劇場公開日 2024年2月23日

「もうひとつの〝あらためて〟」コヴェナント 約束の救出 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もうひとつの〝あらためて〟

2024年2月25日
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鑑賞方法:映画館

残虐な敵がいて、主人公は窮地に陥り、熱き絆で結ばれた者が命を懸けて、家族も救われて、最後は…

という展開は、王道とも言えるほどよくあるパターンですが、見ればやはり気持ちは昂ぶるし、一定の感動もする。

アフガニスタンやアフガン人通訳の問題などについては、〝あらためて〟と〝初めて〟というふたつの認識を得ましたが、実は〝あらためて〟がもうひとつ。

それは、テロリストになったり、武装して戦うようなイスラム原理主義者たちは、欧米先進国の人たちにとっては、ポール・バーホーベン監督『スターシップ・トゥルーパーズ』に出てくるバグのようにしか見えないのではないか、ということ。

奴らは、群れでやってくる

これは『スターシップ・トゥルーパーズ』の宣伝文句のひとつですが、この映画におけるタリバンの扱いがまさにそうでした。
我々日本人のほとんどは幸いにして、これまでのところ、彼らとの戦闘、或いは爆弾テロなどに直接巻き込まれたことがなく、恐怖や憎悪を伴う実感を覚えるには至っていない。だけど、もし何らかの当事者になってしまったら、〝バグ〟的なモノとして捉えるようになるのではないか。

彼らがなぜそうなってしまったのか、どうしたら止められるのか、と世界情勢や歴史や宗教などの勉強をして理解し合おう、などと思考するより先に、身近に迫り来る死の恐怖は、防衛本能を覚醒させ、相手への攻撃を躊躇わないように仕向ける。
相手だって、死んだら悲しむ家族がいる普通の人間なのだ、と思ったら殺せなくなるから、バグ(虫)だと思えばいい。

ウクライナやガザ地区でも、戦場にいる兵士にとっては、相手はバグなんだと自分に言い聞かせないと心がもたないのではないか。
まともな人間ならば、PTSDにならないほうがおかしい。

どんなドラマが生まれるのだとしても、どんな形であっても、戦争は絶対に肯定できない。

グレシャムの法則
Mさんのコメント
2024年2月26日

顔を見せない、彼らの人格を描かない、ということによって、殺すこと(殺される場面)の罪悪感は確実に減るのは間違いないと思いました。

M
グレシャムの法則さんのコメント
2024年2月26日

美紅さん、レビューしなくても美紅さんが映画ファンであることには変わりないし、映画ファンとしての繋がりも不変です。
引き続きよろしくお願いします。

グレシャムの法則
seiyoさんのコメント
2024年2月25日

残念‼️
DVDの機械がないです😁

seiyo
seiyoさんのコメント
2024年2月25日

おはようございます。共感ありがとうございます。

レビュー拝見し
スターシップトゥルーパーズ、どんなのかなと映画COMを読んだところ、
とても観たくなりました。
SFが一番好きですが、
この作品は知りませんでした。
ありがとうございます

ただ、U-NEXTで配信していない…

配信したらすぐ観たいです。

コヴェナント…
アメリカンは罪深いです。

seiyo