「事件そのものよりも世間に晒される被害者家族の話」ミッシング ひつじこさんの映画レビュー(感想・評価)
事件そのものよりも世間に晒される被害者家族の話
予告、番宣、石原さとみさんのインタビューなど、結構期待させる要素が多かったのですが、多くの絶賛レビューのような感想は持てないままでした。
吉田監督の作品は「ヒメアノール」「空白」「犬猿」など好きな作品が多いのですが、今作に関してはあーやっぱりそういう感じで終わるわけか…と、ちょっと拍子抜けの感あり。
この事件に決着をつけるのは、陳腐か残酷かしか無いわけで、もちろん余韻残しのラストでもそれが功を奏す場合もあるのですが、被害者家族の姿にスポットをあてることが軸だとするなら、終わり方はもう少し観る側に何かしらの道筋がほしかったように思います。
それから、役所、警察署、商店街などで、変な口論をしているモブキャラをやたら登場させていたのが正直うるさいと感じました。特に商店街で揉めている男女はコントでもしているのかとそればかり気になり、主人公の心情に全く入り込めなかったです。
石原さとみさん、「演技するってこういうことなんだと初めてわかった」とインタビューで答えられていて楽しみにしてたんですが、オーバーアクション、早口でまくし立てるなど大袈裟すぎる演技は以前とさほど変わっていない印象でした。ビジュアル的なところではしっかり役作りされていましたし、熱演も伝わってはきましたが、演じ過ぎているところが終始気になりすぎました。
対象的に青木さんと中村さんの静の演技は圧巻。
マスコミ報道の在り方、ネットの行き過ぎた誹謗中傷など、さほど珍しくないテーマだけに、何かこの作品でしか感じられないものが欲しかったなと、わがままな観客の感想です。
私も青木さんの演技に惹かれました。日常でカメラがまわってたとこにふと現れて喋ったみたいに自然でした😌
石原さとみさんは、プライベートな環境が変わり違った心境を手にした実感がはっきりあるのでしょうね。これからの作品、たのしみです。
今までのイメージはたしかに印象が濃いですね。