映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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「あなたはあなたのままそれでいい」
私は黒柳徹子さんが好きだ。人として好きというよりも、なにか天然記念物をみるような興味深さに近いといった方が適当かもしれない。年齢を感じさせず、いつまでもパワフルで活動的。決して人に媚びないストレートな物言いがまた潔い。テレビが白黒の時代からスマホで見れるようになった現在までの歴史を全て知る人。そんな黒柳さんが、書いた自叙伝が満を辞して映画になった。
これは、観るしかないでしょ。
恥ずかしながら原作本は読んだことはなかったので、真っ白な気持ちでスクリーンに向かう。観終わって感じたのは、この映画は子育てに奮闘する世代のお父さんお母さんに観て欲しい、子育てバイブル的映画なのだということ。
「あなたはあなたのままそれでいい」と優しく背中を押してもらえる映画です。
人と違うのは悪いことじゃない、違いを個性として受け止めて、その個性を輝きにまで昇華させるには、多くの周り人たちの理解と応援が必要だ。そういう意味では、黒柳さんはとても周りに恵まれた人であったに違いない。今の黒柳さんの活躍があるのは、トモエ学園の校長先生との出会い、小児麻痺の泰明ちゃんとの出会い、そして何よりいつもありのままのトットちゃんを受け入れてくれたご両親の愛があったからだと思えます。
SNSなどの発達により、ひと昔前より人とは違う個性を持った人が生きやすい時代にはなってきたのかもしれない。けれど、まだまだ現実社会においては、人と違うことは生きづらさの原因にもなる。
今そんな生きづらさで苦しんでいる人たちにこの映画を是非おすすめします。
「あなたはあなたのままで十分いいのです。」
今年の最重要作
これはすごい。内容レイヤーでも映像や芝居のレイヤーでも圧倒的なものがある。とにかくモブの一人ひとりにいたるまできちんと芝居させていて、誰一人「背景」になってしまっていない。非常に労力がかかっていることは間違いない。子どもたち1人ひとりの動きにも個性があって、描き分けられているのがすごい。
戦前から戦時へと移り変わる様が日常描写の中に挟まれていき、いつの間にか日本は戦火となる。子どもの視点で描かれる市井の変化を捉えている。
「へいたいのうた」を最後まで歌わせないで騒ぎだしてしまうトットちゃんのシーンが序盤にある。とても示唆的だ。戦争プロパガンダが小学校教育に入り込んでいるが、トットちゃんはそれを遮ってしまう。そういうものには与したくないという制作の意思が強くでている。終盤、出征していく兵士たちと真逆に駆け抜けていくトットちゃん。言葉よりも動きで伝える姿勢が徹底されている。小林先生のキャラクターも非常に奥深い。あの狂気の時代に教育を守るためには、ある種の狂気を宿さなければいけなかったのか。
冒頭と最後に、夢の光景のように出てくるちんどん屋だけがそうした戦争の狂気から隔絶された、特権的なものとして登場する。人を楽しませるちんどん屋だけは戦争に侵されずに住んでいる。これも強烈なメッセージだ。
2023年の最重要作だと思う。後年に残すべき一本だ。
とても有名だけど原作未読。 黒柳徹子はとってもいいとこのお嬢さん。...
とても有名だけど原作未読。
黒柳徹子はとってもいいとこのお嬢さん。
可愛らしい洋服を着せてもらえて、だからおしゃれなのかなと思ったり。
トットちゃんはとっても自由でのびのびした女の子。
変な子扱いされていたトットちゃんを温かく迎えてくれた学園は素敵だなと思ったり、心優しいトットちゃんのやすあきちゃんに対して接し方も。本人はきっと自然にやっていることだろうけど、なんて素敵な育て方をしたんだろうと両親にも感心した。
昔の子供たちは今みたいに便利な時代ではないけれど、伸び伸びして子供らしい。
時代が戦時中でもあるので、いろいろ考えさせられる部分もあり。
良作でした。
生き生きとした子どもの力を感じる映画
トモエ学園みたいなところがあればどれだけの子どもが自由に生きられるか。今の社会はどれだけ規則に縛られているか。子どもにも大人にも、寛容さや相手を認め信じる心を持てるようにしたい。子どもたち自身の判断に任せるから出てくる発想がある。校長先生の言動にびっくりしてしまううちはまだまだなのだろう。全てが正解かはわからないけれど、縛らなくても子どもは育つ。
トットちゃんの想いに涙
普通の学校だと個性的なトットちゃんは浮いちゃうだろうけど、トモエ学園は温かく受け入れる。
戦中の東急大井町線の風情がいい。
使われなくなった電車の車両の校舎。なんて粋なんだろう。
校長先生が生徒に、家から持ってきたお弁当のおかずが、海のものなのか山のものなのかを
あてさせるシーンがいい。戦争がはじまって、おかずが梅干しだけになっても、このひとときをやめない学校のぬくもりに感動した。
トットちゃんの足の不自由な男との交流は、とても素敵なシーンだ。
学校にも、自分の子供にも、他人の子供にも、なんの偏見もないとっとちゃんの両親にも感動した。
トットちゃんは、こんな素敵な両親に育てられたから、今の黒柳徹子さんがあるのだ、と実感した。
戦争によって学校も、トットちゃんも、家族にも変化が起こる。でもそんな変化が起ころうともけっして失ってはいけないものがある。必死で守らなければならないものがある。
その幼いながらも沸き起こるトットちゃんの想いが、映像にさりげなく散りばめられ、自然と涙が止まらなくなる。
トモエ學園という優しい世界
祖母を誘う映画にちょうどいいかなと思って、観てきた。シネコンでは終映してしまったので出町座で。
見られてよかった。
トットちゃんの純粋で素直な姿とトットちゃんを取り巻く人たちの優しさに心が洗われたし、やすあきちゃんと小林先生に泣かされた。
エンディングの“あのね”もベストマッチすぎて最後までうるうるしてた。
あの方の少女時代
子供時代に、父か祖父がこの本を買ってくれて、とても興味深く読んだ。感銘を受けた本。表紙の少女はいわさきちひろの画だった。
今回アニメ化されて、好きな画風じゃないけれども(かと言って萌え画じゃ合わないしやはりこの画風が良いのかな)見るしかないと思った。
雨の中踊る少年少女に魂の躍動を見た気がした。オレンジ色の雨の中、天使のような子供たち。
そしてどうやって、木から下りられたのかな!?
美しい世界だけれど
原作はかなり以前に読んだことがあったので、大まかなストーリーは分かっていたつもりだったけども、黒柳徹子さんの心根と同じ、とても美しくてヒューマニズムに溢れる世界。心が洗われるような。
ただ、絵のタッチと言うか、キャラクターがなんとも絵本チックと言うのか、自分には世界に没入するのに邪魔になった。そこが残念。
口紅のCM(長編)
戦時手前、天真爛漫なトットちゃんと身体不自由な男の子、家族、学校などの話。
感動作。
良い点
・校長先生
・歌わずとも曲を奏でる
悪い点
・前校、他の教室は無人なのか。両校、高学年はいないのか。
・いきなり帰らせる
・男の子のあれがない
・飛躍シーンの曲が盛大すぎてやや浮いている。
・プールの飛躍シーンがやたら長い。泰明が主人公と化している。
その他点
・骨折しそう
・嫌々服を貸したと思われる
・シュプレヒコール繋がり
・腕相撲をすすめたのが間違い
・死因
・トットとは
・屋根裏のトットちゃん?などとややこしい。
見なければもったいない
人から勧められて見ました。というか、勧められなかったら絶対見なかったと思います。でも、見てよかった。教条的なものでなく、純粋に作品として見てよく、泣けました。いろいろな先入観なくまず見ることが大事だと思います。
手袋つけてピアノを弾かない←たしかに
「トモエ學園良い學校!入ってみたら良い學校!」
2024年映画館鑑賞5作品目
2月4日(日)イオンシネマ石巻
1800円→dポイント−300円
原作未読
いや小学生の頃に図書室で読んだかもしれないがはっきりとは覚えていない
原作者黒柳徹子さんが自らプロデューサーを務めているわけだから揉め事があるわけがない
原作ものは原作者を担ぎ上げないといけないよ
原作厨もご満悦
でも聖地巡礼もほどほどにな
アニメオタクの自由と自由が丘住民の自由の解釈はかなり違うからな
これ以上オタクのイメージを失墜させないようにしてくれ
基本的に一般人から快く思われていないと自覚してくれたらトラブルは防げるはずだ
斉藤由貴のやつは観たことあるけど清野や満島の方は観ていない
監督と脚本は『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の八鍬新之介
脚本は他に脚本家の1人としてTVアニメ『ドラえもん』『パズドラ』で数話担当した鈴木洋介
キャラクターデザインは『大きい1年生と小さな2年生』『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の金子志津枝
黒柳徹子がトモエ學園に転校するところから始まり弟が生まれ青森に疎開するまでの話
時系列があっちに行ったりこっちに行ったりしないので楽
トモエ學園は今でいえば自由度が高いミッション系
発達障害とか障害者の受け皿でもあるのかな、
実際のところリトミックというやつらしいが日本では今も主流ではないようだが
それもそのはずで実際大人になるとああいう仕事ができるのはごく一部でほとんどの人はよく調教された名犬のように働くことを求められる
廃車の電車車両が校舎になっている
鉄オタじゃなくてもウキウキしてくる
夜店で買ってもらったヒヨコがあっさり死んでしまうわけだが何故か自分は泣けてきた
職業柄生き物の死骸は見慣れているわけだが
トットちゃんのパパはいつも髪がボサボサだがバイオリンを弾くときは髪型がバッチリと決まってる
家で家族には気を抜くがバイオリンには真摯に向き合う姿勢なんだろう
とにかく絵のタッチが素晴らしい
自分好み
いかにも典型的なアニメオタクが好みそうな例えば痛車に描かれているような絵柄は申し訳ないが生理的に無理
金子さんのキャラクターデザインがトットちゃんの世界に見事にハマった
彼女以外のスタッフが中心になって携わったのだろうが動物&電車のシーンとトットちゃん&泰明ちゃん水中シーンと流氷の川が流れる悪夢シーンのいずれも良かった
泰明ちゃんの死に顔も良い
泰明ちゃんといえば木登りのシーンも雨の日のシーンも腕相撲のシーンも良い
感動的
ファンタスティック!
子供が全裸になるシーンはヒヤヒヤしたが性器を省略したのは正解
アラレちゃんやガッちゃんを思い出した
乳首はなぜか省略しなかったけど
フェイスブックもどうせやるならそうすれば良かったのに丸ごと児童ポルノに認定してしまうなんてバカだよな
エリートのくせに上品下品や善悪の区別がつかないなんて怖すぎる
全てにおいて見事な表現力
ブラボー
2023年公開アニメ映画ベスト3には間違いなく入る
配役
トットちゃんに大野りりあな
トモエ學園の小林校長に役所広司
トットちゃんのパパに小栗旬
トットちゃんのママに杏
トモエ學園の大石先生に滝沢カレン
小児麻痺の泰明ちゃんに松野晃士
自由が丘の駅員に石川浩司
例によって声当て専門ではない著名人中心だが声オタではないので全く気にならなかった
客寄せパンダというがパンダを悪口に使ったら黒柳徹子さんがブチギレるからやめろオタクども
それにしても滝沢カレンはずいぶんと謝罪慣れしてるなと感じた
あと気になったのがトットちゃんのことを父親が「トット助」と呼ぶことかな
そういえば母は徹子を「トットちゃん」と呼んでいたっけ
親が自分の子を渾名で呼ぶって「ちびまる子ちゃん」みたいだな
キャラクターの造形で入り込めなかった
原作大ヒット直撃世代だが、この手の著者の人気にのっかったようなベストセラーはへそ曲がりのため未読。当然、イヤというほど流れていた劇場予告からはまったく興味が持てず、鑑賞予定はなかったが公開後の各方面の評判がやたらと良いのでそれではと観てみた。
アニメは結構、キャラクターの造形で好き嫌いがはっきりしてしまうほうなのだが、本作の、特に女の子のキャラはなんでそんな厚化粧しているの? という描き方で作品に入り込めない要因の1つだった。
時代考証はよくできていて、ディティールも、いつのまにかいなくなっている愛犬(軍用犬として徴用された)や駅の改札が女性にかわる(男性は予備役だったのが徴兵)などコトバにしない戦争の激化を表現する細かい作劇はうまいとは思うが、全体としてはやはり富裕層のお嬢様のワガママ物語りにしか見えなかった。
同時代を描いている「この世界の片隅に」と比較されることもあるようだが、自分としては別物でした。
良作というかたの気持ちはよくわかる。わたしの趣味ではなかっただけ。
余韻がすごい
映画館を出てから自分の車に乗り込むまでに、嗚咽がでそうなほど泣きたい感情に襲われた。
次の日はトモエ学園と小林校長先生について調べた。
この映画が金曜ロードショーで流れたら、きっと教育に革命がおきるぞ。
とにかく、早く映画館まで行ってみてきてほしい。
あいみょんの主題歌最高
子供がいる身としては、教育について考えさせられました。
子供は大人が思っているよりも強い。
親があまり干渉せずに任せてみることも大事なのだと。
大人目線の子供はこうあるべきだという押し付けが子供の個性を潰してしまうのだなと。
小林先生は日本のダンブルドアといったところでしょうか。
声優役所広司は、正直あんまりだったと思います。
あいみょんの主題歌が最高過ぎて、トットちゃんの主題歌→金カムの主題歌→カラオケ行この紅を最近毎日聞いています。
戦争文学としても良作
映画の冒頭と終わりが、黒柳徹子さんご自身のナレーションで、
前半は、
トットちゃんとトモエ学園での生活のはじまり、
落ち着きのない自由な少女トットちゃんが、他者とのつながりを知っていく。
そして終盤は戦争の影。
ずっと子ども目線で描かれているので、社会情勢や背景についての言及は無し。
お弁当が日の丸弁当一択と決められ、児童のお弁当が一斉に変わっていくさまは怖い。
そして、改札の駅員さんがある日、女性に代わっていた…(つまり徴兵された)
画面の変化は、見ている方は理解できてしまう。
トットちゃんのお家は洋風で見るからに裕福そうなお家。
昔のトースターってこんな感じだったのね。という驚きもあって、描写を見るのが楽しい。
最後には住宅疎開云々で、素敵なお家も取り壊されてしまう描写は悲しい。
トモエ学園は空襲で焼け落ちてしまった…
トットちゃん家族は、青森へと疎開。
(のちの黒柳さんのインタビューで、行き先を決めず列車に乗り、仙台、福島は空襲に遭いそうという理由で更に北へ。列車の中で知り合った青森の方の家に転がり込んだという… お母さん凄い!)
黒柳徹子さんの実体験を描いた本作。
戦争を体験した世代の貴重な物語。
…しかし、トットちゃん、
舗装されていない交通量の少ない時代だったからいいものの、現代だったらすぐ交通事故に遭っていそう…
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