ミッシングのレビュー・感想・評価
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それでも生きていく
気になっていたが映画館で観ることができずサブスクに追加されたため鑑賞
「娘が行方不明になる」という経験のないテーマ故共感こそ出来ないが、日本では年間約8万人もの人間が行方不明になるらしい。もはや他人事ではない。
石原さとみの不安定な演技は素晴らしく、観るこちらが心が痛くなるほど。特に娘が見つかったと警察署へ通報があり、喜んで駆けつけたがイタズラだと知った時の取り乱し様は直視出来なかった。世の中そんなに悪質なことをする想像力のない人間がいるのかとこちらも絶望的な気持ちになる程である。
どれだけ時間が経っても娘が帰ってこない限り終わらない闇。腹を抱えて笑えることも一切ない。それでも残された人間は生きていかなければならない。真っ暗な絶望の中で徐々に、本当に少しずつ立ち上がる人間の美しさを感じることができた。
脇を固める俳優陣の演技も素晴らしかった。青木崇高の妻を支えるために冷静でいなければならないが、時折見せる堪えきれない感情、求められているものと自分の良心の狭間で葛藤する中村倫也の不安定さ、全てが静かに光っていた。
大きな波がある作品ではないが、観た後にじわじわとボディーブローの様に効いてくる作品である。
子を持つ母のリアルな描写
"娘は生きているのか?!最後は見つかるのか?!"をテーマにした作品ではないかと。
我が子が行方不明になり、どうしても見つけたい。探したい。どんなに探しても見つからない。
そんな中、精神的に追い詰められていく母親、それを支える父親などを描いた映画です。
偽の保護通報で泣き崩れる母親の演技は言葉にならない素晴らしい演技でした。
特に我が子が書いた絵を、まるで影を我が子のように重ね撫でる姿は涙が止まりませんでした。
本当は星5にしたかったのですが、個人的に娘さんはどうなったのか、結末がわかるスッキリした終わり方を求めてしまったので4.5にしました😫
わたしたちは、心を失くしてしまったのか?
感想
限りなく哀しくて、愛しくて、優しい物語。
娘が失踪し、出口のない暗闇に突き落とされた家族。どうにもできない現実との間でもがき苦しみながらも、その中で光を見つけていく——。
愛する娘が失踪した。
なかなかヘビーな作品でした。
山場はないですがずっと重く、心苦しかったです。
石原さとみの演技が素晴らしかったです。弟役の森優作も良かったです。姉弟の車の中のシーンは胸が締め付けられました。
テレビ局の記者役の中村倫也の存在も良かったです。
SNSって見なきゃいいとは思うんですが見ちゃうんですよね…。
感情がしんどい作品でしたが観てよかった作品でした。
※地味とか派手とか…視聴率とかって一体何なんですかね?TVって何なんですかね?
※THE虎舞竜?
石原さとみが嫌いになりそう…
演技上手くて石原さとみさんが嫌いになりそう…
私の苦手な犯人わからず作品でした
静岡の沼津が舞台なので、ビラ配りのシーンは清水駅前?とか静岡県民としてはワクワク(笑)
今は閉店した洋品店のトラヤが出て来たのは感動しました
リアリティ溢れる
ネット上の誹謗中傷を受けながら、行方不明の娘を探し続ける母親と、
自分の信念と会社の方針、行方不明家族の思いで板挟みになる記者、
主にふたりの心情にフォーカスして見終わった後も切ない気持ちになる映画でした。
結局娘さんは見つからないまま終わりましたが、「めでたしめでたし」で丸く終わらせなかったことで、登場人物らの心情にリアリティをもたらすというか、終わった後もちゃんと考えさせられる仕組みになっているなあと。
石原さとみさんはどれ出ても似てるなあと思ってましたが、今回は、必死さやイライラ、絶望感、今まで見たことない表情でした。
ほかの俳優陣もあっぱれでした。
ドラマ仕立てな余計な間が全然なくて、何気ない短いシーンが多く、ドキュメンタリーを見ているように全登場人物に感情移入してしまいました。
この映画は偏見を生むだけの映画だ。
こう言った映画を鑑賞する事で、被害者に対する同情心に対して、寄り添うつもりなのだろうが、正確な状況を何一つ偏見なく科学的に検証して映画は作られなければ駄目である。全くのフィクションであり、映画制作者のオリジナルストーリーなのだから、誇張され過ぎるのもどうかと思う。そう、
軽率なストーリー展開である。
こんな状況なら、愛の無い AIにでもストーリーを作らせれば、良いんじゃ無いか。
この中でのテレビ局はコンプライアンスをぶっ飛んで、愛の無いAI以下にしてしまっている。
そして、
それを鑑みれば
旧国営放送は、アナウンサーをAIにして行くようなので、ちょこっと、お節介を語る。
そうさ!放送局も映画制作会社も全部を、愛の無いAIに代えれば良いのだ。相変わらずの商業主義的な報道なんだからね。
インターネットやSNSがおかしいと言うが、眉唾だ。むしろ、
いずれにしても、テレビは完璧に終わっていると思った。
ついでに、映画も終わっているのかなぁ?
また、行政や司法、立法の違法行為を糾弾して、責任を追及していく姿勢はバッシングとは別である事も忘れてはならない。この国のマスコミの類は三権分立を全く理解していない。
性犯罪と政治的違法行為は別である。
タイトルなし(ネタバレ)
見ていてずっと苦しかった。
大切な我が子が突然いなくなってしまった苦しみなんて、
味わっていない人には到底理解できないものだが、
今作では気持ちが痛いほど伝わってきた。
今作のように行方不明家族に密着したドキュメンタリーを見たことがあるが、どこか他人事で、見つかればいいなぐらいにしか思っていなかった。
映画を見ている時も構成的には見つかることなんてないんだろうな、と思ってはいても、美羽ちゃんが保護された、と聞いた時には画面の外で小さくガッツポーズをしている自分がいた。それほどまでに引き込まれる演技をする石原さとみ、青木崇高、森優作の演技力に脱帽。
最後には美羽ちゃんが虹の橋を渡ってしまったのかな。
グラスが反射してできた光の虹が美羽ちゃんに架かり、
それを母親が影で撫でているのが見ていて辛かった。
どんなに言葉を尽くしても、映画の良さを上手く伝えられない。
進展が無くてつまらなかった!!
終始ピリピリしているだけで、誰かが捜査してくれるという事でもなく、ストーリーに動きがないまま終わります。YouTubeで犯罪ものや未解決事件ものを良く聴くのですが、事件ものを期待すると何も進展が無くてつまらなかったです。中村倫也が苦手なのですが、案の定声が小さくて声質も聞き取りづらかったです。しかも、やはりショボい役でした。同じ監督の前作「神は見返りを求める」の方が、遥かに良いと思います。まあ犯罪被害者の夫婦を描写するというだけの事なのでしょうが、今回は住所バレでショボい奴が来るとSNSプチ炎上くらいしか無いのも、石原さんが全部曝け出すには、起爆剤が全然足りないです。警官に食ってかかるとか、犯人を刺すとか無理ですかね。他所の子が見付かって、良かったね良かったねと泣くシーンは良かったです。
人間の隙を表現するのが抜群に上手い
当たり前の話だがこの世に完全無欠の聖人君子など存在しない。しかし、何か事件などが起きるとこぞって粗探しをする人たちが現れる。自分達だって決して褒められたものではないのに。違いがあるとすれば、世間的に注目を集める事象の当事者になるかどうかだけでみんな等しく普通の人間なのだ。
この映画の主人公もそんな普通の人間の一人だ。この主人公はライブに行った事をネットで責められるが、2年ぶりだったと反論する。ネットで誹謗中傷する人間がおかしいのは確かだが、一般的な感覚で2年ぶりというのは決して長くは感じない。つまり主人公は子供は大切だけど、自分のやりたいこともちゃんとしたいという価値観なのだ。それが良いか悪いかは置いといて。落ち度とまでは言わないがこの主人公には隙があった事は確かなのだ。
さらに細かいところで言うなら主人公の持っているスマホ。状況とは不釣り合いに相当いい機種を使っているのだ。少なくともお金に困ってる状況では相当違和感がある。ここからも主人公の人物像は伺える。だからと言って主人公が悪いとかそういう事ではなく、自己矛盾もまた人間なのだ。
この映画は一見、失踪事件がテーマのように見えるが人間を描くことに重きを置いていると強く感じた。実際に起きた事件を描いただけと思う人も一定数いるのだろうが、表現されているのは事件ではなく人間なのだ。
“伝える”ことに焦点を当てている
「何でもないようなことが幸せだったと...」虎舞竜の歌詞を口にした沙織里(石原さとみ)の失禁や嗚咽、発狂など迫真の演技に魅せられました。
沙織里だけでなく、いろんな立場の人の氣持ちを描いていて、ツッコミどころも登場人物がしっかりツッコミを入れてくれて、痒い所に手が届いていました。
序盤は怪しい人をピックアップします。
報道の裏側やネットに書き込まれる憶測、番組を見た人たちの思い込みについても描いていて、情報操作についても考えさせられました。
伝えるということの深さについては、言葉では伝えきれません。
ビラの印刷をオマケして持ってきてくれたシーンから、行方不明の子が保護されるシーン、壁の絵に虹がかかるシーン、保護された子を連れた母親が路上で声をかけてくれたシーン、弟の圭吾(森優作)と二人でクルマの中で泣くシーンなど、闇に差し込む光が徐々に増えてくる感じがたまらなく素敵で泣けました。
ラストは自分の子を愛するように人の子を愛する沙織里の中に人類愛のようなものも感じ、とても素晴らしい作品だと思いました。
どうにもならないそれぞれの葛藤が痛い
どの役の方も、素晴らしい演技。
いや、演技なのか?
と、思えるほどの熱が伝わってくる。
どうにもならないイライラを周りにぶつけてしまう母。そのイラつき方が絶妙。ホントは夫が責めてくれたら。いや、支えてほしい。そのどちらも、すべては自分を責め続けている苦しさにある。
いっそ、消えてしまいたい。でも、そしたらもし、もしも、いつか娘が戻ってきたときに会えないじゃないか。いつか、いつか…いつか……いつだよ…。
切ないほどの葛藤を、石原さとみが演じきっている。
子育てって、そんなブラックポケットを抱えながらの毎日。大丈夫だろう…そんな言葉を何度つぶやき、打ち消し、面倒な手続きを時間を割いて、ようやく当たり前の日常が送れるんだ。当たり前じゃないんだよ。
弟のこと、夫のこと、マスコミのこと。どの視点からも手抜きのない描かれ方のように感じました。
秀作です。
悲しみに飲み込まれた
悲しみに満ちみちた物語。
いなくなった子供を探し心が壊れ掛けた母親。
その過程を描くのではなく、失った子供を探すことへの執着と報道のあり方を模索するテレビマン。
子供を探す親を追う報道のあり方を描き、そのあり方を主体としたいのもわからなくはないのだが。
出来れば子供を失った親がこれからどう新たな扉を開くのか?そこをもっと丁寧に描いた終わりにして欲しかった。
失っている間の悲しみの共感は得られるが、それのみを描かれても物語として満足できなかった。
石原さとみの演技力
は良かったと思うんだけど、話の展開が予想を上回らなくて演出も単調。鶴瓶と中居くんがやっている世界仰天ニュースは30分たらずでも見せ場は多いし心に残るもんなぁ。
実際に娘が行方不明になった事件をいくつか知っていますが、鬼畜なマスコミ、容赦ないSNSなど、事件の当事者はこんな大変な目にあっているんだという事はよく伝わりました。でもそれが作品の面白さには繋がっていないと思います。
仰天ニュースの演出家に撮らせれば良かったのにと思いました。
リアル?
特にものすごい展開があるというわけでは無く、ただ子供の失踪事件の家族の様子を追うというストーリー。
実際に家族が行方不明になった経験が無いので、自分に置き換えた時にどうなるのか全く想像がつかない。ここまでヒステリックになるのかどうか、たぶん経験が無いからちょっと引き気味で観てしまった。弟さんも本当に気の毒。かなり辛い立場だと思った。
でも、想像がつかないからこそ、こんな感じなのかな?と思った部分もあり。リアルな感じなのかもなぁと思った。
今まで実際に起きた事件の家族もこんな感じだったのかなぁと、胸が痛くなる思いだった。
糸
藁でも糸にでも縋る
子供が行方不明になら母親なら発狂ものなのは当たり前だろう。それもたった一晩、ライブで跳ねていた時に。
しかし、ライブに行こうが行くのまいが、攫われる時は攫われる。近距離でもなんでも理由はさまざまで誘拐事件というのは起きる。
それでも、自分を責めつづけるサオリ。
きっと一生分を叫んだのではないか。
ビラを配り、テレビの取材を積極的に受け、ネットに沈む少しの情報を探りつつ狂った日々を送る。
常にヒステリーを起こし、叫び、悲劇の母親、ネットの毒親にしたれ上げられる。
支える事で必死に妻を守る夫、職場、印刷会社の手厚い優しさが沁みた。
イタズラに踊らされ、チラシ配りで寂しそうな顔の演技を指示され、ミウの誕生日会をずらしてでも人々の心に訴えかけようとするサオリはもうなりふり構ってられないのだ。縋れるものにはなんでも縋る。
ミウがどの様な子か聞かれて、はた、と止まる瞬間に息を飲んだ。
虎舞龍と笑うカメラマン、ヤクルト1000が無いおばちゃん、商店街でながらスマホでケンカする人、ピアノ教室で一緒になったママ友のバンティー。
彼らにとっても、それは何でもないような事。
サオリにもあったのだ。
弟も実姉からなじられ、プライベートも晒され、職場も辞め、カジノもバレて…でも彼もミウに会いたいのだ、と。
その心を吐露した時にようやく姉と和解する。
ミウにも背中を攻撃されてたね。
3年が経ちテレビ局にも頼れなくなった頃、同様の事件を見てそれに便乗する計画を立てる。
まだまだ縋れるものならなんでも良い。
一見協力だが、本音はミウ。
とにかくミウミウミウミウミウ…
そして、便乗した家族の娘が保護される。
心から涙するサオリ。
嫉妬するでもなく羨むまでもなく心から良かったと。
なにも決着をしない。
救出されるわけでもない。
死体が上がる事もない。
何もわからないという事はとても辛い事だ。
そしてサオリの心はゆっくりと穏やかになっていくように見える。
子供を守るため、交通係になりたくさんの子供達の行方を見守り、もうヒスは起こさない。
その代わりミウの唇を鳴らす真似をしてみる。
3ヶ月、半年とサオリの取材をしてきたスナダは世の中の波に乗らず、自身のポリシーを貫き出世もできずアザラシの画像を再び撮り続けるのも印象的でした。
マスコミはやはり、嘘、大袈裟、紛らわしいが前提なんだな。JAROに連絡だ。
レンズ越しの世界
missing
情報を提示する上では、脚色が多少なりとも必要になるという点を前提にしても、ともすればそこに「出演する」人々と写し手たちは、批判の対象になりやすい。しかし半ば儀式的に見えた、御涙頂戴に映るシーンの向こう側に本来見る必要があるのは、カメラの無かった世界の風景だ
自由に報道され目に入るそれらにはもう、誰もが「無関係」でないのだから、「誹謗中傷」で関わるくらいならば、助けに行ったほうがいい。それでも一方で、常に意識を払い自らを犠牲にして、というのは現実的に難しい。
活動を続ける、家族とその周囲の頑張りは、流動していく世界の中では留まっているかのよう。
世間やマスコミが騒ぐことでこそ、救われる命がある中で、可能性に振り回され続けるには、しかし(現実の)時間は、あまりにも足りない。
両価的な(勝手な)批評は行き交う、それでも当事者たちの元だけで、輝く出来事はある。
私的好みでない吉田恵輔 監督の演出だからこそ、表現できた時代を切り裂く秀作
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
私的はやはり吉田恵輔 監督の演出は好みではないなと、映画の終盤近くまで思って見ていました。
端的に言うと、娘を行方不明で失った若い夫婦を描いたこの映画『ミッシング』は、大きな柱をいわゆる”マスゴミ”とSNS上の常軌を逸した誹謗中傷の描写が占めていたと思われます。
ただ、吉田恵輔 監督の演出の仕方は、そこかしこで人間の悪意を肥大化させた描写になっていたと思われます。
表層極端に表れるSNSの誹謗中傷はともかく、テレビの報道スタッフもあそこまで悪意が肥大化した振る舞いをし続けるのはちょっと極端ではないか、との疑念は個人的には感じていました。
娘を行方不明で失った主人公・森下沙織里(石原さとみさん)の振る舞いも、多くの場面で人間の嫌な部分が肥大化され崩壊気味に描かれていたと思われます。
この人間の、悪意や嫌な部分を極端に描く吉田恵輔 監督の演出は、やはり好みが分かれるとは思われました。
人間には多面性があり、1人の中の良/悪をもう少しバランス良く描いた方が、広く普遍的にリアリティをもって受け入れられる作品になるのになと思われています。
ただしかしながら、仮にそのような1人の中の良/悪をもう少しバランス良く描く演出のやり方では、吉田恵輔 監督が監督をする必要は一方でなくなるでしょう。
また、吉田恵輔 監督の脚本演出でなければ、今回の時に狂気に満ちた石原さとみさんの卓越した演技もなかったと思われます。
そして、吉田恵輔 監督の脚本演出でなければ、ラスト辺りの、森下沙織里の夫の森下豊(青木崇高さん)が、同じ娘の行方不明の境遇を経験した母親に助けの声を掛けられた時、自分がいかに狂った世界にこれまでいたのかがあふれ出る自身の慟哭の涙で彼が気がついただろう場面の到達も、なかったと思われます。
ラスト2シーンの、主人公・森下沙織里の、部屋の中の光のシーンと、横断歩道のシーンは美しく、この映画のラストの到達は、吉田恵輔 監督の演出が好みでない私のような者にも僭越、2024年を代表する邦画作品の1つだと確信、思わされました。
タイトルなし(ネタバレ)
映画館で鑑賞🎥
石原さとみの演技がとにかくすごい...!
圧倒されてしまいました😮
話は終始暗いけど、
お母さんの愛の深さに感動しました。
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