劇場公開日 2023年8月18日

「鳥山明の絵が動くだけじゃ無い!」SAND LAND なもしさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0鳥山明の絵が動くだけじゃ無い!

2023年8月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

興奮

原作は連載時に本誌で読んで以来読み返していない。
冒頭と結末は覚えているが、それ以外はすっかり忘れており、新鮮な気持ちで映画を見ることが出来た。

最初に思ったのは「鳥山明の絵が動いてる!」だ。
これは「The First Slamdunk」をみた時に似た感覚で、誌面の絵がそのまま動く、
というような感覚だ。

これはキャラクターだけでなく、車両や戦車、小物に至るまで「鳥山絵」が動くのだ。
(DBはアニメデザインの絵が動くのであって、「鳥山絵」が動いているわけではない。)
特に戦車の造形、動作、内部ギミックはかなり作り込まれており、原作を超えたと言ってもいい。

ストーリーは、薄い記憶に照らすと原作通りだが、悪の親玉がいい感じによりイヤらしく、より憎らしく描かれているせいか
シバの底抜けの正義漢キャラといい対比となって原作よりメリハリが効いていると感じる。

演出もよい。 例えば、シバとシーフが地上にいた次のシーンに地上からかなり高い場所に移動した際、
カットの最後にちらりと鈎付きロープが映るなど、無理なシーン展開や「なんでそうなった?」という展開が無い。
また、原作が短編ということもありダイジェストになっているところが無い。
「起承」の部分はテンポよく進み、「転」以降のボリュームが長くじっくり見せてくれる。 ダレる部分も無い。

文句のつけようが無い傑作と思うのだが、いかんせん客入りが悪い。
知名度が無い作品というのと、ベルゼが全面に立った宣伝のため客足が伸びないのではないか。

実は、主人公はシバというおっさんで、大人も子供も楽しめ、アツくなれる内容なので
気になっている方はぜひ見に行って欲しい。

なもし