「このエネルギーに圧倒される・・・」ミッシング ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
このエネルギーに圧倒される・・・
いつもの悪い癖が出てしまって・・・(予告編で睡魔に襲われ、冒頭を見逃してしまう)
弟がインタビューを受けるところからの鑑賞だったのですが、この前にどんなことがあったのかな?
とにかく、石原さとみさんがスゴい!その一言ですね。
吉田監督に傾倒して、自分を変えてくれるとアプローチしたことを、いろんなメディアでお話していました。売り込んでからの数年間で自身の環境も変わり、役への想いも変わっていったことも話されてましたが、まさに思惑通りと言いましょうか・・・
ホンッと魅入っちゃいました。
「進撃の巨人」なんかでキャラ物を演じても、見事にこなしてくれる器用な役者さんだと思ってました。(演技がどうこう言えるほど、詳しくもないので、自分の感じるなかでの印象です)
でも、石原さとみという看板で、どこか可愛らしさが、残っているという印象を受けてました。
ところが、この作品からは、その部分が一切、排除された感じです。
娘が行方不明になる母親の役で、その行方を探す様に、鬼気迫ると言うより、それ以上の迫力で追い詰められるような感覚でした。
今でこそ、娘も大きくなってますので、まだ大丈夫だったのですが、まだ幼い頃に見ていたら、と考えるとゾッとします。
夫役の青木さんに向けられる一挙手一投足が、映画を見ている自分に向けられているような感じで圧倒されました。(全然似てないんですが、石原さとみさんと家のカミさんが、ダブって)。あれほど、責められたり、勘違いされたり、乱れる様を見せつけられて・・・それでも優しく接することが出来るだろうか?
石原さんの崩れっぷりには、想像を絶するものがあり、勘弁してくれよ、一緒に居たくないって想いが強くなりました。支えてあげたいという気持ちが、どこまでもつか?
そして、マスコミの在り方にも問題提起されいるような。
中村さん演じるテレビ局の人間が、被写体となる人物のバックボーンを気にしていく変化が繊細に描かれてました。
もう一つ、現代ならではの問題である第三者の介入。
昔だったら、テレビを見ながらのやり取りは、家族内とか、生活を共にするものどおしの対話内ですんでいたものが、ネットの普及により、全国で共有するものとなってしまった。
勝手な個人の想い、いい加減な憶測が、確かな情報のように飛び交う世界。個人情報が晒され、心無い誹謗中傷がいたずら感覚ではびこってしまう。
テレビ画面の中は、フィクションとノンフェクションの違いも感じられなくなってしまったのではないか。
作中、無事保護されたと言う電話で警察署に出向いた夫婦が、いたずらだと解って絶句するシーンがあるが、自分も打ちのめされた。この作品事態がフィクションではあるが、実際に起こり得る出来事だと痛感してしまった。こんなこと有りっこないじゃんと、笑い飛ばせる世の中でなはいような・・・
【ネタバレ。ラストに触れます。】
結局、少女の行方は解らないまま、本作はエンドロールに突入した。
えっ、ここで終わり?悶々とした想いで、映画館を後にしたのだが、このレビューを書くにあたって、思い返していたら、これも有りかなって気がした。
無事保護されてハッピーエンドってのが理想ではあったけど、作品中では3年程度の月日が経っており、バッドエンドの可能性の方が強いと思う。
見つからないと言うことで、僅かな希望をもったハッピーエンドではなかったのだろうか。
コメントありがとうございました!ラスト見つかりませんでしたね😢警察に保護されたという悪戯電話は、実際にそんな事があるとするならば余りにも酷すぎる。人間のする事ではないと激しい怒りを感じました。石原さとみさんの演技も、その酷さを表現しきった凄まじいシーンでした。
・不明のまま(解放されない)
・死亡が判明(解放はされるか)
どちらも同じくらい辛いですよね…
時間が経過して世間の関心が薄れてきているから、もう一度放送しましょう。ついては取材を拒否している弟さんに取材できるようにお願いします。
のような流れだったと思います。
冒頭、女の子の写真が何枚か紹介されます。かわいい子でしあわせそうな家族だなと思っていると、いきなり街頭でビラ配りをしている夫婦。それを取材しているテレビ局のスタッフ。誘拐されたり事故にあったりする場面はありません。