ミッシングのレビュー・感想・評価
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綺麗・品性を投げ捨てた女優石原さとみを見よ
MISSINGの意味は「行方不明」「抜けている」等の意味がある。この映画では冒頭娘が「行方不明」になったことが描写されるが、この映画のMISSINGは、夫婦のもとから娘が「抜けて落ちてしまって」今までの日常生活が維持できていない様を強烈に描出する。
それは妻沙織里役の石原さとみが、夫に八つ当たりするイライラ感のテンションの高さ、テレビの報道番組の取材に出演した後のSNSの口コミに思わず口走る汚い言葉、何かの衝動に一瞬で衝き動かされる目付きと身体。沙織里の日常は維持できないというより崩壊しているのだ。ただ妻に八つ当たりされる夫も深い悲しみの底にいて沙織里がイライラをかかえて先走るのをなんとかフォローし家族を維持しようとする姿も描出している。
吉田監督は、この映画で報道、SNSのありかたを見る者に提示している。テレビ局の記者砂田とその後輩駒井の報道姿勢をとおしてである。報道の原理原則は「事実をしっかり伝える」ことだ。二人の報道姿勢もこの原理原則から逸脱していない。多くの人が気軽に日常的に使用しているSNSについても夫婦や妻の弟がいわれもない誹謗中傷を受けている実態を描写している。二通りの報道姿勢とSNSの実態を見る者に提示し考えさせているのだ。
夫婦は二度SNSに振り回される。その時のショックな姿が痛々しい。匿名で無責任な発信者。これらのシーンにおいての石原さとみの落胆ぶりは筆舌に尽くしがたい。そこにはテレビでいつも見る綺麗で品性がある石原さとみは存在せず、娘を探し出そうとする一心の母を演じる女優石原さとみが悲しく崩れ落ちているのだ。
同じ町で女児行方不明事件が起きる。沙織里は、我が娘とのかすかな関係性をいだいて懸命にビラを配り事件解決に奔走する。可能性はわずかしかないが、行動していなければ自らのバランスを崩すように必死になる。まさに心の底の感情が描出されている。
哀しみのトーンで描かれた映画のラストにおいて七色に光る虹の光線が浮かび上がった。この光を見て沙織里が微笑する表情が美しかった。
タイトルなし
最後に再会の場面を期待する自分がいたけれど、神様はまだ試練を与える。
全編通して重苦しく、人間の感情やエゴがぶつかり合う。
醜い人間達がいる。
もがいても報われない。
けどそのような中だからこそ、時折垣間見える人間の美しさが感動を呼び起こす。
人が人を思う気持ち、辛くても前に進む心、心からの後悔、自然の美しさに感動する心、感謝の気持ち。
改めて思った。
ひたむきに生きる人間ほど美しいものはない。自分は生きているのではなく生かされている。
心に染み渡る作品だった。
小さな光を感じた物語
心の埋め方。その苦しみに焦りや怒り、悲しみや空虚感などを丁寧に描いた作品。
一人の子供の失踪をきっかけに、様々な人々の生活が一変する。
それを役者陣が見事に演じており、特に中村倫也や青木崇高は良かったです。
やはり何と言っても石原さとみの頑張りですね。
演ずるキャラクターもあってか少し浮いていましたが、その熱演は見応えがありました。
結婚・出産・育児を経験した彼女には、とても良いタイミングでの役所だったのではないでしょうか。
事件は何も解決していないし、皆が悲しみの中にいるまま。
そしてそれは、きっと時間だけがゆっくりと解決してくれるんでしょう。
そんな風に過ぎる時間と共に、少しずつ前に歩き始めているように見えました。
そんな姿に小さな光を感じた物語です。
とにかく石原さとみがすごい。
見終わった後の喪失感はすごい。幸せだったはずの家庭がどんどん、崩壊していく様子。周りを疑ってしまい、自分はこんなにもやっているのにという思いや、焦りが伝わってきた。メディアもそうだが、世間の声がとにかく辛かった。似たような事件は日本でも耳にすることがあるが、同じような全く見当違いな世間な声も見ることもある。当事者でもないのに、正義者気取りで決めつけてこの人が悪だとか。日本の縮図を表したようだった。石原さとみの演技は凄まじい、狂気に近かった。
終映日に、観る踏ん切りをつけることができました。
お腹に子どもたちが宿った瞬間から、私のアキレス腱は、ふたりの子どもだ。
彼らが、20歳までつつがなく育ってくれたことは、私の人生の中でも一番の祝福である。
この「ミッシング」は、予告編を観た時から、観るのが怖いと思った。
感情移入しすぎて、映画館で静かに観れるか不安だったから。
けれど、どうしても、スクリーンで観たくて、終映日のレイトショーに出かけた。
普段、レイトショーは人がポツポツなのに、それなりに埋まっていてビックリ。
自分と同類かもと思うと、ちょっとホッとする。
沙織里を演じた主演の石原さとみさんに圧倒された。
20代の彼女は、キラキラでかわいくて、パステルカラーのイメージだった。
「そして、バトンを渡された」で、私は初めて、石原さとみさんを女優として認識した。
今回の「ミッシング」では、彼女の女優として生きていく覚悟を受け取った。
それくらい、胸に迫るあり方だった。
夫役の青木さん、弟役の森さんも、ホントに素晴らしかった。
おさえた演技の中に、抱える苦しみが体現されていて、感情を出しにくい男性特有のしんどさを感じた。
沙織里の携帯に、半年間行方不明の美羽が保護されたというイタ電を掛けた奴には、生まれて初めて、明確に殺意を抱いた。
これ、自分が沙織里の立場で、相手が特定できたら、殺すかもしれない案件だわ。
そのくらい、頭に血が上った。
けれど、こういうことをする人が、現に日本にはいるのかもしれないなと残念な気持ちにもなった。
ラストも、よかった。
改めて、我が子が手をのばせば触れることができる幸せを実感する。
そして、全ての母親が、そうであることを祈った。
ストーリー 5.5 演技 5 芸術 5.5 エンタ 5.5 総合 ...
ストーリー 5.5
演技 5
芸術 5.5
エンタ 5.5
総合 5.5
うーむ🤔、石原さとみ、でないといけなかったのかなぁ。迫真演技はよく分かるがチョット違うかなと思いつつ観てしまい全体的に高評価にならず。
⭐︎3.4 / 5.0
6月24日(月) @映画館
ミッシング
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結局何を伝えたかったのか?沙織里が発狂するだけの印象となっているのが残念😑反面、豊の冷静な中に秘める想いが引立つ🥹
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舞台挨拶でそら泣くわな
何か自分の中で消化できなくて、レビューするのに時間かかったな。思い出すのは道志村の失踪事件(事故)。多分この映画のモチーフにも使われてるんだろうけど、あの件自体は事故であっても、それに連なる出来事は立派な事件だった。当時これは何の根拠もなく母親がネットで私刑にあうパターンだ、と思って危惧していたら本当にそうなったのを覚えている。中には「いや待て。まだ母親を叩くのは早い。」とか、あたかも自分は良識のある人間と信じて疑ってない、人をリンチして良いという前提に疑問すら抱いていない書き込みを目にして、暗澹とさせられた。何も知らない部外者がなんだよ“叩く”って。何の権利があって?しかもこういった空気感が、今現在も社会全体に蔓延しているから本当に根深いなと思う。それが人の在り様と諦めて易きに流れるのもいいが、本当にそれでいいのだろうか?
石原さとみの演技は立派だった。堪らなくなる映画だけど、観てよかったなと思う。
行方不明者家族の苦痛の追体験。
やはり吉田恵輔監督は、観ている者の感情をとても不安定にさせる名手だ。
冒頭から最後まで焦り疲弊し続ける石原さとみに心が痛くなることはもちろんだが、所々で差し込まれる不毛な言い争いや感情を露わにする無遠慮な日本人たちの存在が観客をイライラさせ不安にさせその場から離れたいというイヤな気持ちにさせる。
こういった人々が周囲にいる・溢れているという描写は私達の周りには(自分に関係なくとも)SNSなどで誹謗中傷が溢れているという暗喩になっているのだろう。
しかし、そういうネガティブな社会の中でもお互い助け合おうとする心があることをこの映画はしっかり描いている。
とはいえ、やはりなんとも言えない、キツい気持ちになる。
暗中摸索で五里霧中
まさに「ミッシング」でしたね。皆が皆何かを見失っていく(いる)世界を淡々と描いている。俯瞰して見守っている様な体を為していてもやはり何かを見失っている。そんな人々の、ともすれば吐き気を催す様な描写が延々と続いていくので、自分の中のそんな部分も取り出して見せられているかの様な気にもなり、鑑賞そのものが苦痛に感じる程ではありましたが、時間が経つ程に「観ておいて良かった」と思える作品でした。アレやコレやと比べるのは余り好みではないのですが、コレと合わせて「ミセス・ノイズィ」は是非とも観て欲しい。
人間を見事に描いた傑作です
言葉での説明が少ない作品大好きです。
映像でしっかり語ってくれる映画は心地良い
です。
うーーむ、現時点で邦画のベスト級の
作品でした。
吉田さんって、なんていうんでしょ。
人間の心の声が聞こえる方なんでしょうか?
空白、Blue、神は見返りを~などなど、
過去作品でも、周辺や不特定の人間たちの
本心(悪意?)に翻弄される
姿を見事に描き、それがまぁ腹の中が
ズゥゥゥンと重くなるんですよね。
だって現実世界だってきっとそうだから
人間の嫌ぁぁぁぁな、どす黒さを
リアルに滲み出してくるんですよね。
なんだろうなぁ。。。会社などの人間関係
の中で聞きたくもない陰口を耳にした
時のような感じに似てるかなぁ・・・。
ほんのちょっとの善意と大量の悪意に
包まれているこの世の中をこれほどまでに
見事に描けるなんてすばらしい。
そして、変わっていく周辺の人間たちの
当事者たちとの関わり方、興味の温度差が
産み出していく違和感と不協和。
あぁ。。。居心地が悪い描写の連続で
ひりひりする。
・・・やってること同じなのに、世間との
意識のズレは当事者に狂気に感じてしまうなんて。
けど、これが世間、人間社会なんだと思います。
困っている人が追い込まれていく、マイノリティが
生きにくい、決して悪いことをしているわけでは
ないのに。
それが今の世の中なんでしょうね。
徐々に徐々に追い込まれていく様は胸が
締め付けられていきます。ラスト近く、
朗報を受けて警察署に駆け込んだ主人公が
受ける仕打ちと後ろ姿に涙が止まりません。
人間が巻き起こす様々なネガティブを
これでもかと巧みに描いてくれた本作ですが
でも最後は人間の強さを信じたい・・・という
メッセージを感じるエンディングでした。
不条理に立ち向かう強さ。
扇風機のブルブル音にさえ反応していた沙織が
見せるラストシーンの姿にそれが表れていると
おもいます。
どうかどうか、彼女らに心の平穏が訪れますように。
傑作です。必見です。
あ、石原さとみさん、熱演です。
これまでの評価変わりました。
実生活でも母になったからかなぁ?
素晴らしかったです。
見る価値あり
人物設定がいい。石原さとみほか、全出演者の演技が素晴らしい。
「世の中、いつからこんなに狂っちゃったんだろう」
こんなテーマの映画が作られない世の中にしたい。まずは、くだらないTVやSNSを遮断するところからスタート。弱者切捨て・格差容認の社会を変えないと。
これは非常に傑作でした!まず、それぞれのキャラクターの立たせ方が本...
これは非常に傑作でした!まず、それぞれのキャラクターの立たせ方が本当に上手い。行動でそのキャラの性格をしっかりみせてくれているため、全キャラしっかり入ってくる。
そして、緊張と緩和、そして対比が本当に上手い。
主人公の裏に出てくるエキストラさん的な人がいるいるだったり、セリフが虎舞竜のロードじゃんと思ったら、ちゃんと言ってくれたり、テーマが重いのに笑えて非常に良し。
音楽使うところも緊張から少し解放されて良し。それぞれの正義が嫌みなく理解できて、最後は少し前向きになれる完璧な脚本と演出だ特に思った。最後の他人の少女のアップと、主人公こブルルルの解釈だけ分からなかったので、どなたか教えてください。
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