「父親は他人‥そこの芝居が行き過ぎていなくて好感」ミッシング たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
父親は他人‥そこの芝居が行き過ぎていなくて好感
評判の高い吉田恵輔の作品を初めて観たのだがほとんどの監督作で脚本も書いており本人曰く「監督より作家としての気持ちのほうが大きい」とのことで、現場ではイメージしていたとおりの芝居だとすでに一回観た映画をもう一度観ているようで面白くないのだというから困ったものである。失踪したわが子を探す母親の話なのだがそのミステリー部分は本筋ではない。事件をとりまくてんやわんや報道するマスコミやSNSでの誹謗中傷、夫や親族との関係などが主題で「心をなくしてしまった」現代人への問題提起。特に視聴率至上主義のテレビ報道や「やらせ」は使い古されたテーマではあるが「心ある」テレビマンでさえもついついやってしまうという脚本上のちょっとした工夫が大きくうなずかされて面白かった。石原さとみは想像したよりエキセントリックではなく弟役の森優作、TV記者の中村倫也、そして何より夫役の青木宗高がとても自然な演技で偽りがなく良かった。でもやはり事件の行方は気になる。このエンディングはどうなんだろう?
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