「事件の当事者と外野のリアル」ミッシング まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
事件の当事者と外野のリアル
幼女失踪事件を軸に、母親・父親・親族・報道関係者など、事件に関わる人々の姿を描き出す本作。
ずっと心が落ち着かず、生々しくてリアル。誇張して視聴者を面白がらせることが目的じゃなく事実を報道したいという砂田が、その事実が面白いんだと突き返され何も言えなかったのが印象的。センセーショナルな事件を世間は好き勝手に解釈して盛り上がるけど、当事者にとっては大迷惑なわけで、この辺りの表現が絶妙でさすが吉田監督です。
ギリギリの精神状態でも生きていかなきゃいけないし、生活しなきゃいけないし、そのためにはお金が必要で、その日々を繰り返すことで時間が経ち、少しずつ喪失と共に日常を生きることが出来るようになって、でも普通では全然なくて。死別ではなく失踪という形の残酷さもまた改めて目の当たりにすると辛かった。
通して展開に変化がなくずっと「娘を探す」に終始するので、どうしても冗長的に感じてはしまいましたが、それでも最後まで飽きることはなかったです。色々考えさせられました。
コメントする