はこぶね

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はこぶね

解説

新人監督の大西諒が、視力を失いながらも感性を失わずに生きようとする男が周囲の人々に影響をもたらす姿を描いた作品。若手監督の登竜門である第16回田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ、観客賞、フィルミネーション賞を受賞し、主演の木村知貴にもスペシャルメンションが贈られた。また、第23回TAMA NEW WAVEでもグランプリおよびベスト男優賞を受賞するなど初長編作ながら高い評価を獲得した。

事故で視力を失った西村芳則は、小さな港町で、ときに伯母に面倒を見てもらいながら生活している。かつて一緒に通学していた同級生の大畑碧は、東京で役者をしながら理想と現実の狭間で憂鬱なときを過ごしていた。ある日、西村は大畑と偶然再会する。窮屈だが美しい町を眺める2人は、その景色にそれぞれの記憶と想像を重ねていく。

中途視覚障害の青年という難役でもある主人公の西村を、インディーズから商業作品まで数多くの作品で活躍する木村知貴が務めたほか、大畑役で高見こころ、西村の伯母役で内田春菊など実力派の俳優が共演。田辺・弁慶映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2023」(23年8月4~24日=テアトル新宿/23年9月1~7日=シネ・リーブル梅田)にて劇場公開。

2022年製作/99分/日本
配給:空架 soraca film
劇場公開日:2023年8月4日

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(C)2022 空架 -soraca- film

映画レビュー

4.0芳則の動作演技は良いけれど、取り巻く支援環境が不安定

2023年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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てつ

4.5多くを伝えない映画

2023年9月3日
PCから投稿

コテンラジオ、というポッドキャストで障害者の歴史を学んだことがある。

主人公西村のように全盲ではなくても、
コンタクトレンズのない江戸時代では弱視の私は障害者だった。
古代ギリシャのスパルタで生まれたらムキムキじゃない私は障害者だった。

その時代や状況が障害を定義しているだけであって、
100年後の人から見たら、コンタクトを毎日つけて、
年中鼻炎で鼻が詰まっていて、足の遅い私は健常者と言えないかもしれない。

障害をお持ちの方と知り合うと、つい憐憫の情がわいてきたり、勝手に不幸なんだろうなぁと思ったりする。

西村はこの素敵な景色が見れないんだな、とか、片付けが自分でできないのは不便だろうなぁとか。

でもこの映画のように第三者の視点で、丁寧に木村の日常を追い、木村が何を考え、何に怒り、何を喜んだかを想像すると、その人生は決して不幸ではないことがわかる。
監督はあえて感情を描かず、見る側に想像させている気がした。

西村を演じる木村知貴さんの演技はすごすぎる。
朴訥としているようで、ユーモアやちょっとした渇きがみえたり。

はこぶね。

美しいながらも窮屈な街の閉塞性をさしているのか、
仲直りした祖父、叔母、西村のように、
東京に戻っ手挑戦することを選んだアオイのように、
一見不幸にも見える登場人物が実は救われているという
ノアの箱舟をさしているのか。

良い映画だった。

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クスノキ

4.0日本版「パターソン」

2023年8月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

事故による後天性視覚障害の男性ニシムラが、海辺の小さな町で穏やかに暮らす様を淡々と描いた作品。

ドラマチックな展開はほとんどないが、ちょっとした出来事にほっこりさせられる。日本版「パターソン」と言ったら褒めすぎかな。

主人公の中学生時代の同級生オオハタさんとの淡いロマンスも。オオハタさんは入院した母親の介護のため町に帰ってきた女性。

主人公は目が不自由ながらも認知症の祖父の介護を行う。主人公の面倒を見る叔母との関係を含め、様々な形の介護がこの作品では描かれている。

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ku-pa-

5.0はこぶねは何処へ向かうのか。

2023年8月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

『はこぶね』とは何なのだろうか。
観終わったばかりの自分には理解しようがなかった。ただこの映画は心にずっと残り、何気なく過ごす日常の中で、ふと情景を思い出すのだと思う。
時間を掛けて『はこぶね』が何なのかいつか解る時がくるのだと思う。もしくはこの映画そのものが、映画監督としてデビューした大西諒監督を未来に運ぶ『はこぶね』かもしれません。
後天的に目が見えなくなることほど、絶望することはありません。今までやれたことが出来なくなる絶望を胸に納め表に出さない役を、木村知貴さんが大変繊細に演じていました。
また痴呆症の祖父の言動や叔母の心無い言葉に揺れる心情を、不協和音のような音楽がよく表現していました。
それでも人に迷惑をかけず前向きに生きる彼の生き方を観て、自分の生き様が弱く恥ずかしくなる。自分の抱えている絶望などはちっぽけで、明日からまた普段通り頑張って生きようと思う映画でした。
東京ではテアトル新宿のみで上映されています。なかなか観ようと思っても見れない映画です。未来の巨匠になるかもしれない監督の初長編映画をスクリーンで観ることは、一期一会だと思います。是非ご鑑賞ください。

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