寧なエピソードの積み重ねが、丁寧な真摯な制作の姿勢が伝わってくる
爆発させてぶつける演技はまだやりやすい
それ以外の特に何もない時間に抑えられた演技がすごく大変だろうと思う
毎日々々緊張が続いて大変だったろうと思います
でも、いくら崩しても壊しても、元が美男美女だと、きれいなのは変わらないのだな、とも思ってしまいましたが。
安直にハッピーエンドにもできない。
映画のラスト、着地点も本当に難しかったと思う。
いっしょにいる瞬間がなおさら美しく輝き。
ベットで、いない娘の手を握るシーンが、実に幸せそうで美しく切ない。
光の中で娘の落書きを愛でる優しい表情が光る。
夢の中では会える唯一の幸せな時間があたたかい。
ハルジオン
吉田恵輔監督の最新作、きっと重さマシマシの作品なんだろうなと思いながら観ましたが、予想の遥か上を行く地獄映画でした(褒め言葉)。
娘が行方不明になって3ヶ月、どこか風化してしまった事件をなんとか解決するために奮闘する夫婦を中心に描く人間ドラマになっており、これに近い事件があったな…と浮かびましたが、あの事件もSNSとか関わってたし、今作ももしや…と思ったらやはり。
誹謗中傷と親と子供の関係性、吉田監督の「空白」と「神は見返りを求める」を組み合わせたような作品に仕上がっていて、そりゃエグくなるよなと変に納得。
解決のためにはなんでもやるけど、どうしても掲示板の意見が気になってしまったり、周りの意見にイラついてしまう沙織里の気持ちがこれでもかと発揮されてるシーンが今作の多くを占めており、その境界線は超えちゃダメだよ(弟への暴言が印象的でした)というのもあって、人間のリアルをこれでもかと詰め込んでいて、彼女の行動に釘付けでした。
夫の豊も仕事場でのビラ配りだったり、こうどうはしているけれど、どこか沙織里との距離があって、ちょっと不信感が生まれてしまうシーンがあるんですが、彼は彼なりの見方で事件と接していて、視点としては豊の方に強く感情移入していました。
テレビ局というものにあまり良い印象を抱かなくなっている現代において、数字稼ぎのために汚職だったり、普段の行動を暴いてのし上がろうとするのを良しとしない砂田さんにはかなり共感していました。
しっかりと事件解決のために動いてはいるんですが、上司の意見を聞き入れてしまったが故に沙織里にヤラセ的な行動を求めてしまったりして逐一後悔している様子が可哀想と言ったらアレですが、そうなっちゃうよな…と自分を重ねて観ていました。
マスコミってやっぱ…ってなるシーンがあるのも強くて、ネタのためならその人の心情なんてどうでもいい、数字のためならどうだっていいというシーンが何度もあってコイツら…と呆れながら観ていました。
実際のマスコミも全員とは言わずとも、こういう人が多いというのは外目から見ても感じられるので、こればかりは改善されないままなのかなという悲しさもそこにはありました。
誹謗中傷も今作にはあって、ネットの掲示板で会った事もない人のことを悪く言うのが本当に分からなくて、匿名って便利ではあるけど、それを悪用すると本当に取り返しのつかないものになるのに学ばないよなぁとこれまた悲しくなりました。自分は推してる人が悪く言われる事でもかなりへこむ人間なので、自分が非難される側になったら…多分バグるんじゃないかななんて思ったりしたり…。
役者陣の演技、これがもう素晴らしすぎました。
石原さとみさんはもう過去最高のぶつかり合いでした。娘のための行動で自暴自棄になったりする怒りや、自分にほとほと呆れて泣きじゃくるシーンには心震えっぱなしでした。
声にならない声ってこういうことなのでは?と言うくらいの声もあって、鳥肌立ちっぱなしでした。
インタビューを受けている時や車を止めるシーンなんかの泣きはもう本物、これをスクリーンで堪能できる自分は贅沢だなとひしひし思いました。
イタズラ電話(これは本当にファ○ク!ってなった)を信じて警察署に駆け込んでそれが嘘だと知った時の崩れ落ちる様子なんか本当にそうなったんじゃないかといったレベルで、これは凄すぎる…と女優・石原さとみの真骨頂を味わうことができました。
青木崇高さんの夫もこれまたリアル。どうしても一歩引いて物事を見てしまうというのは男性にあると思うので、それを見事に体現していて、それが決して悪いわけではないのに温度差を感じてしまうという演出が粋でした。
ラストシーンで人目も憚らず泣きじゃくるシーンもまた良くて、苦しさを出してしっかり泣くところにこれまた心持っていかれました。
救いはほぼなく、夫婦の娘の事も分からないまま。なのに登場人物の心の中に陽が差したようで、観終わった後はどこかスッキリした気分で劇場を出れました。
濃厚な邦画に出会えて感謝感激です。吉田監督の手腕、役者陣の演技、製作陣の作り込み、どれもこれも最高に噛み合いまくって生まれた傑作でした。
鑑賞日 5/17
鑑賞時間 16:35〜18:45
座席 J-17
頭から中盤過ぎまで強いて共感部なし、終盤2年後展開から人の心の流れが良くなった。
この作品のベースは、2019年山梨キャンプ場女児失踪事件をヒントに制作されているのではと感じます。
ワ-ナ-配給で日本のTV局は絡んで無さそうですが、実の所 一応の結論域まで行き着いた件と思います。よってこのご家族を今はそっとしてあげて欲しい願いです。なぜワザワザTV報道のネタ的な絡み作品に持ち上げて制作されているのか、大いに疑問を感じますが。しかも劇場公開作なんて(。-`ω-)
そう言う事を知らず、今日は「ミッシング」を見ました。
先ほどの視点論点を既に持ち合わせていたため、
頭から中盤過ぎまで、全く心微動だに至りません。感情移入不可でした。
妻の沙織里(石原さん)が異常なくらいテンション高すぎて実際には有り得ない感じします。夫の豊(青木さん)は反面落ち着いてて、一緒にパニックっていない所が少し理解は出来ます。
TV局の報道ネタに夫婦感情をまだ利用するの?って思いがあり、嫌悪感がでました。怒りに達した為、涙どころか夫婦の会話、局の対応を見ててもう飽き飽きな思いで一杯ですね。ヤラセの誕生日会に、チラシ受け取り時の顔のうつむき撮りなど・・・それで中盤過ぎまで展開終わり。
ネットの中傷事なんかも 既に”誰も守ってくれない”などの作品で問題提起されていたので 敢えてハマる事は有りませんでした。
終盤の2年後展開から、同じ地域でまた発生する失踪事件。これを夫婦がなんとか早期発見出来るように、また我が子が一緒に見つかる様に活動するする所は良かった。子供達の安全を守る地域の安全活動参加や、弟が必死に働いて失踪解決活動費の寄付をしている事や、車内で姉に弟が謝罪する所、弟に娘と一緒にいた時の動画を送ってあげる所、弟も娘を本当に心配していたんだと姉が気づけた所はgoodでした。
近くで発生した失踪事件は、前夫が連れ去っていた事が分かり無事に子供は帰ってきた~ 夫婦が凄くこの事を喜ぶ所ですかね。ここは良かったです。そしてこの戻って来たお子さんとお母様が ”私達も何か失踪解決のお手伝いをします”って申し出てくれた事でしょうか。夫が男泣きする所はグッと来ましたね。
時間経過と言う流れが 夫婦の心を徐々に癒して行きます。
夕日の光が窓際に置いたビン色を通過して白い壁に虹が映る。
それを手で触れて掴もうとする、母の沙織里。
前からもそう言う虹光は有ったかもだけど、それには全く気づけなかったのでしょう。今 やっと心が落ち着いて来て 感じたり見えなかった物が見える様になってきたんだと思います。
きっと娘は生きている、いつかまた会える・・・そう感じます。
終盤展開で盛り返す流れとなった所が 全体的に惜しい所でしょうか。
気になる方は 劇場へ。
めちゃ泣ける
最初から最後まで辛かったですが、石原さとみさんの演技が上手すぎてのめり込んでしまいました。後半はもう涙が止まりませんでした。
最後は娘が見つかりハッピーエンドで終わるのかと思っていましたが現実はそう甘くはなく、見つかるケースのが少ないものだと改めて感じました。
2時間ずっと心が苦しい映画
ずっと心が苦しくて、見るのが辛かった。
せめて救いがあってくれと思い、見続けていたが結局これという救いはなかった。
だけど、展開的にはご都合的な救いがあっても、個人的には満足しなかっただろう。
現実はきっと何でも上手くいくものではないから。
家族、報道、SNS?、誹謗中傷と様々な問題がこの映画にはあり、改めて考えさせられるものがあった。
おそらく、この映画の設定ではSNSがないのか常に見ているのは2chのような掲示板。
ずっと娘を探す方法がチラシを配るのと、TVの取材頼り。今なら、SNSとかを使ったもっと効率の良い方法があるのだろうけど、おそらくこの時期はそれができなくやれることはチラシを配るという、心許ない手法のみ。それも親の無力さが滲み出ており非常に辛かった。
石原さとみも最初は少し美人過ぎて、画が浮いていたが泣き崩れるシーンや、子供に浮かべる笑顔のシーンなど見せ場のシーンでは流石の演技でとても馴染んでいた。
最後のシーンでカラフルなガラスに日が当たって、壁の落書きに虹がかかるシーンは希望の象徴でもあるが、虹は虚像だからどれだけ根元を探しても見つからないもの。
とれだけ探しても実像は見つけられない。
きっと、その両方の意味が込められているのだろうなと感じた。
あと全体的にめっちゃ手ブレが気になったけど
たぶんあえての演出なんだろうな。
こういうニュースはたまにあるが、どうしても他人事として見ていたが当たり前だが苦しんでる家族がいるんだよなと思い返すきっかけになった。
こういうのって当たり前のことだけど、映画等の作品で見つめ直すきっかけがないと、私は忘れてしまう生き物なので良い作品と出会えてよかった。
監督が挟み込んだ希望
日曜日にイオンシネマで
55歳以上は1100円なのだ
オマケにdocomoポイントも使えるのだ
石原さとみが鶴瓶の番組に出ていたのを偶然目にして
吉田監督の新作と知りこれは観ねばと
監督と組むことを切望したのだとか
チラシをもらい損ねて残念だったのだが
予告編以外の予備知識はあえて入れずに鑑賞
石原さとみはどちらかというと苦手で
この監督作と知らなければ観ることはなかったと思う
そしてバトンはレンタルで観てそこそこよかったのだが
やっぱりいまひとつ NHKのトリセツもなんだか
しかし本作は文句なしの快演
主人公が置かれた複雑な立場とか壊れっぷり八つ当たりぶり
見事だった
前作もそうだったか忘れたが
スターサンズの制作なのだな どうりでエッジが効いていた
プロデューサーが河村光庸と
こういう作品に若くていい俳優が出るのは素晴らしい
今作は中村倫也 空白では松阪桃李だった
監督の意思は中村とか青木崇高に代弁させている
共感できるしカッコいい
それにしても青木はいい役しかやらんな
三谷大河でも何だかまっすぐな役だった ゴジラでも
あと柳憂怜も嬉しかった
たけし軍団のユーレイが見事にちゃんとセリフがある警察幹部役
毎週日曜日にスーパージョッキーを楽しみにしていた 感慨深い
ネットで適当な便所の落書きを書き連ねるヒマで卑怯な連中
ケジメをとらせていて溜飲が下がった
一方でキー局に転職する中村の後輩
監督も嫌いな人物なのだろうが映画の中では酷い目に遭わせない
社会の発展とか資本主義の世の中では必要悪みたいな位置付けなんだろうか
前作の若葉竜也と同じにおい
こういうやつが付加価値を創り出して仕事が生まれている側面もあるしな
やっぱり嫌いだけど しょんべんの音がせめてものリベンジ
その他本筋とはあまり関係ないエピソードの描写が丁寧でかなり好きだ
・キー局不採用で地方局
・鼻水がよく出る
・寄付金を紛失
・警察幹部の車をほめる
・弟と先輩が居酒屋で飲む
小ネタもイチイチ効いていた
・ヤクルト1000
・アーケードでもめている二人が共通認識を持つ瞬間
・マルめて捨てられたビラが風に吹かれて転がる様子を
それらしく撮ろうと試みるカメラマン
つい歌の文句で言葉を紡いでしまうとか
自分でついたウソに影響されるとかはある
生きている以上は何かの影響を受けている
リビングの壁の落書きのシーン
ウチも入居間もない時期に全く同じことがあった
妻がゴシゴシ消した跡が今もある
ラスト近くのチラシ配りのシーンでは思わず青木に貰い泣き
あとミカン農家パートの若ママとか零細印刷会社の社長
こんな世の中といいつつも監督が挟み込んだ希望なんだろう
BLUEのほうが好みなのだが文句のつけようがないので満点
一作毎にどんどんよくなっている
今年の10本には間違いなく入る快作だった
(ここから映画と無関係)
終了後は公園で自作弁当を食べながらビールグビリ
金がかからない幸せ
きっと再度鑑賞する事はない作品
子供が行方不明になった家族の話なのだがネットの誹謗中傷を始めお前らの血は何色だと叫びたくなるくらい心臓がギュッとなるシーンが多く、特に取材中にかかってきた電話から警察へ駆け込んだ時のシーンは視聴者としては結果は分かってるのにほんの少しだけの希望を見せてくる感じがもう辞めてと思ってしまいしんどかったです。
演出もさる事ながら俳優陣全員が凄まじく役を憑依させていたという事なのだろうと思う。
私は正直またこの作品を鑑賞しようとは思えないが、世の人に広くこの作品が伝わる事でこれから救われる人も増えるのではないかと思うし、そうであって欲しいとほんの少しの希望を見ました。
救いがない
某映画紹介系TikTokrが紹介してて気になったので見ました
事前情報を入れず、どんな話かも分からず見たので、楽しく鑑賞はできましたが、最後まで見てもモヤモヤは消えず。
事情はあれど、終始イライラしてる石原さとみにイライラしたりしてました。
結局助かったのか、助からなかった分からない部分もイライラしました。
嫌いな映画ではないですが、多分2度と鑑賞することはないでしょう。
助かったか最後まで不明な点は、今回監督が描きたかったものは、助かるかどうかではないからだと思いますが、個人的にはハッキリさせてくれたほうが好きですね。
石原さとみさん
殆どノーメイクで、涙でグチャグチャな顔で、と言う設定だけでど、熱演されていたと思います。最後に良くても悪くても何か進展が見たかったかも。ネット社会の怖さもありますね。最後はその警鐘でしょう。
みなさま素晴らしかった
母が壁にかかる手の影で娘の落書きを撫でるシーン、父が煙草を吸いながら子供連れを見かけて目を真っ赤にする表情、記者が報道の方向性についての意見をまともに取り合ってくれない上司を恨めしげに見つめる表情、叔父が姪との動画を見ながら嗚咽する姿。
どれもどれも素晴らしかったです。
事件そのものよりも世間に晒される被害者家族の話
予告、番宣、石原さとみさんのインタビューなど、結構期待させる要素が多かったのですが、多くの絶賛レビューのような感想は持てないままでした。
吉田監督の作品は「ヒメアノール」「空白」「犬猿」など好きな作品が多いのですが、今作に関してはあーやっぱりそういう感じで終わるわけか…と、ちょっと拍子抜けの感あり。
この事件に決着をつけるのは、陳腐か残酷かしか無いわけで、もちろん余韻残しのラストでもそれが功を奏す場合もあるのですが、被害者家族の姿にスポットをあてることが軸だとするなら、終わり方はもう少し観る側に何かしらの道筋がほしかったように思います。
それから、役所、警察署、商店街などで、変な口論をしているモブキャラをやたら登場させていたのが正直うるさいと感じました。特に商店街で揉めている男女はコントでもしているのかとそればかり気になり、主人公の心情に全く入り込めなかったです。
石原さとみさん、「演技するってこういうことなんだと初めてわかった」とインタビューで答えられていて楽しみにしてたんですが、オーバーアクション、早口でまくし立てるなど大袈裟すぎる演技は以前とさほど変わっていない印象でした。ビジュアル的なところではしっかり役作りされていましたし、熱演も伝わってはきましたが、演じ過ぎているところが終始気になりすぎました。
対象的に青木さんと中村さんの静の演技は圧巻。
マスコミ報道の在り方、ネットの行き過ぎた誹謗中傷など、さほど珍しくないテーマだけに、何かこの作品でしか感じられないものが欲しかったなと、わがままな観客の感想です。
いまの世の中こそが狂気
母親になった石原さとみの復帰作品がこちら
監督に直談判してまで演じたかったこの役は、
彼女の今までとは全く違う「役者」としての
新境地開拓、大成功したのではないかと思います。
ほぼスッピンにジャージ姿、半狂乱になって
弟や夫を責めるその姿はちょっとヤンキー臭プンプン。
今までそんな石原さとみは観たことない🫢
夫(青木崇高)が段々不憫に見えてきました。
劇中で誹謗中傷するネット民たち同様の視点で
いつの間にか沙緒里(石原さとみ)を観ており
いい意味で正解なのではと思いますが、
好きにはなれないキャラではありました💦
ネットの書き込みや、報道の在り方など
本当に気持ち悪い現実を叩きつけられます。
なんでも思ったことを「正義」と勘違いして
書き込む神経。
指摘されたら逆ギレする神経、理解に苦しむ。
それが当たり前になっているいまの世の中のどこに
「寄り添う」という言葉があてはまるのか。
「いつからこんな世の中に」
悲しいかな本当にそう思いながら劇場をあとにしました。
吉田ワールドが炸裂してます
「ヒメアノール」「神様は見返りを求める」「空白」など個人的に超どストライクな吉田監督作品だ。期待しないわけがない。待ちに待ちましたよ。
いやあ、さすがです。参りました。全てがえげつないほど「リアル」。これに尽きるかなと思う。「空白」にも通ずる、どこに感情をぶつけたら良いか分からないやり切れなさ、その中で戸惑い、怒り、悲しみ、そして絶望…。
ドラマチックな展開など何もない。何の奇跡も起きない。ただただ無駄に時間が流れ、悪気のない悪意に翻弄され、善意にすら傷付けられ、少しずつ正気を保てなくなっていく。もし自分がその立場だったら、と思うだけで心底ゾッとする。
石原さとみさんは本当にこの作品に賭けていたのだと思う。その覚悟が画面越しに伝わってくる。少なくとも僕はそう感じた。劇中で子供が発見されたという情報が嘘だと分かった時の彼女は、本当にこのまま気が狂ってしまうのではと思うほどだった。夫婦で明けても暮れてもひたすら捜索のビラを配り続けるのも当然わが子を捜すためなのだが、結局はそうでもしないと自分達が正気を保てないのだ。また最後に別の子供が助かったと聞いた時、彼女は泣きながら「良かった」と呟く。ここは思わずもらい泣きしそうになるシーンなのだが、これも本当のところは絶望の裏返しなんだろうと感じた。助かったのは他人の子供だけで自分の子供ではなかったという事実。これを受け止めるにはせめて他人事を喜ぶ以外になかった。だって自分事には完全なる「絶望」しかないのだから。だから自分を保つために(自分自身を守るために)彼女は死に物狂いで「他人事」を喜んだ(喜んでみせた)のではないか。僕にはそういう表情に見えたのだ。
だからこそラストで見守り隊をしてる彼女の表情がどこか柔らかく感じたのは、彼女なりに苦しみ抜いて「心の折り合い」のつけ方を少しだけ見つけたからなのではないかと僕は解釈している。そしてこれこそが吉田監督の描きたかったものなのではないかと強く思うのだ。これって「空白」にも通ずるテーマだと感じるのだが、事実だけを見れば子供は発見されてないし犯人も見つかってない。つまり何ひとつ進展しないという残酷な現実が続く中で、それでも残された者の「人生」は否応なしに続いていくわけだし、彼らはこれからも解決しようのない苦しみを抱えながら生きて行かねばならないのだ。考えてみればこれほど残酷な話はない。でもそれこそが「リアル」なのであり、実際そういう苦しみを抱えて生きている被害者や遺族の方はこの世に大勢いるのだ。その紛れもない「事実」をしっかり噛み締めなければと思う。
中村倫也さん演じる記者の砂田も見事だったと思う。作中で唯一まともな彼の「正義」は、ことごとく打ち砕かれていく。誰よりも被害者に寄り添おうとし、正しくあろうともがき続ける彼をメディアの傲慢な論理が容赦なく突き放す。周囲に理解者もなく、彼が何を主張しようが上層部は誰も耳を貸さない。本当は彼らだって「正しくない」ことに気付いてるくせにね。結局彼の正義は何ひとつ通る事なく、いつしか彼も「自分」を見失っていく。何が正しいかも分からなくなり、最後は被害者にすら恨まれてしまうのだ。こんなにも切ない話ってあるかね?
観ているだけで本当に苦しくて辛い。
でも現実とはそういうものなのだ。それを思うとさらに辛い。それだけに青木崇高さん演じる夫の最後の号泣が激しく胸を打つ。
青木さんの演技も素晴らしかった。けっして有能でもなく弁が立つわけでもない平凡な夫だが、それでも今にも気が狂ってしまいそうな妻を彼なりに支えようとする。その誠実さと不器用さがまた何とも切ない。そんな彼が弁護士を訪ね、「俺バカなんですけど…」と言いつつネットの暴力に立ち向かう決意を伝える。ここも非常に非常にグッと来たなあ。
また沙織里の弟を演じた森優作さんにも触れないわけにはいかない。この人の何とも不気味な雰囲気がいかようにも解釈出来る人物設定で、この物語で非常に重要な役割を果たしてると思う。その絶妙な怪しさも含めて森さんの演技も実に素晴らしかった。彼が車中で「ごめんなさい」と泣くシーンも印象深かった。
ラストはいかにも吉田監督らしい。
先ほども触れたように、沙織里の表情はどこか救いが残る終わり方だったのではないだろうか。吉田監督はその辺りの「さじ加減」が実に絶妙なのだ。
また吉田監督は光の使い方も本当に上手いと思う。絶望しかない物語だけど、射してくる光に希望を感じさせてくれる。それが本当に温かく優しくて心に染みるのだ。もうちょっとだけ生きてみよう、と思わせてくれる気がする。
なお虎舞竜のくだりはあまりに不意を突かれてつい笑ってしまった。だからと言って笑いを取るようにも描いておらず、それこそ観てる我々も含めた「全員が気まずくなる空気感」がまたリアル。吉田監督も本当に意地の悪い人だなとつくづく思う。
それにしても2時間が長過ぎず短過ぎず、丁度良かったと感じた。あれだけウルトラヘビーな内容なのに不思議なんだよね。これはつまり話がさりげなくサクサク進行していた証であり、上映中はあまり意識してなかったがテンポが絶妙だったのだろう。だからあのとんでもないヘビーさに耐えられたとも言える。濃い味を決して薄めずにスピード感で「濃い味のまま」食べ切らせる、そういう所も吉田監督さすがだなあと思う。
とにかく吉田ワールドが好きな人なら「間違いない」と断言出来る。ぜひ堪能して頂きたい。
もうひとつのmissing
我が子の失踪
その母・妻の境地を、限りなく何かを覚悟して演じるような石原さとみの姿がある。
余裕のない切実さが生む家族の溝を彼女の苛立ちが深みへと掘り続けその穴に自らを葬ってしまうのではないかと思うほどの緊迫感、悲壮感が続く。
その傍らで冷静さを保とうとする父・夫を青木崇高が微塵の違和感なく演じる。
妻の心が半ば壊れていくような状況で何とか踏ん張る彼の存在がもたらすものがどんなに必要だったかをしみじみと感じさせるのだ。
しかも向き合う相手の人柄までもが彼の一挙一動からみえてくる細やかな演技が惹きつける。
安息のない当事者の心情に並ぶもう一つの大きな柱が、担当記者が生業とする報道において中堅として上司や部下に感じる違和感、対峙しながら浮き彫りになる自分自身への葛藤だ。
意見は持ちつつも結果として大きな力に流されながら来た彼の道のりがはっきりとみえるし、後輩たちの価値観にはさらに変化があるのがわかる。
二つの柱は一見寄り添うようでいて実は押し合い歪み脆さを見せ静かに嫌な音をさせて絡み合う。
ずっと居心地の悪い映画だ。
情報の在り方に疑問を呈した作品はたくさんみてきた。
その度におもう私事がある。
〝マスコミ〟というワードがまだ眩しかった頃、ある講義を好奇心いっぱいで聴いていた。
壇上の元報道アナウンサーが誇らしげにその役割りの未来を語っていた。
もちろんリスクについても話されていたが、いまのイメージを想定するものではまるでなかったと思う。
あれから瞬く間に手軽にみんなの手中となった〝情報〟の世界。
そのイメージは怖い匂いをすっかり身につけた気がする。
迷惑メールに慣れ、誰からの連絡にも警戒心が防御し、悪いニュースには枕詞のように〝ネット〟や〝SNS〟が出てくる。
ビジネスとして採算第一の興味へ走る方向性は、あるものをないことにし、ないものをあることにするほど歪みながら膨らんだ。
それに呼応して競うように理性を欠いた言葉があらわれ、無責任に面白おかしくさせながらさらに飛び交う。
手軽なストレスの掃き溜めのようにもみえるその窓の向こうは身震いするほど殺伐としているが、薄いガラスはいつ破れるかもわからない。
ふとした拍子に誰かか、この自分の指1本で。
私たちは、きっと何かをどこかに無くしたままだ。
だから、この物語は主張するのだろう。
あえて誰もが想像しうる実際の事件をなぞらえ土台にして。
あえてマスコミのど真ん中に立ち続け実生活で母となった彼女の自らの強い意志を据えて。
そんななか、時間をかけながら変化する彼らの機微を見逃すわけにはいかない。
どうしようもない苦しみのなか握る手の温もり、別の母子の問いかけに堰を切るようにようやく溢れた涙、虹の光の先にふれる指のやさしさ。
そこに気づき胸をぎゅっとしめつけられる私たちはまだ立ち帰れるのではないだろうか。
嘆くのはいい〝加減〟を体験して比較しているからこそ。
ならばせめて、今、自分ができることを考え行動しなければならないのだと思う。
訂正済み
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