ミッシングのレビュー・感想・評価
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たぶんこうだったんじゃないか劇場
石原さとみのキレ芸をこころゆくまで味わう作品。
青木さん、倫也さん、弟くんはじめ皆さんお芝居が秀逸で、その全てが石原さんを鏡のように際立たせる。
ストーリーとしては、この手の事件の(知らないけど)あるあるを詰め込んだ、リアリティ(知らないけど)がある風味の仕上がり。
冒頭からほの想像通りのフラグが立ちまくっていて、ラストは観る前からわかっていたがそれで充分。
地獄の品評会
吉田恵輔監督作品らしく、人生や世間との軋轢に「折り合いをつける」ことが出来ない人たちの生き様を描く作品。本作は、その状況からどうやっても折り合いなど付けられようもないのだが、それでもSNSやテレビ局の態度などとても我慢できるものではないと思わせられるし、ホントに世界はいつからこんなに狂ってるんだ?と思う。
作品はとにかくそんな地獄の品評会。いっぽうで役者陣はみなそれぞれに熱演。特に夫役の青木崇高の芝居はリアルの一言だし、弟役の森勇作は…なんだろう、人生の轍に嵌まってしまったような地獄を見せてくれた。
主演の石原さとみは、確かにパブリックイメージを振り捨てたような熱演ではあるものの、「パブリックイメージを振り捨てた熱演」とラベルが付けられたような印象で、石原さとみにとつてこの作品が必要であったことはよく分かるが、この作品に石原さとみが必要だったのかは分からないままだった…
石原さとみの迫真且つ迫力ある演技に心が震えた!
予告をよく見ていて観たい!と思ったのが鑑賞動機。
冒頭、ミステリーものかなと思いながら観ていたら
石原さとみ演じる沙織里の壊れっぷりが予想を遥かに
超えていて鳥肌が立ちました!
ややホラー映画を観ているような、
ずっと息苦しいストーリーと演出が続いていくのですが
その中でも石原さとみの迫真の演技に圧倒されます。
いや、本当にすごいしリアリティがあるんですよね。
だからこそ観ていてビビってしまうシーンが
複数ありました。
近年観た邦画の中でもここまでの演技は
覚えがありません。そのくらい凄かったです。
夫である豊を演じた青木崇高も素晴らしい包容力だし
思ったこと、あるいはそういうつもりじゃないことが
口に出てしまうリアリティがあるがゆえに、
グッときました。
特に中盤の涙を目に浮かべて堪えるシーンと
ラスト近くの嗚咽シーンが素晴らしく、
感動しました。
あと、中村倫也もいろんなしがらみに悩む報道マンを
リアルに演じていて好感が持てました。
社会問題をやや誇張気味且つ皮肉的に盛り込みながら、主人公を徹底的に追い込むので本当に苦しい映画で、ラストでカタルシスを得るような映画ではありません。だからこそ現実離れしておらず、リアルな作品
だと感じました。
とにかく石原さとみを観てほしい。
そんな映画です。
未解決事案の結末
人が壊れて、再生するまで
悲劇的な家庭 悲劇的な社会 悲劇的な現実
順調でない進み方について気持ちが焦ってしまった。
一番の感想は日本社会の無関心の一面を表すことだと思って、社会に向かっている正義の方は何をしても進めず、いつもこんな奴に注目される。更に、被害者叩きという一面も今で深刻なことだと思う。
娘が探せないので ある幸せな家庭が破れた。そして、社会問題によって現実は残酷になり、主人公たちの気持ちを苦しく感じさせられた。最後まで、何も実現してない気がする。でも、その辛さを心に刻んで、生きていると信じて生活し続けるのも良いじゃない?
石原さとみさんの演技力は本当に素晴らしい👍
圧倒的な石原さとみ感!!!
正直圧倒的な演技で、全てが消し飛んだ感じ。あんな嫌な顔できるんだね。あれが本性なのかと思うくらい。
ストーリー的には言いたいことはあるよ。まずは、サブストーリーが余計。テレビ局の人間関係とか、弟の同僚のとか。
さらに、最後まで「犯人探し」を諦めないように引っ張ってくよね。でも途中から、「これどうやって終わらすの?って思ったりさ。でも、「あ、これ娘の生死や犯人出す気ないなって」思ったよね。そこでテンション下がったんだけど、その中で、あのラストは、
悪くない
って思ったね。本当は総合的に見て★3.5くらいかなあと思ったけど、石原さとみのあの演技見せられたら5をつけるしかないかなあってね。
まあ、ああいう失踪事件は解決しない方が多いことこそ「リアル」なのかもね。
意地が悪い、ガラス越し
また映画の評価とは関係ないことを書くかもしれませんが、スマホが勝手に写真をまとめてアルバムみたいにして流してくれる機能があるじゃないですか。自分は息子が生まれて一眼に凝りだして、低予算ながら一眼ならではのきれいな写真を残せていると自負していいて、たまに電車とかでそのスマホがまとめてくれたアルバムを眺めてニヤニヤしているのですが、この映画の冒頭に流れるホームビデオがそれに重なって。この映画のあらすじはやっぱ知ってるから、ああ、この可愛い娘さんが、って思うとうわーってなりました、頭から。可愛い子供の記録は、子供がいてくれるからこそニヤニヤできるんですよね。いなければもうそれは…別れた恋人の記録なんかより、もうどう扱ってどう見ればいいのかわからない記録になりますよね…
この映画は、ミステリーでもサスペンスでもなく、なにかメッセージがあるわけでも、感情を激しく揺り動かすドラマでもない(親として少し泣きましたが)ように思えました。「意地悪な神様が意地の悪いタイミングで最悪な物事を起こす」、そんなあるあるの詰め合わせです。つまりは製作してる人たちはかなり意地悪なんじゃないかと思います笑セリフにも言っちゃいけないことを言っちゃいけないタイミングでの一言が多かったですね。
あとガラス越しになにか起こっていることが印象的でした。聞こえない罵倒や叫び、物理的な悪意、色の重なり…音を遮ったり、割れたり、光を通したり…
石原さとみさんがこれぐらいできるのは想定内でした。青木崇高さんの演技が個人的には良かったです。
港町の女性って暴力的で怖いですよね。(経験より)
最後にまたこの映画には関係ない、ただの蛇足ですが、登場人物の行動にいちいち「こんな事するなんて、言うなんて、とても考えられない。感情移入できない。」って映画の感想を見かけますが、そういう視点でしか映画を見れない人がいることは割と驚きです。
さとみ嬢の演技に刮目せよ
作品だけで語るなら★3.5ぐらいの評価です
ラストは強く生きていく希望が持ててメンタル的に一皮剥けましたみたいな感じに私はとらえましたが、作り手的にはどういう感じに見せたかったのか気になるところです
そのほどほど評価のこの作品の見どころと言えば行方不明になった娘を探すという重苦しいテーマをぶち壊す母親役の石原さとみさんの熱演、怪演ぶりでしょう
ネットで誹謗中傷してきた相手にブチキレる、やり場のない怒りを旦那にぶつける、協力的でない弟をどつき回す、リアルすぎて芝居の域を凌駕していて、これが完全に台本通りなら絶賛レベルなので是非見てもらいたいです(次回の日本アカデミー賞の主演女優賞で最有力な気がします)
精神の崩壊へ向かう様と再生
資質
何かできることはありますか。
『特段歪んだ思想や強い憎しみを抱いているわけでもないごく普通の人間でも、自ら考えることを停止し、上から言われるがまま命令に従えば、巨大な悪を成し遂げてしまうことがある。』
これは、悪の凡庸さ(陳腐さ)というキーワードで表現されるアイヒマン(第二次世界大戦中、ユダヤ人大量殺戮において重要な役割を果たした男…1960年、潜伏先のアルゼンチンでモサドにより、拉致、逮捕され絞首刑となった)についての叙述である。
悪意しか感じられない書き込みを行っている人たちも、〝上からの命令〟という部分が〝炎上圧力〟とか〝悪ノリ〟に置き換わるだけで、自らの思考停止に気付かないまま(或いは気付かない振りをしたまま)巨悪に加担していることでは、変わらない。
面白おかしく伝えるのが使命だと勘違いしたメディア関係者も、極めて凡庸な人たちなのに、巨悪を成してしまうということでは同じ。
愛する人や大切な人を理不尽な事故や事件で失うことの傷みは、どれだけ深いのか。
当事者が負う罪悪感や取り返しのつかないことへの後悔や絶望感。
当事者ではないものができることは、少しでもその傷みを理解しようと努めること、無力なのは分かっていても、決して傷つける側の人間にはならないでいること。
そういう思いがあれば、たった一言であってもどれだけ救いとなるのか。とても心に沁みました。
自分にできることは何かありませんか?
お気持ちはわかりますが…
行方不明になった6歳の娘を捜すべく奔走する母親と、世間の関心が薄れる中彼女の取材をする地元TV局の記者の話。
冒頭既に娘は失踪後でビラを配るところから始まるので、娘は何歳?いつ?どんな状況で?とイマイチ掴みにくいまま観なければならず少々入って来難い。
そんな状況だから、娘が失踪したという大事なのはわかるけれど、主人公の人の意見は聞かないけど自分の意見は絶対だったり、癇癪だったりがあまり受け入れられず…まあそこは夫が突っ込んでましたが。
記者の葛藤は中盤ぐらいまでとても良かったけれど、終盤はあまり出番が無くてちょっと残念。なんならこっちの方が個人的には好みだったし。
キツくやり切れない題材でとても良かったけれど、特にメインの姉弟はこれってもとの性格が…と強く感じてしまった。
石原さとみの熱演は、本当に素晴らしい!
観終えてからも石原さとみの熱演の余韻が残り、ストーリーは厳しい内容であるが、作品としてはとても素晴らしかった。
娘がいなくなり何も手につかなくなる妻、その妻は夫の温度感が違うと言ってなじるが、石原の目の表情や雰囲気は、自分が夫で、責められているように感じるくらいにリアル。でも夫の気持ちもよくわかる。男と女は同じようには必ずしも反応しない。でも夫も、時に妻の言動や反応に疑問を感じつつも妻が納得するように寄り添って動く。
石原さとみのシーンでは、弟に取材を受けさせようとアパートの扉の前で狂ったように叫ぶ姿や、商店街を歩いて奇声をあげる姿、いろいろ記憶に残るシーンは多いが、1番印象に残ったのは、「娘が保護された」と連絡があり、警察に娘を迎えに行き、実はそれがデマだとわかった時の「衝撃」の表情、そして哀しみの姿から溢れ出る叫び。作品の中の母に同情すると共に、あの妥協のない演じる姿は、ストーリーを超えた強烈な存在としても印象に残り、あの演技に感動させられ、見終えてからも、あのシーンの姿を思い出すと涙が出てくるくらいだった。
以前中国の映画で、子供を誘拐された親の「最愛の子」という作品を見だが、とにかく人の不幸につけ込んで、子供を見た、情報が欲しければ金を出せとか、そういう酷い現実を、思い出した。この世の中の狂った姿は、石原演じる母も呟いている。こういうつらい現実は起こらないでほしいが、映画を通じて辛さを体験した感じだ。
またマスコミ報道の当事者に寄り添わない上層部の姿もリアルで、現実もこういうものなんだろうとかんじられた。
脇を固める俳優達が光っていた
ミッシング、失われたつながり
行方不明の娘を探す夫婦の姿を通して、報道とSNSの相互作用が生み出す現代社会の問題を浮き彫りにした衝撃の人間ドラマ。
藁にもすがる思いでテレビの取材を受け続け、SNSにホームページを開設したり、ビラ配りをしたりと何とかして娘の手掛かりを見つけたい沙織里たち夫婦。しかし得られる情報は不確かなものだったリ、冷やかしだったり、挙句には悪質ないたずらだったりする。
その上、テレビ報道がきっかけで沙織里の育児放棄が原因などとネットリンチを受けるまでに。
目撃情報を得るためにネットの書き込みを見続けた沙織里。被害者である自分たちがなぜここまで攻撃されなければならないのか。いつしか知らず知らずのうちに誹謗中傷の書き込みを探すために見続けていることにも気づかず彼女は泥沼にはまってしまう。
まるで世間全体が自分たちの敵になってしまったかのように感じる。娘を取り戻したいだけなのになぜ世間は自分たちに牙をむけるのか、いつからこの世は腐ってしまったのか、そんな疑心暗鬼にさいなまれてゆく。
テレビ取材も好奇心で行われていると思いながらも、頼みの綱である報道を利用しないわけにはいかない。いつしか悲劇のヒロインを演じている自分に沙織里は自己嫌悪に陥る。
またネットの心無い誹謗中傷を受け続けた彼女の心は蝕まれてゆき、自身が弟に対して酷いメールを送ってしまう。面と向かって口ではとても言えないような言葉を投げつけてしまう。それこそが彼女がSNSで受け続けた誹謗中傷と同じものだった。ネットを通して自分自身が毒されてしまったかのようだ。
マスコミとSNSに翻弄され続けた夫婦。それから二年の月日が流れて世間では事件のことはすっかり忘れ去られていた。そのおかげでネットでの書き込みも収まっていたが、いまだ娘は返ってこない。二人は今もビラを配り続けていた。それはもはや惰性で行われているだけかのように。
その時、以前同じく行方不明になり無事保護された少女の母親が声をかけてくる。自分にも協力させてほしいと。仕事先の若い女性も妊娠して協力したいと申し出る。
失われたと思っていた社会とのつながりはけして失われてはいなかった。自分たちを取り巻く社会はけして自分たちを見捨ててはいなかった。
SNSを通して敵だと思っていた社会はけして敵ではなかったのだ。社会とのつながりを感じた二人に暖かい光がそっと肌を撫でる。それは虹色の光。
娘と同い年くらいの少女が沙織里に微笑みかける。傷ついた彼女の心はいま、暖かい光に包まれて癒されつつあった。
SNS上でいまだ繰り返される誹謗中傷。何人もの犠牲者を出しながら一向に改善される気配はなく法規制がされつつある。
ネットにより皆が自己主張をしやすくなった現代では不確かな情報をもとに憶測で己の正義感を振りかざして相手を攻撃してしまうようなことが起きている。
前にキャンプ場で行方不明になった子供の親に対する酷いネットリンチが起きた時、書かれた記事を思いだした。その記事には今起きているネットによるバッシングは報道とSNSの相互作用によって生み出されているのだという。
ネットによる誹謗中傷は報道による情報がもとにしてなされる。事実を報道するのが報道の役目だ。しかし何でもかんでも事実だから公開してしまっていいものだろうか。公開するタイミングや公開することによる影響も考慮する必要があるのではないか。公開することによるメリット、デメリット、それぞれ天秤にかける必要があるのではないか。
また報道しぱなっしも許されないであろう。自分たちが流した情報が社会にどれだけの影響を及ぼしたのか。誤報は当然だが、社会に誤解や偏見、いらぬ憶測を与えかねないような報道は改められるべきであるし、それら憶測によってネットリンチが起きてしまっている実態がある。
誹謗中傷が絶えないのは個々の正義感からくるものだろうが、それがいつしかネットリンチに発展してゆく。悪いものは徹底的に懲らしめるべきだ。政治家のスキャンダルをものにしたディレクターは得意げに語る。自分が正義の鉄槌を加えたかのように満足感に浸る。この感覚はいまやネットユーザーに共有されている。
それらが憶測やら偏見だけで書き込みをする。一つ一つはたわいもない書き込みであってもそれらが蓄積されれば受け取る人間にとっては大きな津波に見舞われたかのような被害を被る。
そのようなネットリンチを生まないためには憶測や偏見を生じさせないよう正確な情報発信を報道機関は心掛ける必要があるし、ユーザー自身も軽はずみな書き込みをしないようネットリテラシーが要求される。
さすがの吉田作品だけあって重厚な人間ドラマだった。主演をつとめた石原さとみはかわいらしさが売りの女優さんだと思っていたが、年齢を重ねて演技派女優へと見事に脱皮した。とにかく彼女の演技には終始圧倒された。
ないものねだり
人がいつ心を失くしたのかは知らないが、その言葉すら性善説が根底にあるように思えてくる
2024.5.18 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(119分、G)
娘の失踪に揺れる両親を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は吉田恵輔
物語の舞台は、静岡県沼津市
そこに住む主婦の沙織里(石原さとみ)は、娘の美羽(有田麗未)を弟の圭吾(森優作)預けて、数年ぶりにアイドルのコンサートに出かけていた
だが、圭吾は所用で美羽を自宅まで送り届けず、それが原因で美羽は行方不明になってしまった
夫の豊(青木崇高)が帰宅し、異変を感じて沙織里に連絡するものの、彼女はライブに夢中で気づかず、それが原因で初動が遅れたのでは、とも囁かれてしまう
現在は、地元のテレビ局の記者・砂田(中村倫也)のクルーたちが取材に来る程度で、大々的に報道されなくなっていた
ビラ配りをしてくれるボランティアの数も減り、事態の変化もないために、テレビ局も報道する意味を感じなくなってくる
そんな中、砂田は打開策として、「最後に美羽と会った圭吾」への取材を敢行する
沙織里は藁にもすがる思いで、無理やり圭吾を引きずり出すものの、その報道は却って「弟が犯人じゃないのか」という疑念を抱かさせるに過ぎなかったのである
物語は、幼女誘拐事件に巻き込まれる家族を描き、感情的になって取り乱す母親と、冷静になって色んな手を考える父親という構図を描いていく
沙織里は、自分のせいで美羽がいなくなったと思い込んでいて、夫とは温度差を感じている
だが、それらは全て彼女の思い込みであり、夫はやるべきことはしていたし、それに気づいて思い直す沙織里が描かれていく
映画は、石原さとみの怪演というふれこみになっているが、ややオーバーアクトに見えるような感じになっている
だが、狂乱する母親のキレ方というのはこんな感じなので、実際に遭遇した人ならばオーバーアクトとは思わないだろう
また、SNSの時代なので、誹謗中傷に苛まれることになるのだが、沙織里としては「悪意の中にも本物があるかもしれない」と感じていて、心を痛める覚悟を持って、書き込みなどを読み込んでいた
夫は「便所の落書きに価値はない」と考えていて、そこに書かれるそれっぽいものは全部嘘であると感じている
さらに、警察を名乗る電話がかかってきたり、美羽らしき子どもを見たと言って会う場所や時間を決めてドタキャンする悪質な人も登場する
このあたりは実際に起こっていることがベースになっているので、脚色とも思わないし、現実ではもっと狡猾で、酷いものはたくさんあるように思える
なので「いつから人は心を無くしたのか」というキャッチコピーは「まだ性善説側のコピーなんだな」と思えてくるのである
いずれにせよ、今では性善説で考えられる時代ではなく、性悪説の中に一縷の希望があるかもしれないという程度になっている
彼女たちを支援するボランティアたちも、ボランティア活動そのものに心を奪われている人も多く、本当の意味での協力者は類似事件の被害者ぐらいしかいないかもしれない
報道側も様々なパワーバランスの中で番組を配信していくのだが、「真実が一番面白い」という言葉に勝るものはない
現在の日本では、他人の不幸がお金になる時代で、それをいかにオブラートに包むかという世界になっている
なので、実際にこのような事件が起こると、募金詐欺とか、手伝うふりして足を引っ張って喜ぶというような、過酷なことは普通に起きると思う
映画のラストでは、ほぼルーティンと化しつつある搜索が描かれていくのだが、そこに類似事件の被害者(大須みづほ)が手を貸すという展開になっていた
そこでようやく感情的になるのが夫なのだが、このシーンゆえに本作はかなり締まったものになっているように感じた
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