縁路はるばるのレビュー・感想・評価
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軽快なラブコメの衣を着た香港の現在
ラブコメとしては、このシャッキリしないメガネくんがなんでこんなにモテるのか、テメエしっかりしろよ受け身もロクに取れてねえだろと責め立てたくなるのだが、どうもこの映画の核はそっちにはない。メガネくんが出会う5人の女性たちはそれぞれの事情で香港の中心部ではなく、いわば僻地に住んでいて、都心に暮らしそれなりにIT企業で働いている主人公とは目に見えない格差が存在している。そしてのほほんと恋したいなあくらいの気持ちでいる主人公と違って、5人の女性はそれぞれに今の香港に暮らすことについて真剣に考えているのだ。中国本土に吸収されつつあり、なんとか民主化を貫こうとした運動も弾圧される。とくに政治的に生きていなくても、そんな世相とは無縁ではいられない。突然、会社を辞めて姿を消してしまう女性が、実はガンだったと明かされる展開があるのは、あれは突然逮捕されて収監された運動家の隠喩ではなかろうか。結局メガネくんは香港に根付いた女性と一緒になることを決意する。あれは、ノンポリの彼なりに、外に出ていくよりも香港を選択した、ということではないか。そして、今の香港人に与えられたさまざまな選択肢やのっぴきらない事情を凝縮させた、とても社会的な映画なのだと思う。
メラねえ、カワユス。
※2024.4.17追記&☆0.5上乗せ(笑)
香港は小さな島々(合計しても面積は東京都の半分)だが、740万人住んでいる。
何かと比較されることのあるシンガポールよりも多い。
本作は、ちょっとした「香港ガイド」だ。
決して観光スポットではないが、繁華街しか知らない私は、この作品を通じて香港に大いに魅力を感じた。
遠路はるばる、の「遠」を「縁」に置き換えている。
原題『緣路山旮旯』をほぼ忠実に翻訳している。
主人公のモテないエンジニア、ハウをカーキ・サムが好演している。
ハウを巡る恋のお相手候補として5人の美しい女優が出てくるが、みなさん、なかなか魅力的であり、全員が各々違う事情で異なる辺境(と言っても狭い香港の中だが)に住んでいる。
◆会社の同僚役で闘病生活を余儀なくされるエイリー:シシリア・ソー(蘇麗珊)
◆駐車場が隣で偶然同じ車種に乗っているミーナ:レイチェル・リョン(梁雍婷)
◆とにかく早く結婚したいファファ:クリスタル・チョン(張紋嘉)
◆5人の中でも一番辺鄙な郊外に住む不思議系クリエーター、みんなのマドンナ「女神」リサ:ハンナ・チャン(陳漢娜)
◆主人公の大学同期、元タレントで知名度抜群のメラニー:ジェニファー・ユー(余香凝)
中でも、「メラねえ」ことメラニー役のジェニファー・ユーは、若かりし頃の酒井和歌子の雰囲気があり、美しいだけでなく、活発、オトコまさり、そんな感じがとても良かった!
印象深いシーンをひとつだけ、、、
ミーナとようやく交際に発展した主人公ハウだが、メラニーと食事に出掛けたレストランで、偶然にもミーナと遭遇してしまう(ミーナも男性タレントと食事に来ていた)。
その場はお互いに気付かない顔してやり過ごすのだが、後日、デート中のミーナから「女とレストランにいたでしょ」と突っ込まれる。
気付かれてないと思っていたハウは、あわあわモードに入ってしまい、ミーナも他の男と食事を楽しんでいたのに、なぜか一方的に防戦に回ってしまう、イケてないハウくん(笑)。
必死にメラニーがただの大学同期だということをスマホに保存してある写真を見せながらアピールするのだが、「見ないわよ、見ないって言ってるじゃない」と言いつつも横目でスマホの写真を確認したミーナは、
「おぉ、メラニー。。。」
と小声で嘆息し、(この女には勝てないな)という表情を一瞬みせるが、勝ち気なミーナはすぐに立ち直り、
「メラニーが理系の大学にいくわけないじゃない」
空気を読めないハウ、
「いや!本当だって。おれたちは、メラニーじゃなくて、メラ姐(メラねえ)と呼んでた」
と、ミーナにトドメを刺すような ″仲良しアピール″をしてしまう。。。
こういうミス、やっちまうよな。
これをキッカケに、ミーナはよそよそしさを増していき、ハウくんは別れを告げられてしまう。
ミーナは泣きながらクルマを運転し家路につく。
ミーナは、自分からハウを振っておいてなぜ泣くんだ?
と戸惑っていたが、後半、タネ明かしされる。
例の鉢合わせしたレストランで、ハウとメラニーはテーブルの上で手を繋いでたのだ。
これは、いたずら心満載のメラニーが、タレントと食事に来ているミーナに、わざと当てつけるよう仕掛けたものだが、ミーナはそれを見て「ハウにとって自分は本命じゃない」と思ったに違いないだろう。
そりゃ泣くわな。
人騒がせなイタズラを仕掛けたメラニーだが、実は。。。
タレントを辞め、世間の好奇の目を避けるように生きていたメラニーに声をかけてきて、エンジニアとして第二のステージを用意してくれたハウくんに対して、
メラニーは信頼と好意を抱いていたのだろう。
(本作を3回見直して、このように解釈しました笑)
モジモジくんの主人公と、個性的で美しい女優陣が織りなす、ほのぼのラブストーリー。
挿入歌もなかなか良い出来になっていて、
昭和のラブストーリーを思い出す。
遠恋ラブコメ
香港の社会問題も挟みつつのラブコメ。
重くなり過ぎず、問題を考えるキッカケになるのは良いと思いました。
香港の土地勘がないので、移動手段や距離を字幕で追うのが大変でしたが…そこは「遠くに住んでるんだな」くらいの雰囲気で見ました(汗)
移動経路を案内するアプリ画面の演出は面白味があり&可愛かったです。
遠距離恋愛や通勤は僕には…
IT企業に勤める男性が、社内恋愛(一方的?)に始まり、結婚式💒で出会った女性、友人から紹介された女性、幼い時に憧れていた女性、大学の時に知り合った女性(全て遠距離)などと男女の距離を縮めて、最後には…
僕と一緒でオボコイ主人公(男性)が、本当に大切な女性を見つける為に、距離を厭わず、真剣に女性に向き合う姿に共感はもてる
僕だったらどうしたかを、今一度考え直してみたい
香港にも素敵な郊外があることを知る
香港は摩天楼と汚い雑居ビルしかないと思っていたら、入りくんだ海岸沿いに高速道路が張り巡らせられていて、離島へのフェリー運航も発達しているんですね。綺麗なお姉さんが住んでいる郊外を訪れて見たくなりました。とてもいいところに思え、大陸の資本がリゾート開発したりして荒らされませんように。バブリーな中国資本が中心部の不動産を買い占め、家賃高騰が起きているため、庶民や若者は郊外から遠距離通勤を強いられているようです。香港映画もどうなるのか?
BMWからSUZUKIのSWIFTになり、なんだかほっこりしたけど、同じSWIFTのあの娘は逆ナン女子で、なかなかやり手で、だいぶ振り回されました。最初の住民以外立ち入り禁止区域に住んでいる会社の同僚の彼女は多岐川裕美似(歳がバレバレ)の美人さんでした。中国本土との境界にある入域許可証が必要な立ち入り禁止区域は経済活動が制限されているので、自然が多く残っているそうです。
向かいの女子高のマドンナだった画家役の女優さんが清らかそうでとても綺麗で眼福でした。
大学時代のメラねえさんは最初、遠近法で大きいのかと思っていたら、ホントに背が高くて、江口のりこ的なキャラでステキでした。こんなにステキなねえさんたちから相手にしてもらえるモテ期が一気に押し寄せた主人公は香港の宮川大輔みたいな感じ。
IT系なのに高速代とガソリン代と睡眠時間が足りないよ~なんてグチらないのはオシャレな映画には似合わないからですかね。
香港の今が知れた。
偶然出かけたら、舞台挨拶付きの会でした。
監督がとても普通の方で、営業力もあり好感度です。
家賃高騰の香港事情。遠距離恋愛の若者。
同じ時代を生きるけれど、ところ違えば…で大発見だらけ!
韓国映画は振れ幅大きく疲れがちですが、ほのぼの面白かったです。
なんかここまで良いとは予想していなかった なにが良いかよくわからな...
なんかここまで良いとは予想していなかった
なにが良いかよくわからないけど、
なんかとにかく引き込まれたし、
にこにこくすくすしたし、後味も良い
3.5でも良いかと思ったけど、思わず4つけちゃった
見終わってから、『そうだ、こんなタイトルだったな』って思った
英題も邦題も、タイトルの付け方も好き
広東語のタイトルは知らないけど
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