「胸に迫りくるものが…」ミッシング まみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
胸に迫りくるものが…
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娘が行方不明になって2ヶ月後?くらいからの物語。
初期の捜査が一段落して、手がかりも情報も少なくなってきたころ、娘を見つけるために、何かしたい、何かしていないと、ギリギリで保っている精神すらも崩壊してしまいそうな日々…
ヒリヒリした感じがこの上なく伝わってきて、涙が止まらなかった。
どんな些細な情報にもすがって、娘を見つけるために必死の母親。追い詰められている母親を支えながら、できることを見極めながら動こうとする父親。
娘を見つけたいという2人の思いは同じなのに、向き合い方が違うだけで、こんなにもすれ違ってしまう…まさに「温度差」という言葉がぴったりで、同じ状況に陥った経験はもちろんないのだけど、リアルさが際立っていた。
ラスト近く、それまで、過度にのめり込むことなく、冷静な対応をとっていた父親が、感情を爆発させるシーン。
それまでは、母親のギリギリの精神状態が表立っていたけど、父親も、追い詰められてギリギリを保っていたんだな、と感じた。
壁に書かれた落書きの娘の頭をなでるシーン。悲しくて、切なくて、どうしようもなくて…。
事件としてはなに一つ進展がないけれど、それでも生きていかなければならない登場人物の心の変化をていねいに捉えた、良い映画だと思います。
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