「2時間ずっと心が苦しい映画」ミッシング hungerさんの映画レビュー(感想・評価)
2時間ずっと心が苦しい映画
ずっと心が苦しくて、見るのが辛かった。
せめて救いがあってくれと思い、見続けていたが結局これという救いはなかった。
だけど、展開的にはご都合的な救いがあっても、個人的には満足しなかっただろう。
現実はきっと何でも上手くいくものではないから。
家族、報道、SNS?、誹謗中傷と様々な問題がこの映画にはあり、改めて考えさせられるものがあった。
おそらく、この映画の設定ではSNSがないのか常に見ているのは2chのような掲示板。
ずっと娘を探す方法がチラシを配るのと、TVの取材頼り。今なら、SNSとかを使ったもっと効率の良い方法があるのだろうけど、おそらくこの時期はそれができなくやれることはチラシを配るという、心許ない手法のみ。それも親の無力さが滲み出ており非常に辛かった。
石原さとみも最初は少し美人過ぎて、画が浮いていたが泣き崩れるシーンや、子供に浮かべる笑顔のシーンなど見せ場のシーンでは流石の演技でとても馴染んでいた。
最後のシーンでカラフルなガラスに日が当たって、壁の落書きに虹がかかるシーンは希望の象徴でもあるが、虹は虚像だからどれだけ根元を探しても見つからないもの。
とれだけ探しても実像は見つけられない。
きっと、その両方の意味が込められているのだろうなと感じた。
あと全体的にめっちゃ手ブレが気になったけど
たぶんあえての演出なんだろうな。
こういうニュースはたまにあるが、どうしても他人事として見ていたが当たり前だが苦しんでる家族がいるんだよなと思い返すきっかけになった。
こういうのって当たり前のことだけど、映画等の作品で見つめ直すきっかけがないと、私は忘れてしまう生き物なので良い作品と出会えてよかった。